LOG.23|嫌になったの?|My sweet home.
久しぶりに呼び出されて、
改めて思ったが、
やっぱり、
フォレストで会うミカは、
最も、ミカらしい姿だと思う。
ミカは、
次々と服を脱ぎ捨てて、
ベッドの上で
ゴロゴロ転がっていた。
全裸のまま、退屈そうに。
ミカ
「あ~。」
「でもなぁ…。」
「退屈だなぁ。」
「なーんか、つまんない…。」
「アンタ今回、余裕そうね?」
俺は、
バスローブに着替えながら
つい口が滑った。
シン
「退屈?」
「今日はスマホ見ないの?」
「また俺の上で見ろよ。」
ミカの動きが
ぴたりと止まる。
寝転んで頬杖をついたまま、
冷たい視線が俺を射抜く。
ミカ
「はぁ…?」
「今の、なに?」
「アタシに命令してんの?」
「アンタ…変わったね?」
「生意気に自信ついちゃって?」
「らしくないじゃん?」
シン
「いや、違うよ…!」
「命令とかじゃ、」
ミカ
「黙って、わんわん鳴いてなさいよ。」
「それとも犬、やめたいの?」
シン
「い、いや!」
「そんな、」
ミカ
「ふぅ~ん…」
そう言うとミカは
ベッドの真ん中で手を広げた。
ミカ
「そっか。」
「嫌になっちゃったの?」
急に優しい目になるミカ。
なんて幸せそうなアリジゴクなんだ…
ミカ
「はい、おいで?」
「嫌になったんだね?」
「わんちゃん、おいで。」
「ごめんね、気づけなくて。」
「いっぱい甘やかしてあげる。」
「ほら早く、おいで。」
シン
「……わん」
俺は驚くほど素直に、
その隣へ身体を差し出していた。
ミカ
「はーい、いい子ね……」
「よしよし…」
頭を撫でられる。
ゆっくり、ゆっくりと。
ミカの香り。
ミカの声。
ミカの撫で方。
心臓で…
「ただいま」
と音が鳴るみたいだった。
シン
「ねぇ…」
「ミカ…」
「改めて、近くで見るとさ…」
「めちゃくちゃキレイだな…」
ミカ
「ん?」
「ふふ…。」
「そんなこと、思ってないくせに。」
一瞬、
レプリカ達と同じ反応だな…
と思ったが、
本家ミカ様は
その先が違った。
ミカ
「キレイだけじゃないでしょ?」
「ミカは完璧。」
「キレイだけじゃないの、ミカは。」
「他の女と同じ褒め方しないで。」
「わかった?」
「ミカはキレイで完璧。覚えて?」
そう言って、
俺の鼻先を指でツンと弾いた。
痺れるぜ、ミカ。
あぁ、やっぱり、
本家ミカは別格だ…!
ーーー
そんな俺の感動を
無視するように、
ミカは急に、
目をシパシパさせ始めた。
シン
「……?」
ミカ
「ふぁぁ……」
そして、あくび。
猫のような、ミカ様。
シン
「あれ?」
「ミカ、眠い?」
ミカ
「…うっさい。」
「撮影で疲れたの。」
シン
「寝なよ。」
「ほら。」
怒られる覚悟で、
逆に今度は俺が、
ミカの身体を抱き寄せた。
拒否されると思っていた。
……けど違った。
ミカは
少しだけ体重を預けてきた。
ミカ
「…もっと、髪の毛触って。」
俺は猫の毛づくろいみたいに、
静かに、優しく髪を撫でた。
ミカの香りが近い。
ミカ
「やっぱ…撫で方…雑…」
「もっと…優しく撫で……すぅ」
「すぅ………すぅ………」
あっという間に寝落ちするミカ様。
寝息が、
スースーと優しく部屋に響く。
気づけば俺にも睡魔が降りてきて、
そのままふたりで眠ってしまった。
ーーー
しばらくして、
ミカがガバッと起きた。
ミカ
「えっ!?」
「今何時!?」
夕方に入った部屋は、
すでに夜の空気になっていた。
時計は21時。
ミカ
「やばい帰らないと!」
ミカは慌てて服を着る。
ミカ
「ちょっと! シン! 早く!」
シン
「ちょ、ちょ、ちょ、」
俺も急いで服を着た。
そして大慌てでホテルを出たあと、
地雷を、踏む。




