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婚約者から「第二夫人になって欲しい」と言われ、キレて拳(グーパン)で懲らしめたのちに、王都にある魔法学校に入学した話  作者: 江本マシメサ
七部・四章 新たな任務

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ガウと一緒に

 サーカスの騒動を受け、船長がやってきた。

 団長が事情を話すと、顔を真っ赤にして激怒する。

 なんでも火の輪くぐりをするさいは、火は使わないでただの輪っかをくぐる程度にするよう指導していたらしい。

 けれども船長は迫力に欠けるから、と言って猛獣使いに火を使うように命じていたようだ。

 なんとも無責任で危険意識に欠ける判断だと思った。

 船長は今にも団長を殴りかからんような勢いで、説教し始める。

 火事になったら乗客の命が危うくなるので、船長の気持ちは痛いほど理解できた。

 ガウについては、航海中は口輪と首輪をそのままにするよう、船長から頼まれる。

 これも、乗客のためだという。

 最後に、船長は私達に感謝してくれた。


 ガウの移動は他の乗客を驚かせないよう、船員が出入りする通路から一等船室に戻った。

 乗客に安全であることをアピールする目的で、口輪と首輪はそのまま、頑丈なチェーンに繋いだ状態で私が引いて歩いた。

 ガウは大人しく、従順で、私の誘導に従ってくれたのである。

 部屋に戻ると、ジェムがガウの姿に驚き、四方八方に跳ね始めた。


「あのね、ジェム、この子は保護しているだけなの! だから落ち着いて!」


 そう訴えると、ジェムはなーーーんだ! と言っているような顔で私を見ながら制止する。ひとまず大人しくなってよかった。

 これだけジェムが暴れ回っても、ガウは取り乱すことはしない。

 ジェムよりもガウのほうが大人だな、と思ってしまった。


 舞台を観に出かけていたレヴィアタン侯爵夫妻は、帰ってくるなりガウの姿を見て驚いていた。

 事情を話すと、ガウに同情する。


「なんて気の毒な子なんでしょう」

「酷い話もあるものだ」


 ガウは私とレヴィアタン侯爵夫人の部屋にある、二つあるうちの寝室で一時的に保護することとなった。

 ヴィルとレヴィアタン侯爵は心配していたようだが、ガウは男性に対し怯えているようだった。ひとまず、自分の部屋へ戻ってもらった。

 まずは、食事を与えたほうがいいだろう。

 部屋にあった果物の盛り合わせを見せてみた。

 リンゴが好きな匂いがしたからか、反応を示す。


「では、すり下ろしてきますね」


 口輪があるので、固形の物を与えるのは難しい。

 それに、まともに食事を取っていないようなので、消化しやすいようにすったリンゴをあげようと思った。


 すり下ろしたリンゴを持って寝室に戻ると、レヴィアタン侯爵夫人がガウの体を濡れ布巾で拭いていたので驚く。

 ガウは心地よさそうに目を細め、喉をぐるぐる鳴らしていた。


「レヴィアタン侯爵夫人……その、大丈夫でしたか?」

「ええ、この子、とっても大人しくって」


 煤で汚れていたというので、拭いてくれたらしい。

 契約していな個体なので、一応警戒しておいたほうがいい、なんて話をしていた。

 まさか、警戒どころかお世話をし始めるとは夢にも思わなかった。

 レヴィアタン侯爵が見たら、顔色を青くさせるに違いない。


 ガウはお腹が空いたのか、くんくん鼻をひくつかせていた。


「お待たせしました」


 匙で掬って上げると、ガウはおいしそうにぺろぺろ舐める。

 あっという間に平らげたのだった。

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