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9/26

えぇ……矢沢くんのキモチころん。あまえちゃってもいいのかな

★前回のお話★


順番が近づき、二人は店内へ。

そこはうさぎをモチーフにした装飾で統一されており、らんはその世界観に目を奪われる。


オーナーの慎司は落ち着いた態度で席へ案内し、

健太とも親しげに言葉を交わす。

らんは、健太がこの店に通う理由が慎司の存在にあると知り、

彼の“好きな場所”に触れたような気持ちになる。


席についた二人はメニューを開き、

うさぎモチーフの料理に心を弾ませながら、

穏やかな時間を取り戻していく……


このまま平穏が続きますように。

お話、スタートです(^^)/

 メニュー表、ぱらり。

(おほっ)

 うさぎの森プレートぉぉ。

 うましょぉぉ……じゅるん。

 うさぎのごはん、ちょこんブロッコリー、

 どどんハンバーグ、にんじんきらり。

 かわいさ三連コンボ、胃袋ノックアウト。

 じゅるるんるん。

 でも……

 千八百円……半分こしても九百円……

(おサイフ……しゅん)


 つぎ!


 はい来た! 

 うさぎのはねるパスタ! 

 はくしゅ! 

 ぱちぱちぱち。

 うさぎ耳にんじん、ぴゅるんっ。

 クリームソース沼へダイブ、ぽちょぽちょん。

 ふわもこ世界、はい優勝。

 じゅるるんるん……食べたい……

(千三百円……)

 半分で六百五十円……おサイフには勝てる……!

 でも……

 ぐぎゅるるる。

 パスタ半分は、胃袋が泣く。

「はあ……」

 お金、もっと持ってくるべきだったな……

「あのー……藤井さん」

「はい?」

 顔、ぱっ。

「……値段、気にしないで食べてほしい……かな」

 矢沢くん、にがにがへらり。

「あ、ご、ごめんね。でも……そういうわけにも……」

 だって、今日の持ち金、ほぼスカスカなんだもん。

「……気にするといけないと思って、言わなかったんだけど」

 矢沢くん、姿勢ぴっ。

 私をじっ。

 マジ顔スイッチオン……ドキンッ。

「ここは、僕にごちそうさせてください」

 ぺこー。


(えええええええええ!)

「な、なな……!」

 なんでー?

「い、いやいや、そんなのダメだよ! 理由なんてないし……!」


「……嬉しかったんだ」

(へ?)

「僕を、美人って言ってくれたこととか」


(……あ)


『絵の中の美人さんみたい』


 あれのこと、かな。


「だ、だって……ほんとにそう思ったから……」

 ほっぺ、あつあつ。

 あせあせ。

「それに……僕を、そのまま受け入れてくれたことも」

 ビン底メガネ、スウェット、はだしスリッポンのこと?


『ふだんの矢沢くんが見られて、私。なんかうれしくなっちゃった』


 それだって、ほんとに思ったんだもん。

「矢沢くんだって、私の『ふつう』いっぱいほめてくれたよ?」

『表現が、すごく鮮やかだよね』

『綺麗だと思う』

『その感性、すごく素敵だと思うんだ』

『そのままの感性を大事にしてほしいな』って。

 だから……ね。

 お互いさまだよ。

「あ……う……そ、それは……ほんとに……」

(うっく……)

 矢沢くんと目、ぱちっ。

 かぁぁぁぁ……視線、落下。

 どしん。

 か、顔……あつ。


「と、とにかく……さ」

 声、どん! 

 私、びくっ。

 ちらっ。

(わっ)

 矢沢くん、汗すご……

「色々……感謝してるんだ……」


(……ううう)

 そんな真剣に言われたら……

 ココロの中、ぐるんぐるんだよ……


 でも、私なら……うん。

「ありがとう……! お、おことばにあまえちゃい……ます」ぺこん。

 まっすぐ受け取ることが、いちばんの返事だって思うかな。

「……うん」

 矢沢くん、わらったぁ。

 安心してくれたんだぁ。

(えへへ)

 うれしいな。


「……あ」

(……ん?)

 矢沢くん?

 急に目、オロオロ。

 どしたの?


(はっ!)

 気配、ぞわっ。

 うしろ、くるっ。


(ぎゃあああああっ!)

 ミ、ミカエルさまぁぁぁ! 

 トレー持って『にこ固定』!

「お水とおしぼり、お持ちしました」

 にこっ。

 キラーン。

(ぎゃふぅぅぅ)

 いまのぜったい聞こえてたよね? 

 なのにふれてこないの、逆にはずかしぃぃぃ! 

『聞いてませんよー』の完ぺきスマイル、ぼふん!

 んでもって、おしぼりと水、テーブルにコトン。

 プロすぎて泣く……!

「ご注文はお決まりですか?」

「あ、あの、まだで……すみません」

 矢沢くん、メニュー表がばっ。

 頭、右へ左へ、ちょろちょろちょろ……! 

 矢沢くんんん。

 それ、よけーに空気がぎこちなくなるからぁぁ。

「お決まりになられましたら、ベルでお呼びください」

 きらりん、ぺこん。

 しっとりなめらか、すっすっす。

(はわぁ……)

 なんど見ても、姿勢よ……ほふぅ。

 でも……

 精神力がごっそり持ってかれた。

 ガクン。













































































読んでくれて、ありがとうございました✿

後編は、一時間後です(*^▽^*)

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