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10/25

るんるん空気ぶち壊し? パッキン悪魔とバッチバチのギッロギロ! 

★前回のお話★


らんはメニューを見ながら、かわいらしい料理に心惹かれつつも、

手持ちの金額を考えて迷ってしまう。

その様子に気づいた健太は「値段を気にしないでほしい」と申し出て、

食事をごちそうしたいと伝える。


驚きながらも、らんは健太の真剣な気持ちを受け取り、素直に感謝を伝える。

そこへ慎司が水とおしぼりを持って現れ、

二人の会話を聞いていた気配を残しつつ、丁寧に接客する。


気恥ずかしさと疲労感を覚えながら、かわいい料理の数々に心躍らせ、

いよいよ後編スタートです( *´艸`)

「な、なにか、気になるのあった?」

 矢沢くん、メニュー表すっ……

「ありすぎて、脳内フェス開催中だよぉ」

 受け取りぽそん。


 ふわふわパンにうさ耳の『らびっとーすと』でしょ。

 かわいさ二倍、あまさひゃくぱー。

『にんじん畑カレー』でしょ。

 うさゲッティ、ぴざぴょん、もふもふオムライス。

 かわいい名前の大渋滞。

 味も、気になりすぎる!

「矢沢くんは、どんなのよく食べるの?」

「あー……実は、料理は食べたことないんだ。いつも飲み物だけ……」

 頭、ぽりり。

(えええ!)

「リピ勢なのに?」

「平日しか来ないし……」

(……そっか)

 学校だもんね。

「じゃあ、今日がごはんデビューだ」

「……うん」


(わはぁぁぁ!)

 初体験いっしょとか、青春イベント発生!

 これぞ、お友だちって感じじゃん。


「じゃあさ、メニュー攻略ルート作ろ!」

 今日はオム、次はピザ、その次はうさゲッティ。

「ふたりでコンプリートだぁ」

「……うん。そういうの、すごく楽しそう」

 矢沢くん、顔ぱぁぁ。

(わぁい)

 ノリいい友だち、サイコー!

「注文、まかせるー」

 ツインテ、ぴゃこぉん!

「うん」

 ハンドベル、そろっ。

 リリリン。

(ひゃふぅ……)

 音が天使。

「めずらしいよね」

 私、ぽそ。

「うん?」

「今はタッチで注文、どこも当たり前の時代なのに……ベルで呼ぶって、なんか特別」

「そうだね」

 ベルちらり。

 ガラスの体、ひかりのしずく。

 うさぎさんの顔、ひょこりぴょこん。

(ふふっ)

 やさしさの守り神みたい。

 リボンゆらゆら、鈴がちりん。

 しあわせの音がする。

 オーナーのこだわり、いっぱい伝わってくるよ。

 ベルうさぎ、つんっ。


 リン……


「あはっ、返事したぁ」

 にこにこ。

(……ん?)

 なんか視線……顔、ぱっ。

 矢沢くんと目、ぱち。

 どきっ。

 矢沢くん、ふい。

(……あ)

 そらされちゃった。

 どきどきどき。

 なんか、私たち……青春してるっぽい……

「おい」

 低音ずどん。

(ああん?)

 声の方へ、ちろん。

「呼びつけたんなら、さっさと注文しろよ」

 ギロッ。

 直ぉぉぉぉぉ!

 やっぱこいつかい!

(くそがぁぁぁ!)

 せっかくの青春ライフに、水差してくんなぁ!

「あんたなんて呼んでないし! 注文なんて、ずぇぇぇ……ったいしないし!」

 頭、ぶんっ。

「あ? 邪魔すんなら帰れ」

 どごぉん。

 ムッキーッ!

「あんたのほうがジャマだし! お兄さん困らせて、なにしたいのさ」

 つーん。

「あ? カスハラ客かよ。さっさと出てけ」

 カッチーン。

 おお、おお。

 好き勝手言ってくれるじゃん……

 今度はこっちが言わせてもらうよ!

「てかさ、あんた俳優でしょ? 主演なんでしょ? 注文取るヒマあるなんて、油売りほーだいでよゆーだねー」

 流し目、ちろぉん。

「……あんだと?」

 テーブル、バーン!

 へーんだ。

 そんなんで、私がビビるわけないっての。

「あ、わかった……監督や共演者とうまくいかなくて、お兄さんに逃げてきてんだ。で? 客に絡んで、気晴らしですかー?」

 べろべろべーだ。

「てめ……やんのか?」

 直、ギリギリギリ。

「ふ、藤井さん……!」

 矢沢くん、オロオロ。

 周り、ざわざわ。

「あー、やだやだ。お兄さんの大事なお店まで、あんたの舞台にしちゃってさ。これだから天狗俳優って苦手なんだよねー」

 ツインテ、ふりふりっと。

「おまえ……今すぐ泣かす!」

「やれるもんなら、やってみなぁ!」

 ガチバトル、ファイッ!

 カンカンカーン。

「言いやがったな……」

「言ったよ? それがなに?」

 んべ。

「こっのアマぁぁぁ!」

 グー、ぶんっ。

(おおっとぉ!)


「直っ、やめ――!」

 私の前に、ダダッ。

 両手、バッ!

(矢沢くん……!)

 なぐられちゃ……う!

 目ぎゅっ。

 ドクドクドクドク。


 しーん……


(……あ、あれ?)


 そろぉ……


「……あ」

 グー、寸止め……ぱちくり。

 直、ぴたぁ。

 矢沢くん、へなへなへなぁ……すとん。

(……ほっ)

 ケガ、しなくてよかった……

 私も、すとん。

「健太くん! お客様!」

 ミカエルさま、ダダダッ! 

 ひざつき、すとん。

「怪我は……! 大丈夫かい……?」

 オロオロ。

 顔、アオ……

「あ……はは……なんとか……はい」

 へなへな……ぽそ。

「ふぅ……良かった」

 ミカエルさま、ほっ。

「お客様は?」

 私へ、顔くり。

「あ、はい。あの、だいじょーぶです」

 ツインテ、ぴゅん。

 矢沢くんが、かばってくれたおかげだよ。

「良かったです」

 にこ。

 しっとり、すくっ。

 フリーズ客へ、すっ……くるり。

「お客様……スタッフの不手際で場を乱してしまい、心よりお詫び申し上げます」

 ぺこん、深々。

 お客さんたち、まゆひそ、ざわざわ。

 お店の空気、持ち直せるかな……

 ハラハラ。

 ミカエルさま、姿勢すっ。

 胸に手、とん。

「どうか……引き続き、ゆったりとお食事をお楽しみくださいませ」

 ぺこり、もうひとつ。

(ほわぁ……)

 天使のしぐさ、天使のほほえみふわりんこ。

 空気ほろん。

 みんなの顔ほろろん。

 私と矢沢くんも、ほろろんふわん。

 あっちゅー間に、どよんをほわんに変えちゃった。


「……ちっ」

 パッキン悪魔、ムスー。

 あんたが頭下げるべきでしょ!

 ミカエルさまに頭下げさせんなっ。

 キッ。

「直。向こうで話そう」

 ミカエルさま、ピシャ。

(へーんだ)

 少しは反省してこいってんでぃ。

 いーだ!

「お客様」

 びくくっ!

 顔、パッ。

 ミカエルさま?

(あ、わ、私ですか……!)

「ははははいっ!」

 ツインテ、びびびびん。

 ドギマギぎゅん。

「度重なるご無礼を……本当に申し訳ありません」

 まゆへにょん。

 ぺこーん。

(あわわわわっ)

「い、いえ、あの、は、はいっ」

『はい』って、おい!

「直。お客様にお詫びを」

 ミカエルさま、キリッ、ぽつ。

 パッキン悪魔、じろ。

 私、ギリリ。

「……はっ。じょーだん」

(はあああああああ?)

『じょーだん』じゃねぇぇぇ! 

 目、くわっ。

「直っ」

「俺は普通に仕事しただけ。この女が邪魔しやがったんだ」

(んなっ!)

 なんなのこいつー!

「こっちへ来なさい」

 ミカエルさま、腕、がしっ。

 ボロクソにやられてこいっての!

 ふんっ!

「ちっ! 離せよ」

 直、腕ぶんっ。

「あーあ、やってらんね」

 エプロン、バシーン。

(あー!)

 こいつ、ミカエルさまに逆らいやがったー!

「じゃあな」

 おいおい。

 仕事ほっぽって、どこ行くんじゃい。

「直!」

 お客さんたち、しーん……

(かーっ)

 あの悪魔。

 ミカエルさまが整えた空気、秒でぐちゃらせちまったよ。

 ミカエルさま……直の背中、じぃ……

(はわわ)

 だいじょーぶ……です?

「あの……」

 オロロ。

「……度重なるご無礼を……本当に……」

 ミカエルさま、しょん。

 あのキラリンスマイル、もどってきてぇ……

 肩でふぅして、エプロンひょい。

(うきゅぅ……心配)

「皆様」

 姿勢、すっ。

(およよ?)

「度々の騒ぎ……心よりお詫びいたします」

 ゆっくり、ぺこぉ。

(あうぅ……)

 弟のぼーそーに巻き込まれてばっかで……かわいそすぎるよ。

 しょぼ。


 私に、くるりにこ。


 ドキン。

 お客さんの方へ、またまたくるん。

「どうぞご安心のうえ、お食事をお楽しみください」

 ぺこ、ふわん。

 どきどき。


 ガヤ……


(お?)


 ガヤガヤガヤ。

(わわ)

 ガヤガヤもどったぁ……!


 すぐに空気を元に戻すとか。

 ミカエルさま、場内バフ強すぎだよ。

 ほっ。

「良かった……」

 矢沢くんも、ほっ……だね。

(でも……)

 ミカエルさま、すっごくおつかれ顔。

 肩すとん……

 なにか元気になれること、言ってあげたいな。

 なにか……なにか……

「健太くん、お客様」

「は、はいっ」

 矢沢くん、ぴし。

「何度も本当に……すみません」

(ううう……)

「気にしないでください……って言っても……むずかしいですよね……」

 矢沢くんまで、しょぼぼ。

 にんじん席、明るさしゅん……モノクロどよん。

(よしっ!)

「あの……!」

 ことばすっからんだけど、声かけ発射ゴー!

「はい……」

 ミカエルさま、ふわ。

(えっと、えっと)

「う、うさぎごはん、いっぱいくださいっ!」


 店内いっぱい、ぱぁぁん。


「……え? う、うさぎごはん……?」

 矢沢くん、ぱちくり。

「……は、はあ……」

 ミカエルさま、汗つ。

 ぽかん。


 くすくす……

 ひそひそ……


(……うっ)


 これは……マズったかな……

 てか、ほんと。

『うさぎごはん』ってなんだよぉぉ!

 ガクン。


「ふっ……く、くくっ」

(へ?)

 ミカエルさま?


「藤井さん……ははは……」


(ぐはぁ)

 矢沢くんまで……!


 くすくす、ぷくく。

 みんな、わらわらわらぁぁぁ!

 ハズっ!

 顔バン。


「……かしこまりました」

 背筋シュッ、ぺこん。

(ミカエルさまぁ……)

 涙だばぁ。

 うるるるる。

「本日のおすすめ一式、責任をもってお届けします」

 にこっ、キラリ。

(……え)

 オ、オススメ……一式……?

「どうぞ、そのままお待ちください」

 しゃなり、ぺこりん。

「え、いや、あの、まっ……」

 しなしなドロン。

 消えた……


(どどどどうしよ……)

 ――はっ!


『僕にごちそうさせてください』


(ひぃぃっ)

 矢沢くんのおサイフ、シぬぅっ。


「矢沢くんっ、あの、一式って。ど、えと、ごめっ……!」

 ツインテ、おろろ。

 ガクブル、オドド。

「ま、まあ……なんとかなるよ」

 たはは。

 まゆ、へにょ。

(いやいやいや)

 オススメ一式だよ?

 フルコースばりに来そうな雰囲気のそれだよ?

 ぜったいいっぱい来るやつ! 

 紙、ひらひらとんでくやつぅぅ!

「わ、私も払うから……!」

 いま手持ちないけど、明日、お金、ぜったい……あせあせ。

「大丈夫だって。ね」

 矢沢くん、にがにこ汗たらん。

「でもぉ……」

 ツインテ、ひゅるん。

「いや、ほんとに」

「……うん」

 空気、しーーーん。

「せっかくだしさ。友情記念のお祝いしようよ」

 アクア、きらりん。

(へ……?)

「ね?」

 にこっと、きらりエンジェルスマイル。

(矢沢くぅん……)

 神提案、キラキラキラ。

 やさしすぎて泣くぅぅ。

 うぉんぉん。

「ごはん、たのしみだよぉ」

 うぉんぉん。

 ぐぎゅるるるるぅ。

「僕も」

 ぐぅ。

(わはっ)

 矢沢くんのおなか、かわいくぷんすこしてる。

(ふぅ……)

 今日だけで感情ジェットコースターすぎて、どっと疲れちゃった。

 直のことは、いろいろ思うところだけど……

 いまはふたりで『おなかデュエット』してたい。


「ねえ、かんぱいしよっ」

 ツインテ、ぴょこ。

「いいね」

 メガネ、きらん。

 水グラス、いっしょにスチャ。

 ではでは……たのしいひとときに――

「かんぱぁい!」

 カチン。

読んでくれて、ありがとうございました(/ω\)

次回更新は、明日朝7時台です。


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