るんるん空気ぶち壊し? パッキン悪魔とバッチバチのギッロギロ!
★前回のお話★
らんはメニューを見ながら、かわいらしい料理に心惹かれつつも、
手持ちの金額を考えて迷ってしまう。
その様子に気づいた健太は「値段を気にしないでほしい」と申し出て、
食事をごちそうしたいと伝える。
驚きながらも、らんは健太の真剣な気持ちを受け取り、素直に感謝を伝える。
そこへ慎司が水とおしぼりを持って現れ、
二人の会話を聞いていた気配を残しつつ、丁寧に接客する。
気恥ずかしさと疲労感を覚えながら、かわいい料理の数々に心躍らせ、
いよいよ後編スタートです( *´艸`)
「な、なにか、気になるのあった?」
矢沢くん、メニュー表すっ……
「ありすぎて、脳内フェス開催中だよぉ」
受け取りぽそん。
ふわふわパンにうさ耳の『らびっとーすと』でしょ。
かわいさ二倍、あまさひゃくぱー。
『にんじん畑カレー』でしょ。
うさゲッティ、ぴざぴょん、もふもふオムライス。
かわいい名前の大渋滞。
味も、気になりすぎる!
「矢沢くんは、どんなのよく食べるの?」
「あー……実は、料理は食べたことないんだ。いつも飲み物だけ……」
頭、ぽりり。
(えええ!)
「リピ勢なのに?」
「平日しか来ないし……」
(……そっか)
学校だもんね。
「じゃあ、今日がごはんデビューだ」
「……うん」
(わはぁぁぁ!)
初体験いっしょとか、青春イベント発生!
これぞ、お友だちって感じじゃん。
「じゃあさ、メニュー攻略ルート作ろ!」
今日はオム、次はピザ、その次はうさゲッティ。
「ふたりでコンプリートだぁ」
「……うん。そういうの、すごく楽しそう」
矢沢くん、顔ぱぁぁ。
(わぁい)
ノリいい友だち、サイコー!
「注文、まかせるー」
ツインテ、ぴゃこぉん!
「うん」
ハンドベル、そろっ。
リリリン。
(ひゃふぅ……)
音が天使。
「めずらしいよね」
私、ぽそ。
「うん?」
「今はタッチで注文、どこも当たり前の時代なのに……ベルで呼ぶって、なんか特別」
「そうだね」
ベルちらり。
ガラスの体、ひかりのしずく。
うさぎさんの顔、ひょこりぴょこん。
(ふふっ)
やさしさの守り神みたい。
リボンゆらゆら、鈴がちりん。
しあわせの音がする。
オーナーのこだわり、いっぱい伝わってくるよ。
ベルうさぎ、つんっ。
リン……
「あはっ、返事したぁ」
にこにこ。
(……ん?)
なんか視線……顔、ぱっ。
矢沢くんと目、ぱち。
どきっ。
矢沢くん、ふい。
(……あ)
そらされちゃった。
どきどきどき。
なんか、私たち……青春してるっぽい……
「おい」
低音ずどん。
(ああん?)
声の方へ、ちろん。
「呼びつけたんなら、さっさと注文しろよ」
ギロッ。
直ぉぉぉぉぉ!
やっぱこいつかい!
(くそがぁぁぁ!)
せっかくの青春ライフに、水差してくんなぁ!
「あんたなんて呼んでないし! 注文なんて、ずぇぇぇ……ったいしないし!」
頭、ぶんっ。
「あ? 邪魔すんなら帰れ」
どごぉん。
ムッキーッ!
「あんたのほうがジャマだし! お兄さん困らせて、なにしたいのさ」
つーん。
「あ? カスハラ客かよ。さっさと出てけ」
カッチーン。
おお、おお。
好き勝手言ってくれるじゃん……
今度はこっちが言わせてもらうよ!
「てかさ、あんた俳優でしょ? 主演なんでしょ? 注文取るヒマあるなんて、油売りほーだいでよゆーだねー」
流し目、ちろぉん。
「……あんだと?」
テーブル、バーン!
へーんだ。
そんなんで、私がビビるわけないっての。
「あ、わかった……監督や共演者とうまくいかなくて、お兄さんに逃げてきてんだ。で? 客に絡んで、気晴らしですかー?」
べろべろべーだ。
「てめ……やんのか?」
直、ギリギリギリ。
「ふ、藤井さん……!」
矢沢くん、オロオロ。
周り、ざわざわ。
「あー、やだやだ。お兄さんの大事なお店まで、あんたの舞台にしちゃってさ。これだから天狗俳優って苦手なんだよねー」
ツインテ、ふりふりっと。
「おまえ……今すぐ泣かす!」
「やれるもんなら、やってみなぁ!」
ガチバトル、ファイッ!
カンカンカーン。
「言いやがったな……」
「言ったよ? それがなに?」
んべ。
「こっのアマぁぁぁ!」
グー、ぶんっ。
(おおっとぉ!)
「直っ、やめ――!」
私の前に、ダダッ。
両手、バッ!
(矢沢くん……!)
なぐられちゃ……う!
目ぎゅっ。
ドクドクドクドク。
しーん……
(……あ、あれ?)
そろぉ……
「……あ」
グー、寸止め……ぱちくり。
直、ぴたぁ。
矢沢くん、へなへなへなぁ……すとん。
(……ほっ)
ケガ、しなくてよかった……
私も、すとん。
「健太くん! お客様!」
ミカエルさま、ダダダッ!
ひざつき、すとん。
「怪我は……! 大丈夫かい……?」
オロオロ。
顔、アオ……
「あ……はは……なんとか……はい」
へなへな……ぽそ。
「ふぅ……良かった」
ミカエルさま、ほっ。
「お客様は?」
私へ、顔くり。
「あ、はい。あの、だいじょーぶです」
ツインテ、ぴゅん。
矢沢くんが、かばってくれたおかげだよ。
「良かったです」
にこ。
しっとり、すくっ。
フリーズ客へ、すっ……くるり。
「お客様……スタッフの不手際で場を乱してしまい、心よりお詫び申し上げます」
ぺこん、深々。
お客さんたち、まゆひそ、ざわざわ。
お店の空気、持ち直せるかな……
ハラハラ。
ミカエルさま、姿勢すっ。
胸に手、とん。
「どうか……引き続き、ゆったりとお食事をお楽しみくださいませ」
ぺこり、もうひとつ。
(ほわぁ……)
天使のしぐさ、天使のほほえみふわりんこ。
空気ほろん。
みんなの顔ほろろん。
私と矢沢くんも、ほろろんふわん。
あっちゅー間に、どよんをほわんに変えちゃった。
「……ちっ」
パッキン悪魔、ムスー。
あんたが頭下げるべきでしょ!
ミカエルさまに頭下げさせんなっ。
キッ。
「直。向こうで話そう」
ミカエルさま、ピシャ。
(へーんだ)
少しは反省してこいってんでぃ。
いーだ!
「お客様」
びくくっ!
顔、パッ。
ミカエルさま?
(あ、わ、私ですか……!)
「ははははいっ!」
ツインテ、びびびびん。
ドギマギぎゅん。
「度重なるご無礼を……本当に申し訳ありません」
まゆへにょん。
ぺこーん。
(あわわわわっ)
「い、いえ、あの、は、はいっ」
『はい』って、おい!
「直。お客様にお詫びを」
ミカエルさま、キリッ、ぽつ。
パッキン悪魔、じろ。
私、ギリリ。
「……はっ。じょーだん」
(はあああああああ?)
『じょーだん』じゃねぇぇぇ!
目、くわっ。
「直っ」
「俺は普通に仕事しただけ。この女が邪魔しやがったんだ」
(んなっ!)
なんなのこいつー!
「こっちへ来なさい」
ミカエルさま、腕、がしっ。
ボロクソにやられてこいっての!
ふんっ!
「ちっ! 離せよ」
直、腕ぶんっ。
「あーあ、やってらんね」
エプロン、バシーン。
(あー!)
こいつ、ミカエルさまに逆らいやがったー!
「じゃあな」
おいおい。
仕事ほっぽって、どこ行くんじゃい。
「直!」
お客さんたち、しーん……
(かーっ)
あの悪魔。
ミカエルさまが整えた空気、秒でぐちゃらせちまったよ。
ミカエルさま……直の背中、じぃ……
(はわわ)
だいじょーぶ……です?
「あの……」
オロロ。
「……度重なるご無礼を……本当に……」
ミカエルさま、しょん。
あのキラリンスマイル、もどってきてぇ……
肩でふぅして、エプロンひょい。
(うきゅぅ……心配)
「皆様」
姿勢、すっ。
(およよ?)
「度々の騒ぎ……心よりお詫びいたします」
ゆっくり、ぺこぉ。
(あうぅ……)
弟のぼーそーに巻き込まれてばっかで……かわいそすぎるよ。
しょぼ。
私に、くるりにこ。
ドキン。
お客さんの方へ、またまたくるん。
「どうぞご安心のうえ、お食事をお楽しみください」
ぺこ、ふわん。
どきどき。
ガヤ……
(お?)
ガヤガヤガヤ。
(わわ)
ガヤガヤもどったぁ……!
すぐに空気を元に戻すとか。
ミカエルさま、場内バフ強すぎだよ。
ほっ。
「良かった……」
矢沢くんも、ほっ……だね。
(でも……)
ミカエルさま、すっごくおつかれ顔。
肩すとん……
なにか元気になれること、言ってあげたいな。
なにか……なにか……
「健太くん、お客様」
「は、はいっ」
矢沢くん、ぴし。
「何度も本当に……すみません」
(ううう……)
「気にしないでください……って言っても……むずかしいですよね……」
矢沢くんまで、しょぼぼ。
にんじん席、明るさしゅん……モノクロどよん。
(よしっ!)
「あの……!」
ことばすっからんだけど、声かけ発射ゴー!
「はい……」
ミカエルさま、ふわ。
(えっと、えっと)
「う、うさぎごはん、いっぱいくださいっ!」
店内いっぱい、ぱぁぁん。
「……え? う、うさぎごはん……?」
矢沢くん、ぱちくり。
「……は、はあ……」
ミカエルさま、汗つ。
ぽかん。
くすくす……
ひそひそ……
(……うっ)
これは……マズったかな……
てか、ほんと。
『うさぎごはん』ってなんだよぉぉ!
ガクン。
「ふっ……く、くくっ」
(へ?)
ミカエルさま?
「藤井さん……ははは……」
(ぐはぁ)
矢沢くんまで……!
くすくす、ぷくく。
みんな、わらわらわらぁぁぁ!
ハズっ!
顔バン。
「……かしこまりました」
背筋シュッ、ぺこん。
(ミカエルさまぁ……)
涙だばぁ。
うるるるる。
「本日のおすすめ一式、責任をもってお届けします」
にこっ、キラリ。
(……え)
オ、オススメ……一式……?
「どうぞ、そのままお待ちください」
しゃなり、ぺこりん。
「え、いや、あの、まっ……」
しなしなドロン。
消えた……
(どどどどうしよ……)
――はっ!
『僕にごちそうさせてください』
(ひぃぃっ)
矢沢くんのおサイフ、シぬぅっ。
「矢沢くんっ、あの、一式って。ど、えと、ごめっ……!」
ツインテ、おろろ。
ガクブル、オドド。
「ま、まあ……なんとかなるよ」
たはは。
まゆ、へにょ。
(いやいやいや)
オススメ一式だよ?
フルコースばりに来そうな雰囲気のそれだよ?
ぜったいいっぱい来るやつ!
紙、ひらひらとんでくやつぅぅ!
「わ、私も払うから……!」
いま手持ちないけど、明日、お金、ぜったい……あせあせ。
「大丈夫だって。ね」
矢沢くん、にがにこ汗たらん。
「でもぉ……」
ツインテ、ひゅるん。
「いや、ほんとに」
「……うん」
空気、しーーーん。
「せっかくだしさ。友情記念のお祝いしようよ」
アクア、きらりん。
(へ……?)
「ね?」
にこっと、きらりエンジェルスマイル。
(矢沢くぅん……)
神提案、キラキラキラ。
やさしすぎて泣くぅぅ。
うぉんぉん。
「ごはん、たのしみだよぉ」
うぉんぉん。
ぐぎゅるるるるぅ。
「僕も」
ぐぅ。
(わはっ)
矢沢くんのおなか、かわいくぷんすこしてる。
(ふぅ……)
今日だけで感情ジェットコースターすぎて、どっと疲れちゃった。
直のことは、いろいろ思うところだけど……
いまはふたりで『おなかデュエット』してたい。
「ねえ、かんぱいしよっ」
ツインテ、ぴょこ。
「いいね」
メガネ、きらん。
水グラス、いっしょにスチャ。
ではでは……たのしいひとときに――
「かんぱぁい!」
カチン。
読んでくれて、ありがとうございました(/ω\)
次回更新は、明日朝7時台です。




