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8/26

きゃはぁん! うさぎ、うさぎ、うさぎパレード♪ にんじん席で、わくわくキューン。

★前回のお話★


直との口論で気持ちがざわつく中、らんは空腹も重なって、

健太と一緒に長い列をひたすら並び続けることに。

健太は「僕のせいで……ごめん」となるものの、

らんは笑顔で返し、彼を励ます。


やがて、美形店員のミカエルさまが登場。

何度も丁寧に謝罪してくれて、らんはその気品と優しさに圧倒されつつ、

安心とときめきがじわり……すっかり虜になってしまう。


キラキラ天使と、パッキン悪魔に挟まれながら、

らんは無事に入店できるのか——

後編スタートです( ^^) _旦

 ちょっと、気になることぽてん。

「ヤツって、ずっと店にいるの?」

 ぽい。

「井上くん?」

 矢沢くん、キョトアクア。

「そう」

 俳優って、めちゃいそがしいよね?

 たしか『やみこうか、やみひかり?』の主演やるんだよね?

 うさちゃん祭りに囲まれてるヒマ、ないんじゃないの?

「いや、平日は来ないよ」

「そっか」

 リピの矢沢くんが言うんだから、まちがいないね。

(けど、ちっ……!)

 毎日いるなら、あやまるまで追い回してやろうと思ったのに。

 ツメ、かじりっ。

「普段はテレビのほうが忙しいんじゃないかな……そっちが本業だし」

 矢沢くん、しゅん。

(あちゃー……)

 なんでよりによってパッキンの話題ふっちゃうのぉ。

 ほんと、空気読むの下手だなぁ、私……

(うぅ……)

「えーっと……あとなん組かなぁ。見てくるね」

 記名帳へ、ごまかしテテテ。

 しゅたっ。

 ちろん。

(おおっ)

 次じゃん!

 トトトトッ。

「矢沢くん矢沢くんっ! ついに入れるよぉ!」

 うさぎ、オーナー、うさぎ、オーナー。

 わっしょいわっしょい。

「楽しみだね」

 ふわにこ。

(うきゅぅぅぅっ)

 すず音スマイル、ズキュン。

 わらってくれたぁ。

 よかった……


「次でお待ちの、矢沢様。大変お待たせいたしました」

 あまボオーナー、ミカエルさまぁん。

 天界の風……ほふん。

「は、はい! 藤井さん、行こう」

 矢沢くんの声、すー……空気清浄機……はふぅ。

「はいぃ……」

 背中追っかけ、てろてろてろぉ。

 あの、『アゴくいギロッ低音ずどん』の悪魔がいないだけで、

 世界が平和……ひょぉぉ。

 ではでは――いざ、中へ!

 とん。


(はわわわわ……)

 きらきらきらぁ。


 なにこれなにこれぇぇぇ! 

 うさぎ……うさぎ……世界がうさぎ……! 

 矢沢くんの言ってた『うさぎパラダイス』ガチじゃぁん。

 めちゃめちゃキュートだよぅ。

 香りも……ほわぁ……

 あまあまスウィーツ。

「いらっしゃいませ。先ほどは大変失礼いたしました」

 ミカエルさま、たびたびぺこん。

 そんな、あなたは悪くないのにぃ……

(んもぉぉ)

 あやまるべきは、パッキン悪魔のほうだよ。

 なんで天使がしりぬぐいしてるのよぉ。

 ぷんすこ。

「お席のご用意ができましたので、こちらへどうぞ」

 手、ひらり。

 ほふん……美しすぎりゅ……

「はい……」

 ついていきます、どこまでも……トロロロ。

 矢沢くんも、ミカエルさまにくぎづけ。

 その横顔、いい……

 きょろきょろ、トコトコ。

 オーナーもうつくしすぎるけど……

 店内……センスの宝石箱だよぅ!


 イス、形も色もぜんぶちがう……

 まるタイプ、すわったら天国なやつ。

 色もぜんぶうさぎカラー。

 かわよの極み。

 オレンジはにんじんで、みどりは、はっぱかな。

 シロは、うさぎさんの毛なみだね。

 ピンクはたぶん、耳の内側。

 クッションまでうさぎー。

 うさぎの世界観、完ぺきすぎるよぉ。

 テーブルに、うさぎ型の花びん。

 うすピンクのガーベラ、シュッ。

 かわいいのぼーりょくっ。

 壁の足あとアートも、棚のマグも、クッキー型も絵本も、

 どこ見ても、うさぎ、うさぎ、うさぎ!

 光のつぶつぶキラッキラ。

「つぶつぶぴょんぴょんだぁ……」

 ぽろん。

「ふふ……素敵な表現ですね」

 ミカエルさま、私へきらりんにこ。

(え、あ、わっ)

「わ、私……また言っちゃってた……?」

 矢沢くんに、ぼしょぼしょ。

「うん。つぶつぶぴょん、って」

 こそっ。

(ぎゃふぅぅん!)

「ハ、ハズッ……!」

 両手顔にバンッ。

 でも……

 ここにも、私の言葉をちゃんと拾ってくれる人がいたんだ……


(ふにゅぅ……)


 くすぐったいよぉ。

 でも。

 うれしすぎるよぉ。

「こちらのお席へどうぞ」

 ミカエルさまの手、品よくひらり。

 スマートすぎて思わず、どきっ。

 席、ちろり。

(かわいい……)

 木のテーブル、まん中ぽこん。

 畑みたいでかわいすぎ。

 通路側オレンジふたりがけ、まど側みどりソファ。

(わはぁ)

 ここ、にんじん席だぁ。

 キュートすぎて、ツインテ、ぴょんぴょんはねちゃうぅ。


「慎司(しんじ)さん。い、いつもすみません……」

(はにゃ?)

 矢沢くん、急にテレぺこ。

「なんの。今日は待たせてしまったね」

(しんじさん……)

 ミカエルさま、しんじさんって言うんだ。

 矢沢くん。

 ミカエルさまを、名前で呼んでるんだね……

 そういえばさっきミカエルさまも……


『健太くん』


 矢沢くんのこと、名前で呼んでたっけ。

 声、やさしかったなぁ。

 ここに通ってる時間が、ちゃんとあるんだね。


「今日は、お友達を連れて来てくれたんだね。ありがとう」

「い、いえ。うさぎが好きみたいで……はい」

 私の話、してくれてる。

 うれしいな。

 ひとり、ぽつん。

 だけど、ここちよだよ。

「お連れ様」

(へ?)

 ミカエルスマイル、ばっきゅーーん。

 あ、わ、あうぅ。

「どうぞごゆっくりおくつろぎください」

 しっとりぺこりんに、背筋シャキーンしちゃう。

 美しすぎて、脳ぼっかぁぁん。

「あ、は、はいーっ」

 ツインテ巻き込み、ぺこぺこ。

「ただ今、お水とおしぼりをお持ちしますね」

 髪ふわっ、光きらっ。

 エンジェルエフェクト、ぶしょわぁぁぁ。

「はい……」

 とろりん。

 ミカエルさま、しっとりぺこり。

 奥へすすす……

 ああん、行っちゃったぁん……しょん。

(はふぅ)

「藤井さん、どっち座る?」

(はっ……!)

 すっ晴れボイスに脳再起動、カション。

 にんじんソファを、指でちょちょん。

「あ、じゃあ……オレンジ」

 手、ひらり。

 合図に合わせて、ちょこん。

 矢沢くんはみどりへ、すとん。

 パソコンを横に、そそっ。

「ねえねえ。さっき、ミカエ……オーナーさんにあやまってたの……どうして?」

 首、くいん。

「あー、いつもこの席に通してくれるから」

 テレテレぽりぽり。

「なるほど……」

 ここ、常連の王座……!

「え、じゃ、じゃあ、いつもの場所に座って……!」

 あせあせ、すくっ。

「いいよいいよ。藤井さん優先したいからさ」

 ふわにこ。

(きゅぅぅっ)

 矢沢くん、なんて紳士! 

 それに引きかえ……ちらっ。

 だらだらホール徘徊パッキンめ……


『ぎゃっは! 『ござます』って新語かよ』


(ぐぬぬぬぬ)

 思い出すたび、肩ワナワナ……


 あれ、ぜったいデフォルト設定だ。

 テレビでもずっとあんなだし。

 どんな演技すんのか、主演作チェックしてやる。

 んでもって、ダイコンだったらバクショーしてやらぁ。


「藤井さん、どれにする?」

 メニュー表、ついっ。

「あ、そうだね!」

 パッキン悪魔はあとでボコ……んんっ。

 成敗するとして。

 いまはごはんごはんー。


 ぱらり。


(おわぁ)

 ラインナップ、圧巻。

 しかも……ぜんぶ、うさぎ!

「めちゃめちゃかわいぃぃ」

「でしょ?」

 首ぶんぶん連打。

 くらぁっ……世界ぐるん。

「ふりすぎた……」

 ピヨピヨピヨ。

「大丈夫?」

「えへへ……うん」

「……ふっ」

 矢沢くん、肩カクカクぷるる。

「もー、わらいすぎぃ」

 ほっぺ、ぷくぅ。

「ごめん、ごめん」

 涙ふきふき。


(ほっ……)

 ちゃんとわらえるくらい、もどってきてくれたのうれしい。


「さ、なに食べよっか」

 ツインテ、きゅ。

「そうだなぁ……」

 メガネ、きら。


 ぱらりぱらりの音色とろん。

 ひだまりの光、ぽわんふわり。


 心にことり……やさしい午後。

















読んでくれて、ありがとうございました!

次回更新は、夜7時です(`・ω・´)ゞ


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