きゃはぁん! うさぎ、うさぎ、うさぎパレード♪ にんじん席で、わくわくキューン。
★前回のお話★
直との口論で気持ちがざわつく中、らんは空腹も重なって、
健太と一緒に長い列をひたすら並び続けることに。
健太は「僕のせいで……ごめん」となるものの、
らんは笑顔で返し、彼を励ます。
やがて、美形店員のミカエルさまが登場。
何度も丁寧に謝罪してくれて、らんはその気品と優しさに圧倒されつつ、
安心とときめきがじわり……すっかり虜になってしまう。
キラキラ天使と、パッキン悪魔に挟まれながら、
らんは無事に入店できるのか——
後編スタートです( ^^) _旦
ちょっと、気になることぽてん。
「ヤツって、ずっと店にいるの?」
ぽい。
「井上くん?」
矢沢くん、キョトアクア。
「そう」
俳優って、めちゃいそがしいよね?
たしか『やみこうか、やみひかり?』の主演やるんだよね?
うさちゃん祭りに囲まれてるヒマ、ないんじゃないの?
「いや、平日は来ないよ」
「そっか」
リピの矢沢くんが言うんだから、まちがいないね。
(けど、ちっ……!)
毎日いるなら、あやまるまで追い回してやろうと思ったのに。
ツメ、かじりっ。
「普段はテレビのほうが忙しいんじゃないかな……そっちが本業だし」
矢沢くん、しゅん。
(あちゃー……)
なんでよりによってパッキンの話題ふっちゃうのぉ。
ほんと、空気読むの下手だなぁ、私……
(うぅ……)
「えーっと……あとなん組かなぁ。見てくるね」
記名帳へ、ごまかしテテテ。
しゅたっ。
ちろん。
(おおっ)
次じゃん!
トトトトッ。
「矢沢くん矢沢くんっ! ついに入れるよぉ!」
うさぎ、オーナー、うさぎ、オーナー。
わっしょいわっしょい。
「楽しみだね」
ふわにこ。
(うきゅぅぅぅっ)
すず音スマイル、ズキュン。
わらってくれたぁ。
よかった……
「次でお待ちの、矢沢様。大変お待たせいたしました」
あまボオーナー、ミカエルさまぁん。
天界の風……ほふん。
「は、はい! 藤井さん、行こう」
矢沢くんの声、すー……空気清浄機……はふぅ。
「はいぃ……」
背中追っかけ、てろてろてろぉ。
あの、『アゴくいギロッ低音ずどん』の悪魔がいないだけで、
世界が平和……ひょぉぉ。
ではでは――いざ、中へ!
とん。
(はわわわわ……)
きらきらきらぁ。
なにこれなにこれぇぇぇ!
うさぎ……うさぎ……世界がうさぎ……!
矢沢くんの言ってた『うさぎパラダイス』ガチじゃぁん。
めちゃめちゃキュートだよぅ。
香りも……ほわぁ……
あまあまスウィーツ。
「いらっしゃいませ。先ほどは大変失礼いたしました」
ミカエルさま、たびたびぺこん。
そんな、あなたは悪くないのにぃ……
(んもぉぉ)
あやまるべきは、パッキン悪魔のほうだよ。
なんで天使がしりぬぐいしてるのよぉ。
ぷんすこ。
「お席のご用意ができましたので、こちらへどうぞ」
手、ひらり。
ほふん……美しすぎりゅ……
「はい……」
ついていきます、どこまでも……トロロロ。
矢沢くんも、ミカエルさまにくぎづけ。
その横顔、いい……
きょろきょろ、トコトコ。
オーナーもうつくしすぎるけど……
店内……センスの宝石箱だよぅ!
イス、形も色もぜんぶちがう……
まるタイプ、すわったら天国なやつ。
色もぜんぶうさぎカラー。
かわよの極み。
オレンジはにんじんで、みどりは、はっぱかな。
シロは、うさぎさんの毛なみだね。
ピンクはたぶん、耳の内側。
クッションまでうさぎー。
うさぎの世界観、完ぺきすぎるよぉ。
テーブルに、うさぎ型の花びん。
うすピンクのガーベラ、シュッ。
かわいいのぼーりょくっ。
壁の足あとアートも、棚のマグも、クッキー型も絵本も、
どこ見ても、うさぎ、うさぎ、うさぎ!
光のつぶつぶキラッキラ。
「つぶつぶぴょんぴょんだぁ……」
ぽろん。
「ふふ……素敵な表現ですね」
ミカエルさま、私へきらりんにこ。
(え、あ、わっ)
「わ、私……また言っちゃってた……?」
矢沢くんに、ぼしょぼしょ。
「うん。つぶつぶぴょん、って」
こそっ。
(ぎゃふぅぅん!)
「ハ、ハズッ……!」
両手顔にバンッ。
でも……
ここにも、私の言葉をちゃんと拾ってくれる人がいたんだ……
(ふにゅぅ……)
くすぐったいよぉ。
でも。
うれしすぎるよぉ。
「こちらのお席へどうぞ」
ミカエルさまの手、品よくひらり。
スマートすぎて思わず、どきっ。
席、ちろり。
(かわいい……)
木のテーブル、まん中ぽこん。
畑みたいでかわいすぎ。
通路側オレンジふたりがけ、まど側みどりソファ。
(わはぁ)
ここ、にんじん席だぁ。
キュートすぎて、ツインテ、ぴょんぴょんはねちゃうぅ。
「慎司さん。い、いつもすみません……」
(はにゃ?)
矢沢くん、急にテレぺこ。
「なんの。今日は待たせてしまったね」
(しんじさん……)
ミカエルさま、しんじさんって言うんだ。
矢沢くん。
ミカエルさまを、名前で呼んでるんだね……
そういえばさっきミカエルさまも……
『健太くん』
矢沢くんのこと、名前で呼んでたっけ。
声、やさしかったなぁ。
ここに通ってる時間が、ちゃんとあるんだね。
「今日は、お友達を連れて来てくれたんだね。ありがとう」
「い、いえ。うさぎが好きみたいで……はい」
私の話、してくれてる。
うれしいな。
ひとり、ぽつん。
だけど、ここちよだよ。
「お連れ様」
(へ?)
ミカエルスマイル、ばっきゅーーん。
あ、わ、あうぅ。
「どうぞごゆっくりおくつろぎください」
しっとりぺこりんに、背筋シャキーンしちゃう。
美しすぎて、脳ぼっかぁぁん。
「あ、は、はいーっ」
ツインテ巻き込み、ぺこぺこ。
「ただ今、お水とおしぼりをお持ちしますね」
髪ふわっ、光きらっ。
エンジェルエフェクト、ぶしょわぁぁぁ。
「はい……」
とろりん。
ミカエルさま、しっとりぺこり。
奥へすすす……
ああん、行っちゃったぁん……しょん。
(はふぅ)
「藤井さん、どっち座る?」
(はっ……!)
すっ晴れボイスに脳再起動、カション。
にんじんソファを、指でちょちょん。
「あ、じゃあ……オレンジ」
手、ひらり。
合図に合わせて、ちょこん。
矢沢くんはみどりへ、すとん。
パソコンを横に、そそっ。
「ねえねえ。さっき、ミカエ……オーナーさんにあやまってたの……どうして?」
首、くいん。
「あー、いつもこの席に通してくれるから」
テレテレぽりぽり。
「なるほど……」
ここ、常連の王座……!
「え、じゃ、じゃあ、いつもの場所に座って……!」
あせあせ、すくっ。
「いいよいいよ。藤井さん優先したいからさ」
ふわにこ。
(きゅぅぅっ)
矢沢くん、なんて紳士!
それに引きかえ……ちらっ。
だらだらホール徘徊パッキンめ……
『ぎゃっは! 『ござます』って新語かよ』
(ぐぬぬぬぬ)
思い出すたび、肩ワナワナ……
あれ、ぜったいデフォルト設定だ。
テレビでもずっとあんなだし。
どんな演技すんのか、主演作チェックしてやる。
んでもって、ダイコンだったらバクショーしてやらぁ。
「藤井さん、どれにする?」
メニュー表、ついっ。
「あ、そうだね!」
パッキン悪魔はあとでボコ……んんっ。
成敗するとして。
いまはごはんごはんー。
ぱらり。
(おわぁ)
ラインナップ、圧巻。
しかも……ぜんぶ、うさぎ!
「めちゃめちゃかわいぃぃ」
「でしょ?」
首ぶんぶん連打。
くらぁっ……世界ぐるん。
「ふりすぎた……」
ピヨピヨピヨ。
「大丈夫?」
「えへへ……うん」
「……ふっ」
矢沢くん、肩カクカクぷるる。
「もー、わらいすぎぃ」
ほっぺ、ぷくぅ。
「ごめん、ごめん」
涙ふきふき。
(ほっ……)
ちゃんとわらえるくらい、もどってきてくれたのうれしい。
「さ、なに食べよっか」
ツインテ、きゅ。
「そうだなぁ……」
メガネ、きら。
ぱらりぱらりの音色とろん。
ひだまりの光、ぽわんふわり。
心にことり……やさしい午後。
読んでくれて、ありがとうございました!
次回更新は、夜7時です(`・ω・´)ゞ




