ツインテぼかぁぁん! な、な、直、それ……ハンソクだしぃ!
★前回のお話★
らんが無意識に口にした詩のような言葉を直が聞きとめ、意味を尋ねるが、
らんは覚えておらず、直はあきれ返る。
健太はその言葉を優しく受け止め、胸を弾ませるらんに、直はさらに呆れてしまう。
そんな中、健太は言い争う二人へ、自作のシナリオを読んでほしいと伝える。
らんは、今朝まで自信をなくしていた健太を心配するが、健太は静かに否定。
その気持ちに応えるように、らんはシナリオを読む決意をする。
ページを開けば、幼い頃の直と健太の思い出がよみがえる。
続き、始まります(*´ω`)
『夕方の空気に小さな光』
ぴゃん……ぴゃん……ちらちら。
直がひょいっ、ぽん。
ぽんぽんぽーん。
ボールふわふわ、いきいきふわん。
『僕はその少し後ろを走る』
矢沢くんタタタ……ぴたっ。
直、くるん。
『おせーよ』
直、ふわんにこ。
矢沢くんの肩、ふわりぽこん。
夕日きらきら、ぴっかりこ。
ふたりはいつもいっしょだよ。
(ほわわぁ……)
きゅぅぅぅん。
「矢沢くん、ステキすぎるよぉ」
ツインテぴゃかん!
「あ、ありがとう」
ぽりぽり。
「おい、読んだか」
ずどどん。
(んもぉぉ)
せっかちパッキン!
イライラ、手びゃん。
「はあ……」
すっすっ。
だから! ため息いらーん!
『意地悪の度合いは、もう少しマシだったかな』
矢沢くぅぅん。
「あはは……」
にがにこーんするしかないって、顔に出てるよぉ。
画面へ、顔じっ。
『直は、僕のヒーローだった』
(ええええ)
私にはどう見ても『地底ラスボス』なんだけど。
じろぉ。
「あ? 文句あんのか?」
ほぉらね。
「ちっ」
(出た!)
ほらほらほらぁぁ。
矢沢くーん。
これのどこがヒーローなの?
ナゾでしかないんだけど。
ぶつぶつ。
じ。
『いつも前を走って、でも、僕を置いていくことはなかった』
まっくら公園。
しろふわひかり、直ぽんぽん。
直、ちょっぴりしょぼん、ぽんぽんぽん。
矢沢くん、そろり。
『どうしたの?』
『……別に。どうもしねぇよ』
直の横顔、ふわんふわ。
『でも――』
にこりにがにが、むね……ぐぐぐっ。
(このシーンって……)
『小四のとき。直は急にサッカーを辞めたんだ』
直。
矢沢くんには『飽きたから』ってごまかして、
『プロ目指すとか言っときながら、結局は親の言いなり』
本音かくしてたってやつだよね。
『僕と話すとき、直いつも……気をつかってくれるから……』
さっき、矢沢くんが言ってたあれって……これのことだったんだなぁ。
「直くん、お願い」
手、ひらん。
四角、すっすっ、とん。
『あのとき、気づくべきだった。直が、何かを抱えていたことに』
(はうぅ……)
そんなの、気づけるわけないよ……
『察して』が通じるの、ちょーつよい人か、神さまだけだって。
直をちらり。
いま、どんな気持ちで読んでんだろ。
さっき、矢沢くんにぶつけてたね。
『俺が選んだ道を、すんなり受け入れてほしくなかった』
『思っきし罵ってくれって目で頼んでた』って。
「矢沢くんは、直くんのことわかってるけど……ぜんぶは読めないよ」
ぽつ。
『気づかなくて……ごめん』
「矢沢くんさ。直くんにあやまってたけど、それもちがうよ」
「……え」
矢沢くんの声、ぽとん。
「ふたりして、ほんと不器用すぎ」
しーーーーん。
まただんまりっ。
(もおおおおおおお)
すくっ。
「あんたら、どうしてそんなにこじらせるの!」
指、びしぃぃっ!
矢沢くん、ぎょっ。
直、じろぉ。
「矢沢くん!」
「は、はいっ!」
背筋、ピシッ。
「シナリオ、サイコーだった! 私ことばまぜてくれたの、ほんっとにうれしくて、むねぽわぽわして、泣くかと思ったし! 直くんへのキモチとかやさしさも、ぜぇぇんぶ、じわわんふわんだった!」
ツインテ、ぴぃぃん!
「あ、あは……ありがとう……」
頭、かきかき。
「でもっ!」
「はいっ!」
ピシシッ。
「『あのとき、気づくべきだった』って、ここ!」
パソ、びしぃ。
「『なんで言ってくれなかったんだ! 友だちだろっ。気ぃつかうとかナシ!』にてーせー!」
「あ、はいぃっ!」
パソコンくるるん。
あせあせカタタタ。
(よろしい!)
「直!」
がるるっ。
「あ? 呼び捨てすんな」
ギロ、シャー。
「んなこたー、どーでもええわ!」
がるるるぅっ。
「あんだ――」
「うっさい!」
「な……!」
目、くわっ。
「あんたね! 自分が選んだ道に、矢沢くんやお兄さん、まき込んでんじゃないよ!」
指、ついーっ!
「うっせ! だま――」
「シャラーーーーーーップ! 演技やりすぎで、自分に酔ってんじゃないのっ!」
くわっ!
「んな……!」
「ふ、藤井さん。あの、落ち着いて……?」
「矢沢くん!」
「はいっ!」
ピシ。
「この人、矢沢くんの『最初の理解者』なんでしょ!」
パッキンへ、びしぃぃぃ!
「あ、はい……」
直へ、アクアつつ。
「はぁ……何が言いてぇんだよ」
「それだよ、それ!」
「はあ?」
直、ギロリ。
「人のキモチなんて、口で言わなきゃわかんないでしょ」
『らんちゃんって、へんなの』
『めんどくさい人』
「声が届くから、直そうって……変わらなきゃって……グルグルグルグル」
『たまにちゃんとした格好してれば……誰かに会ったとき、少しくらい……印象が変わるかなって』
『迷惑って言われたことだけは……どんな言葉よりも……一番つらかった』
『追いかけて来いよ、絶対』
「だからさ! 目でビーム送るだけとか、自力で人のココロ読むとか、できるときはできるけど、ムリなときはムリなんだよ!」
ツインテ、ぴぃぃぃん。
男子ふたりへ、指ピピピ!
「不器用ぶってだんまりするの、もう禁止ー! 口で言えーっ!」
どっかーーーーーーん!
(ぜー、はー)
ふんっ!
足、ぱたた。
横目、ちら。
はん!
言いたきゃ文句のひとつでも言ってみろっての。
「おまえ……」
直、ギロリ。
「なに?」
やんの? お?
ファイティングポーズ、シュッシュッ。
直、ツインテ、がっしぃっ。
「イダダダダダッ! ちょ、なにすんの!」
「俺に説教ったぁ、上等じゃねぇか」
美顔、ずずいっ。
ベルガモット、ふわん。
ちかいちかい!
髪ひっぱんなーっ!
「ちょ……! 直、それはだめだって」
矢沢くん、オロロ。
「はっ」
鼻でわらうなーーー!
はなせーーーーー!
ジタバタ。
「おまえ、『藤井』なんてぇんだ?」
(あぁ?)
「ら、らん、だけど?」
「ふーん」
なんなの、その『ふーん』!
パパンママン製の名前に、ケチつけようっての?
おらぁ。
がるる。
「健太」
「な、なに……?」
オド。
「こいつ、おまえの女か?」
(ずぎゃん!)
や、矢沢くんに、なんてこと聞いてんのよ! バカパッキン!!
でもぉ……なんて言うのかな? きゃぴるん。
「い、や、あ、その……」
(がんばって! きゅる)
「た、ただの……友達……」
顔、しゅるんストーン。
(あーん……)
いくじなしぃ。
いまだけでいいからぁ、『そうだよ』って言ってほしかったな……ちゅるん。
「ほー」
直、私をじろり。
「な、なによ……」
んなことより、髪! はなせ! 今すぐ!
手、ぱっ。
(わわわ)
ドシン。
(ったぁ……)
「ちょっと! 急にはなさないでよ!」
キー!
おーいた……
おしり、さすさす。
髪、さささっ。
「んじゃ、遠慮はいらねぇな」
直、じろぉん。
(はぁ?)
もうじゅーぶん、えんりょゼロでしょーがっ。
キッ!
「あ、あの、直……それってどういう――」
オロ声、ぽそ。
「らん、俺の女になれ」
ズバーーーーーッ!
「はあああああああああああ?」
目、ギン!
まゆ、くわっ。
ツインテ、ぎゅん!
「さっき言ったじゃねえか。『口で言え』ってよ」
ニヤァ。
言った!
言ったけども!
使い方っ!
「おめぇ、気に入ったわ。しゃーねーから説教くらい聞いてやんよ」
直、肩ぐいーん。
(んなっ……!)
――口で言えーっ!
血の気、さー……
あのひと言、かんぜんにブーメランじゃん!
や、矢沢くぅぅぅん……たすけてぇぇ。
泣き泣き、顔くりん。
顔、すとーん。
(うわぁぁん)
うそでしょーーー!
「はっ。健太も、俺らの交際オッケーだとよ」
ケラケラ。
(ぐわはぁぁ)
んなこと、ぜんっぜん言ってないし!
ちょっと、矢沢くん!
『ただの……友達……』
こうなるなんて、だれも思ってないけどっ!
それこそ!
『あのとき、気づくべきだった』
案件でしょーがぁぁ!
もぉぉぉ!
この人たち、ほんっと、めんどくさぁぁぁいっ!
読んでくれて、ありがとうございました ✧
次回更新は、今夜7時40分です♣




