はわわぁ……私のことば、シナリオぽとり。うきゅぅテレレ、ツインテぴゃん
★前回のお話★
消極的な健太は、らんに背中を押され、ようやく直へ言葉を投げかける。
しかし、怒りの余韻が残る直の返事は荒く、健太は再び怯んでしまう。
らんが必死にエールを送り続ける中、直が健太へ歩み寄り、
らんは思わず盾になろうとする。
だが、直の口から出たのは健太の気持ちを和らげる言葉だった。
直は本音をぶつけながら、健太の“脚本家になる夢”を真正面から応援し、
夕闇の中で二人の関係はようやく元の場所へ戻っていく。
静かに、しかし確かに、示された仲直りの瞬間だった。
それぞれが抱えていたわだかまりを少しずつ解いていった三人。
静かな夜の中で、次にどんな言葉が交わされるのか——
幼なじみ編・最終章、スタートです ☀
しろふわひかん、ぽとひかりん。
よるふわつぶん、しずよるぴかん。
「……優しい言葉だね」
矢沢くんの声、ぽとん。
「へ?」
目、まるん。
「私……またなんか……」
「うん、言ってたよ」
ふわり、にこぉ。
パソコン、カタカタカタ。
(ぎゃん!)
ほっぺ、ぽぽぽぽ。
「こいつ、たまに面白れぇこと言うよな」
直、画面のぞきこみひょいっ。
「うん。僕らには届かない景色を、藤井さんは言葉にするから……記録しておきたいんだ」
カタカタ。
「ほーん」
ボール、軽くちょん。
「で……さっきの意味、なんだよ」
私をちらっ。
ボール、空へポーーン。
「さっきの……?」
ボール追い追い、首こてん。
まゆ、きゅ。
「……マジで覚えてねぇのかよ」
じとぉ……
ボール、ひゅるるるぅん……頭ぽすっ。
ポン、ポン、ポン。
『無意識にしゃべっちゃうから、覚えてないんだよ』って。
「さっき、そう言ったでしょー」
ほっぺ、ぷくぅ。
「藤井さん、大丈夫。僕が覚えてるから」
ぽと。
(矢沢くぅぅぅん)
直、息『はっ』。
うぐはぁぁぁぁっ!
ふんっ!
「えっと、『しろふわひかん、ぽとひかりん。よるふわつぶん、しずよるぴかん』って」
パソ画面じ、ぽとん。
「へー」
(そんなこと言ってたの私……?)
「はぁぁ」
直、ろこつため息、呆れじと。
「うっさいっ」
ぶっすぅ。
もっかいボール取ってこい、おらぁ!
「健太よぉ。こいつの意味不明ワード、まんま記録してて、あとで絶対わけわかんなくなんだろ」
私に、親指くいっ。
(ムカ)
その指くい、
私の『きらいジェスチャーランキング』上位なんだけど。
「うーん……無意識の言葉に意味を求めるのは、ちょっと酷じゃないかな」
(ああ、やっぱり矢沢くん……)
パッキン悪魔とはのーみその方向がちがうんだよねぇ。
「はーん。俺には理解できねーわ」
かかとポーン。
くるん。
つま先ぽすっ。
ポンポンポン。
(わほぉぉぉぉ!)
「いまのすごっ! なにその技!」
ずいっ。
「あ? どれのことだよ」
「いまのだってば!」
「だからどれだよ!」
(……はい?)
ちょっと待って。
これ……デジャブ?
『なんだそれ』
『なにが?』
『今のだよ!』
さっきの流れとまったくいっしょー!
「あんたも覚えてないじゃん!」
『理解できねー』って、どの口が言ってんのよ。
「うっせ! 名前呼べっての!」
直、シャー!
(カッチーン)
「これはどーも、失礼しましたぁ。パッキン悪魔くぅん」
アゴ、しゃくれっ。
「てっめぇぇぇ」
ガチバトル、ぼんっ再開。
カンカンカーン。
「もう、二人とも落ち着いて」
矢沢くん『どーどー』って。
わたしゃウマかっ。
直と目、ぱち。
ギロロ……ふんっ!
「……ふっ」
肩、カクカク。
(矢沢くん?)
「あんだよ。気味わりぃな」
直、汗たらっ。
「いや……藤井さんがいると、直の知らない一面が見えてさ。なんか、いいなって思ったんだ」
ふわんでしゅるる、エンジェルスマイル。
「なんだそれ」
頭、ガリリ。
「僕と話すとき、直いつも……気をつかってくれるから……」
「……そうか? 別にふつーだろ」
直、ハチミツ目つつ。
矢沢くん、まぶたぱたん。
「うん、そうだね……昔から、優しい直のまま」
パソコン、カタ……タ。
「よし……書けた」
(わはっ)
「おめでとー」
ツインテ、ぴゃかん。
どんなお話、書いたのかなぁ。
(でも)
『見せて』は、口チャック。
今朝『下手だし……ほんと、読めたもんじゃ……』って、すごく弱気だったんだもん。
そのキモチ、ちゃんと守るんだ。むん。
「見せてみろ」
ズバーーーーン!
(ちょ、直ぉぉぉ!)
「あんたまたケチつけて、矢沢くんのココロ、バキバキにする気じゃないでしょーね!」
くわっ。
「は? するかよ。つか、さっき死ぬほど褒めたじゃねぇか」
『ガチでビビった。腹立つくれぇ、面白かったよ』
(それはそう……だけど)
でも――
「矢沢くん、いま自信『しゅん』してるんだよ!」
ヘコませた相手に、はいどうぞって見せられるわけないでしょ!
ツインテ、ばいんばいんっ。
「藤井さん、ありがとう」
肩、そより。
(ドキン)
「ううん……矢沢くんのキモチ、だいじにしたいし……えへへ」
きゃるぴん。
「けっ」
(パッキンンンンン)
ギロロ。
「……二人に読んでほしいんだ」
画面くるん。
(まぶし……)
目、ぎゅっ。
まっくらヤミに、しろぴかん。
そろり……ぱち。
『風より先に走る人がいる――それが直。僕の幼馴染だ』
文字、目の中びゅん。
(わ……)
始まり、きれー……ほわん。
じゃなくて!
「あの、えと……ほんとに見ていいの?」
あせせ。
矢沢くん、コクリ。
「ムリ……しなくていいよ?」
まゆ、へにょ。
矢沢くん、首ふるふる。
「藤井さんにも知ってほしいんだ。……僕の見てきた世界をさ」
じーーーん……
(うれし……)
読み終わる前に、涙じわ。
「それじゃ、あの……読ませてもらうね?」
矢沢くんのシナリオ、初こーかい。
ドキドキ。
パソ、じっ。
『小三のグラウンド。砂ぼこりの向こう、少年の直がボールを転がす。ちょんちょん、ぽんぽんっ』
(えっ……!)
これ……
ぱっ、矢沢くんへ。
にこっ、こくん。
トクン……
『藤井さんみたいに、詩的な比喩を扱えたら……』
『聞くだけじゃ、もったいない』
『シナリオに使うよ』
ずっと、あんなふうに言ってくれてたもんね。
私のことば。
すっと入れてもらえたんだ……
もっと読みたい……じーっ。
文字ぷつん。
(えーっと)
「これ、下にどうやって動かすの?」
パソ、ちょん。
「あ、これはね――」
直「はぁ……」
(くはぁぁぁぁぁ!)
でっかい息吐くなっ!
「悪かったね! キカイは敵なんだよっ」
ぷんすこ。
「しゃーねーなぁ」
四角いとこ、さわわ。
(うぇっ?)
「読み終わったら、手で知らせろ」
「……う、うん」
(ほへー……)
直って、私には地底マグマ級の性格悪い悪魔だけど……
ちゃんと、いいとこもあるんだ。
『なるんだろ? プロの脚本家』
『健太の台本、読まねぇまま終わらすとか……すんなよ』
やさしいの、矢沢くん限定だと思ってたよ。
「おい、読んだか?」
(へ?)
「ま、まだ。これから」
あせあせ。
「は? おっせ。カメかよ」
地底ボイス、どっしーん。
(うぐぐ……)
さっき『いいとこある』とか思った私、バカすぎ。
こいつやっぱ、性格地底のヤミだわ。
むっすぅ。
読んでくれて、ありがとうございました✿
次回更新は、明日朝6時40です☀




