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20/25

パッキン、ドカン! アクア、すとん。男の子のゆーじょー、ムズかし……しゅるん。

★前回のお話★


らん、健太、直の三人は、公園でボール探しの勝負を始める。

らんと直は張り合うように走り回り、言い合いを重ねながらも、本気で勝負にのめり込んでいく。


一方の健太は、一人でボールを見つけ、二人のもとへ駆け寄る。

しかし、直がボールを奪おうと飛び込んだことで、らんが咄嗟に止めに入り、結果として勝負は二人の勝ちとなった。


騒ぎが収まったあと、三人は芝生に座り込み、ようやく落ち着きを取り戻す。


そこで健太と直は、本音を交わし始める。

長く続いた溝は、修復へ向かうのか――。

幼なじみ編⑨、始まります★



 おひさま、ゆっくりしずんでく。


「ひかりん、とろん……ゆっくりしずん……」

 ぽしょ。


「あ? またなんか言ってらぁ」

 直、ぽとん。

 私をじろぉん。

(へ?)

「夕日、そう見えてるんだと思うよ」

 矢沢くん、ぽとん。

 私へ、にこ。

(ドキン)

「んなこと、なんでわかんだよ」

 直、まゆきゅ。

(あのぉ……)

 私、またなんかポロ……したの?

 ツインテ、シャババ。


「『ひかりん』は温かさ」

(ほぉ)

「『とろん』は柔らかさ」

(とろん……ふむふむ)

「『ゆっくりしずん』は……時間の流れ」

(ほぉぉ……)

「だよね」

 矢沢くん、にこ。

「へ? あ……はい」

(たぶん)

「おまえさ……自分で言っといて意味わかってねぇだろ」

 直、じと。

(ぎくっ)

「わわわわ……わかってない……かも……」

 だってだって。

 無意識ゴイで、ログぜんぶ飛んでるんだもぉぉん!

「ほらな」

 直、親指くいっ。

 人指すな!

 がるる。


「その無意識の言葉、ほんとに力あるよ」

 矢沢くん、顔しずん。

 にがにこぉ。

(うぅ……)

 矢沢くん、ココロずどん。

 また、キズチクチク……


 直へキッ!

 ぜぇぇぇぇんぶ、あんたのせいだ!


「あんたが矢沢くんのシナリオに『つまんねぇ』とか『才能ねぇ』とかケチつけるから、心ぐしゃってなるんだよ!」

 びしぃ!


 直、しーん。


 こんのぉぉぉぉ……なんか言いなさいよ!

 口貝はズル技だし!

 ぷんすこ。


「……面白かった」

 直、まゆぎゅ。

(ほぇ?)

「え……?」

 矢沢くん、キョト。

 直、矢沢くんをじっ。

「シナリオ読んだとき、ガチでビビった。腹立つくれぇ、面白かったよ」

 頭、すとん。

(直……)

「才能ねぇとか言ったの嘘だ。あれ見て、俺……めちゃくそに焦ったんだ」

 ぽとり。

 矢沢くんと顔こっちん。

 目、ぱちぱち。

 そろって直へ、じ。

「おまえが夢に向かって突っ走ってるの見て……嫉妬したってこった」

 息ふっ。


『単調でつまんない』

『才能ないから止めたほうがいい』


 あれ。

 矢沢くんをキズつけるためじゃなくて、自分のココロ守るためのことばだったんだ。


 でも……そのせいで、矢沢くんがどれだけキズついたか……


 ちらっ。

 矢沢くん……きりり顔、ぜんぜんくずれてないや。


「……嫉妬から出た言葉なら、まだ受け止められる。才能の有無なんて、誰にも断言できないし」

 ぽつり。

 直、まゆピクン。

「でも……」

 矢沢くん、顔すとん。

「友達だと思ってた相手に……うくっ……」

(矢沢くん……)

「め、迷惑って言われたことだけは……どんな言葉よりも……一番つらかった……!」

 まゆ、ぎゅっ。

 手、ぐぐぐっ。


 夢を語り合った相手に、言われたんだもん。

『才能ない』より、ずっとずっとキツいよね。


 直、両目ぱたん。

 歯、ギリギリ。


 いま、どんなキモチでいるんだろ……


 ざぁぁぁ……

 虫の声、ジィーーー。


「……おまえが」

 直、ぽつ。

 矢沢くん、顔ぱ。

「目きらっきらさせてあんなこと言うからだろーが……」

 じと。

「あ、あんな……こと?」

 矢沢くん、首ちょここん。

「人の心エグっといてよ……嫌味のひとつでもぶち込まねぇと、気が済まねぇだろが」

 直、ぷいん。

「え? え?」

(ほんと『え?』なんだけど……)

「えっと……僕、そんなひどいこと言ったかな……」

 あせあせ、大こんらん。

 キオクモンスターの矢沢くんでも覚えてないレベルのそれ?

 逆に気になる……

「ねぇ……矢沢くん。なんて言ったの?」

 直へ、ぽとん。

「うん……」

 矢沢くんも、そろり直へ、じ。

 直、息はぁ……

「……俺がシナリオ返すとき。おまえ――」

『いつかさ……僕の書いたシナリオを、直が演じてくれる日が来るといいなって……そう思ってるんだ』

「……つったんだよ」

 直、頭ガリガリ。


(わほぉぉぉ)

 なんかそれ、プロポーズの前置きみたい!

 矢沢くん、やるぅ!


「忘れたとか、マジ信じらんねえぜ」

 じと目。


 ほんとだよぉ。

 このこのぉ。


「お、思い出した……確かに言った……」

 汗、ダラダラダラー。

「っとによ。」

 直、鼻で小さく、はん。


(えー……)

 めっちゃいいことばじゃぁん。


 ジェラがあったとしてもさ、

 芸能界でがんばってる直をおーえんしてくれてるんだから、

 うれしいしかないんじゃないの?


「それのどこに、直くんのヘイトよーそがあるの?」

 ツインテ、くりん。

「……僕も、知りたい」

 直へ、じ。

「はぁ……おまえにはさ。俺が選んだ道を、すんなり受け入れてほしくなかったんだよ」

 直、ハチミツ目すとん。

「……え?」

 アクア、ゆらり。

(どゆこと?)

「応援しちゃダメ……だったの?」

 私、キョトトン。

「……ああ」

(えぇぇ……なんでぇ?)

 矢沢くんまで「え? え?」って固まってるよ……


「プロ目指すつっときながらよ、結局は親の言いなり。サッカー辞めた理由も……おまえに軽蔑されんのが怖くて、『飽きた』つって嘘でごまかしたんだ、俺」


(そういうことだったんだ)


「そんな……僕は……っ」

 ゆらゆら。

「サッカーに未練たらたらのくせにな」

 呆れ半分、はっ。

 ボール、ぽん。

「なのによ……」

 片手、ぽすん。

「店で会ったとき、昔と変わんねぇ顔で、のん気に笑いやがって……」

 直、『ちっ』。


(ちょっとちょっとぉ……)

 舌打ちするとこじゃないでしょぉ。

 そんなの、うれしいに決まってるじゃん。

 だって親友に会えたんだよ?

 ねぇ、矢沢くん。

 ちろん。


 アクア、ゆらららぁ、ふよよよぉ。

(あああ)

 キラキラ、ぽろりそう……

 きみ、なぁんにも悪くないからね?


 直へ、顔ばっ!

「じゃあ……どう言えばよかったわけ?」

 ツインテ、ピキン。

 ちょい、ムッ。

 そこさ……矢沢くんがいちばん知りたがってるとこだよ?

 ちらん。

 アクアゆらゆら、直をじー。

(ほらぁ……)

 泣きそうな顔で見てるじゃぁん。


 直、息ふぅ。


「おまえに軽蔑されんのが怖くて仕方ねぇのに……あん時の俺さ、『思っきし罵ってくれ』って目でおまえに頼んでた。自分でも笑えるくれぇ、矛盾してんだろ」

 ぽそっと、にがあきれ


 ちょっ……目で頼んでただぁ?

(そんなん分かるかー!)

 難関大とっぱよりムズいミッションでしょ、それ。 

 親友ホカン、ズレとる!


 矢沢くんが言ってたあれ。


『久しぶりに会った直は……昔と雰囲気が全然違ってて。ちょっと声かけづらかったな』


 直のキモチ聞いて、やっと、ことばのイミわかったよ。

 矢沢くん、気の毒に……


「気づかなくて……ごめん」


(矢沢くぅぅん)

『ごめん』じゃないよぉ。

 そんなのムリムリ、わかるわけないってぇ。

 キモチなんて、言わなきゃ伝わんないんだもん。

 それに、友だちがえらんだ道応援するのなんて、ふつーのことだよ。


 もう、直!

 それはムチャぶりにもほどがあるよ。

「矢沢くんにキタイして……裏切られたって思った結果が、『声、かけんな』なの?」

 じと。


 直、ぶすぅ。

 目、つつーって……子どもかっ!


「矢沢くんに当たるんじゃなくてさ。げーのー界がイヤなら、もっと反抗すればよかったんじゃん」

 ぽとん。

 直なら、自分のシンネンみたいなの? ぜったい曲げないタイプでしょ。

「おめぇが思うほど、んな簡単に片づく話じゃねんだよ」

「なんで?」

 キョト。

「……俺が親父に逆らったら、巻き込まれんのは兄貴だ。だから従う他ねぇだろ」

(あ……)

 ミカエルさまが……そっか。

 ツインテ、しょぼ。

「わーったか」

(……ひゃい)

 私、こくん。


「で、でも。慎司さんは、そのときはもう……」

 矢沢くん、汗つ。

「ああ。料理の道いってんのに、急に『モデルんなれ』は『はあ?』だろが」


(それはそう)


 けど、ぽわんで、きらんで、しっとりぃで、すらくねぇなミカエルさまなら、

 モデル兼料理人で人気バクハツしてそうだけどなぁ。


「兄貴のことだ。自分の夢より、親父の言うこと優先してただろうしな」

 息、ふっ。


(うぅ……)

 直ぉ……あんた、ただの性格ひねくれパッキン男だって思ってたけど……

 実は家族思いの、不器用天使パッキンだったんだねぇ……


 なんか私、いろいろ『ごめん』だよ。


 さっきまでさ、

『自分は親のあやつり人形なのに、お兄さんは夢叶えてキラキラ。はんこーモード、バクハツどっかーん』

 とか思っちゃって……しょん。


 直。

 あんたほんとエライよ。


「あー! くそっ。やっぱ話してっと、ムチャくそイラつくぜ」

 直、頭わしわし。

 矢沢くん、しん。

「モデルで売れて、テレビも増えて、周りがチヤホヤしやがる。マジでやってられっかよ」

(直ぉ……)

 イライラ、ついにドカン……

 このタイミングだし、はき出しちゃいな?

 話、聞くよ。

「ぜんっぶ親父の筋書き通りじゃねぇか!」

(うんうん)

 ムカつくよね。

「あいつが満足するたび、俺のヘイトが増えてくだけだっつの」

 ボール、どかっ。

 びゅーーーーーん……

 また拾いに行かなきゃ。


 そういえば直、テレビでわらってるとこ、

 私、一度も見たことないや。

 けど……話きいてたら、そりゃそうだよねってなっちゃう。

 父親のエゴでやらされてたんだもん。

 わらえるわけ、ないよ……

 ねぇ? 矢沢くん。

 顔、ちら。

(あぅ……)

 ずっとだんまり……


「矢沢くん」

 ぽそり。

「……え?」

 ビクン。

「直に、声。かけてあげて?」

 にこ。

「あ……う……」

 アクア、すとん。

(矢沢くんてばぁ……)

 そこで目そらしちゃダメだよぉ……


「直のこと、よく見て?」

 指、ぴ。

「いま、あんなにつらそうだよ?」

 ミカエルさまも言ってたじゃん。

『あの子は、きっと君の声を待ってる』ってさ。


 私が代わりに声かけるのは、いくらでもできるよ?

 でも直がいまほしいのは……矢沢くんの声なんだと思うんだ。

 だから……

「ね?」

 矢沢くん、顔ぱ。

 直をちらり。


(だいじょうぶだよ)

 私もいっしょにいるからね。

読んでくれて、ありがとうございました₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎

続きは、一時間後です✤

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