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18/25

おわぁ! ケンカ売っちゃった……矢沢くぅん、それってほんとにだいじょうぶ……? 

★前回のお話★


先に公園へ着いたらんは、静かな景色を見て、ここが幼馴染二人にとって“心の隠れ家”になっていた理由を理解する。

そのとき、黒いフード姿の直が現れ、見事なボールさばきを披露する。

その動きは鮮やかで、らんは健太から聞いていた“サッカーの天才だった頃の直”を思い起こすほどだった。


らんに気付いた直は挑発的な態度を見せ、二人は再び言い争いになる。

直の刺々しい言葉に対し、らんは強い姿勢で向き合い、健太が直をどれほど想っているかを伝える。


前途多難な修復の道。

直と健太の溝は埋まるのか。

幼なじみ編⑦、開幕です( ˆoˆ )



「……テメーに命令される筋合いなんざ、これっぽっちもねえわ」


(ピキッ)

 こんの……っ、まだ言うか、その口……! 

 ほんっと、クソひねくれパッキンがぁぁぁぁっ!


「わたしゃなぁ! あんたのこと、お兄さんに『お願いします』って、頭下げられてんだよっ! あんたのために!」

 びししっ!

「……ちっ。あいつ、余計なこと言いやがって」

 足、ぱたた。

 イライライラ。

「あんたが心配かけるからでしょ」

 ミカエルさまに文句言うな。

「はあ……んっと、めんどくせぇなぁもう」

 頭、ガリガリガリ。

 こっちのセリフだわ、バカパッキン!


「な、なおぉぉぉぉ……」


(あっ)

 このへろりん声、矢沢くんだぁ! 

 くるっ。


 ふらふらぁ。

 へろへろぉ。


(あああ……)

 こんなになるまで……

 ここまでよくがんばったねぇ……ほろっ。


 トテ、トテ、トテ……ぜぇ、ぜぇ。

 ふらふらふらぁ……どしん。

「はー、はー……はぁぁ……」

「矢沢くんっ!」

 タタタ、すとんっ。

「おつかれさま」

 背中、なでなで。

「う、うん……」

 ぜぇぜぇ、こくん。

 走るの苦手なのに、あんた追ってここまで来たんだ!

「なんか言ってあげなよっ!」

 直へ、キッ!

(って)

 ちょ、なにその足ふみ!

 ムッカムカムカ! 

 しんっじらんない……すくっ!

「にげる気!」


 しーん……


 はい、返事なし。


「ボールまで放り出すんだ」

 ぷいーん。


 しーん。


 ほんっと、どこまでも、ひねくれはんぱパッキン。


「なんとか言ったらど……」

「黙れ」


 やっと反応したな。


「めーれーしないで」

 んべ。

「……てめぇ。二度と口きけねぇようにしてやる」

 手ぽきぽき、目ギロリン。

 私、ギロ。

「手、出すつもり?」

 歯、ギリギリギリ。

「はっ、さあな」

 口元ニヤリ。

 一歩、また一歩。

 こっちへ、じりじり。

「あんたの人生、おしまいだね」

 じろろ。

「言いてぇこたぁ、それだけか?」

 じりじりじり。

「な……直……」

 矢沢くん。

 こいつたぶん、ぜんりょくで来るよ。

(巻き込まれる前に逃げて!)

 私、目ちらっちらっ合図。

 腕、バッ。

 矢沢くんをガード!


 ダッ!

(来た!)

 ダダダダ!

 目ぎゅっ、歯ぐぐっ。

「矢沢くん! にげ――」

「し、勝負しよう!」

 矢沢くん、センセンフコク。

 ドーン!


(……え?)

 私、目ぱちくり。

「……あ?」

 直、つんのめっ。

「矢沢くん、『勝負』って……」

 うしろ、ちらり。

(おわぁ!)

 目、真剣っ。

 体力ゲージゼロ寸前の人が、

 そんなでっかいこと言っちゃって……

(だいじょーぶかなぁ……)

 汗つ。

「おめぇみてえなへなちょこが、俺と勝負? 笑わせんな」

 矢沢くんへ、ギロリ。

(むむむっ)

 矢沢くん、私のとなりに、すっ。

「……僕が勝ったら、ちゃんと話したい」

 まゆ、きりっ。

 直を、じっ。

(矢沢くん……)

 直を、ちらり。

 片手、腰にドンッ。

 矢沢くんをじー。

(ゴクリ……)

「藤井さん」

 矢沢くん、ぽつ。

「は、はいっ」

 ツインテ、ぴゃん。

「さっき『ボールまで放り出すんだ』って、直に言ってたよね」

「う、うん……直くん、私めがけてボール飛ばしてきて……そしたらピューンって、どこかへ消えちゃって……」

 人さし指、ぴっ。

 くるんとカーブ、すいー。

「そういうことか……なるほど。教えてくれて、ありがとう」

 にこ。

 また直へ、くるり。

「じゃあ、そのボール見つけたほうが勝ちでどう?」

 直へ、きりり。

(どええええええ)

「おもしれぇ……乗ってやんよ」

 てくてく、矢沢くんのほうへ。

 私、両手バッ。

 手なんて出させないんだからっ!

 ぎりり。

「藤井さん。ありがとう。……大丈夫だよ」

 しんっ声、とろん。

 しゃぼん、ふわん。

(矢沢くぅぅん……)

 ムリしないでぇ……きゅるん。

 直に、キッ。

「はっ。弱っちいくせに、見栄だきゃぁ、ご立派なこったな」

 じろニヤリ。

(くはぁぁぁ)

 こいつまた、矢沢くんをわらいやがったぁぁ!

 ムッキィィィィィ!

 ボール見つけて秒で勝って、矢沢くんに土下座させて!

 それからそれから……ブツブツ。

「俺が勝ったら……」

 矢沢くんに、ずいっ。

(あ、ちょっ……!)

 両手、バッ。

 キッ。

「二度とその面見せんな」

「……わかった」

 矢沢くんの声、ぜんぜんひるんでないや。

 本気でぶつかってるんだ……

 それなら、私だって!

「矢沢くん。私も、キョーリョクするよ」

 両手ぐぐっ。

 ツインテ、ぴゃかん。

「……ありがとう」

(うん!)

「へっ。増えたところで俺が勝つけどな」


 バチバチバチバチ。


 スタートラインに、三人横並びピシッ。


「……『よーい、どん』で始めよう」

 矢沢くん、まゆきゅ。

 私、こくん。

 直、すんっ。


 勝負は一回ぽっきり。


 すー……はー……

(よしっ)


「俺にケンカ売ったこと、後悔させてやんよ」


(言ってろ)

 後悔すんのは、あんたのほうだし。


 ふたりの運命かかった大勝負。


 よーい……

「どんっ!」


 ぜったい先に見つけるんだからっ!







読んでくれて、ありがとうございました★

次回更新は、明日朝6時40です☀


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