いざ参らん! ミカエルさま……その想い、必ずやお届けしますっ!
★前回のお話★
飲み物の注文を取りに来た慎司に、らんと健太はそれぞれお気に入りのドリンクを頼む。
らんの思わずこぼれた表現に慎司が感心し、健太も「唯一無二の言葉だ」と静かに褒める。
らんは、これまで「へん」と言われてきた自分の言葉が肯定されることに、少しずつ自信を取り戻していった。
飲み物を前に、らんは健太に「飲んだら行こう」と促し、直と向き合う必要を伝える。
健太は戸惑いながらも、直がよく訪れていた公園の話をし、
そこが直にとって気持ちを落ち着ける場所であり、二人にとっての“心の隠れ家”でもあると明かす。
らんは、直の態度の背景を知りたいと考え、公園へ向かうことを提案する。
健太は慎司に「直と話す」と約束し、慎司から励ましの言葉を受ける。
二人は飲み物を飲み干し、視線を合わせ、直と向き合うために公園へ向かう覚悟を固めた。
ついに行動に移す決意を固めた二人。
直と会えるのか。
幼なじみ編⑤、スタートです(⁎˃ᴗ˂⁎)
四時半、戦場オープン!
外へ、れっつごー!
(おっ)
行列、きれいさっぱりしょーめつ。
ミカエルさまも、やっと、はっふんほろぉんだね。
店がほろんになった今こそ――いざ、決戦のとき!
どどんっ!
「オーナーさん。ごはん天国、ごちそうさまでしたぁ!」
ぺっこん、びししっ。
「ごちそうさまでした」
矢沢くん、ぺこっ。
「満足していただけて、何よりです」
しっとり、ぺこん。
大満足の満ぷくハッピーだよぉ。
ここまでしてもらったら、恩返しモード全開っ!
直がこれ以上ミカエルさまをしょぼんぬさせないように、
びしぃっと言ってやりますからっ。
パーの手グーで、ぼんっぼんっ。
「あの、慎司さん」
「なんだい?」
「直が行きそうな場所……あの公園以外に、心当たりありますか」
矢沢くん、きりり。
迷いゼロ。
かーっくいぃ!
「……すまない。直がどこへ向かうのか……正直、オレには思い当たらないんだ。あの公園って……芝生広場のあるところで合ってるかい」
「はい」
きりり。
「そうか……」
ミカエルさまのにっこり、光がしょぼん。
「……情けない話だけど、そんなことすら知らなかったよ」
空気、どよん。
矢沢くん、だんまり。
私も、なんて言えばいいのか……しょん。
「……中学を出てすぐ海外に行って、ずっと走りっぱなしでね。帰ってきて店を始めたら、毎日が必死で……気づいたら、直のことを『ちゃんと見てやる時間』がなくなっていたんだ」
ミカエルさま……
『あーあ、やってらんね』
直が店を出てったとき、追わなかったのって、
『追いかける資格ない』って、どこかで思っちゃってたのかな……
「だからね。オレの中の直は……サッカーの話を心から楽しんでいた頃のままなんだ」
ミカエルさまの光。
またいっこ、ぱちん……ふっ。
(矢沢くん……)
なんにも言わないなぁ。
ちらっ。
アクアマリン、ぱたん。
手のひら、ぐぐっ。
「……オレが料理人として夢を叶えられたのは、直が背中を押してくれたからだと思ってる」
そのときの直はきっと、お兄さんの夢を支えながら、
自分の夢もまっすぐ見てたんだろうな……
「なのに……帰国してみたら、まったく別の道にいて……喜ぶより先に、最悪の想像が浮かんだんだ」
矢沢くんが話してくれた『父親の強制』。
『直のお父さん、業界トップらしくてさ。その関係で、直はサッカー辞めて芸能界に入らざるを得なかったんじゃないかって』
親の力が入っちゃったら、子どもは逆らえないよ……
「サッカー選手になるって、あんなに嬉しそうに話していたのに……」
ハチミツの光……ゆらゆらしずん。
「オレが……日本に残っていれば……」
手、ぐぐぐ……ぎゅっ。
ミカエルさま……そんなに自分を責めないでよぉ。
「慎司さんの選択は……決して間違いじゃありません」
ふわりにこっ。
「健太くん……」
「たとえ慎司さんが芸能界を強制されていたとしても、直は……絶対に黙っていなかったと思います」
アクアマリン、きらりん。
「それは……」
「慎司さんが夢を叶えて、日本に帰ってきてくれた。直、絶対、嬉しかったに決まってます」
(うん……)
私もそう思う。
忙しくても店に来てるのが、その証拠だよね。
まあ、接客は、ひどいけどねっ。
「そうだと、いいんだけどな……」
ミカエルさま、ちょっとだけ、にこ。
「絶対そうです。だから……もう自分を責めないでください」
ほんと、そうだよ。
ミカエルさまがしょぼんぬしちゃったら、
直もしょぼんぬまっしぐらだよぅ。
「……わかったよ。ありがとう、健太くん」
(わぁ)
ハチミツ目。
うるるきらら、もどってきたぁぁ。
やったね、矢沢くん。
「よぉし! なにがなんでも直、にぱぁぁってさせるぞぉぉ」
ぐいぃぃん、のびっ。
「うん。僕も……直の笑顔、取り戻したい」
(おわっ)
矢沢くんのアクアマリン、きらん。
やる気スイッチばちこーん。
なんか、いいなぁ。
「引き留めてしまって、すまなかったね」
ミカエルさま、キランにこっ。
(でたっ、このハカイ力)
やっぱ、サイコーすぎ。
「いえ。こちらこそ、お忙しい中ありがとうございました」
ぺこーん。
角度ぴったり九十度。
矢沢くんのぺこん、ほんっと『美の芸術品』。
「藤井様も、本日はご来店いただき、ありがとうございました」
ぺこーん。
これまた『美』の角度……!
「い、いえっ! あの……とても、きらんで……ふわんで……はいっ!」
キモチ、ぐるぅん百八十度。
ぺこーん。
ミカエルさま、ふふっ。
矢沢くんも、くすくす。
あああああ、なんでふつうに言えないの私ぃぃ。
かぁぁぁ。
「……直のことを……どうかよろしくお願いします」
ふかぶか、ぺこん。
(ミカエルさま)
「はい」
矢沢くん、きりっ。
「任せてください!」
むね、どぉん。
このらんちゃん。
ツインテにちかって、必ずや直を、ばしぃっ、キュピィィン、うるるぅん、ぺっこぉんにしちゃいますからぁ!
ふんすふんす。
「藤井さん、行こう」
アクアマリン、シャランル。
(ひゃぁん)
かっこよ……!
ミカエルさまに、ぶんぶん手ふりふり。
ミカエルさまも、ふりふりにっこにこ。
つぎ来るときは、直もいっしょに、にこにこ確定っ。
「いざっ、公園へれっつごー!」
ジャーンプ!
ツインテ、ぴょぉぉん。
メガネ、カクコン。
――とんっ。
(ふぃぃ)
よし、満足。
トコトコトコ。
「ねぇ、公園にいなかったら……つぎどこ行く?」
私、くいん。
「うーん……」
そりゃ矢沢くんでも、わかんないよね。
「なん時?」
腕時計、ちらっ。
「もうすぐ五時」
公園つくころには五時半かな。
空の色。
しろふわひらん。
でももうすぐ、あかふわしずんにかわっちゃうなぁ……
「矢沢くん、ちょい、急ごう」
速度アップ!
トテタタタタタ。
「え、あ、ちょ、藤井さんっ」
あせあせテッテッテ。
私スタタタタ。
矢沢くんテッテッテ。
スタタタタ。
「矢沢くん、だいじょうぶぅ?」
くるりん。
(ぎゃひゃっ)
いないぃぃ!
置いてきちゃったぁぁ。
ユーターン、タタッ。
――びゅん。
ぶわっ。
(え……!)
なにいまの風圧……
くるん。
(だれもいない……)
え、まさか矢沢くん?
瞬間移動したとか?
ツインテ、びゅほっ。
「おぉぉい……」
ヘロンヘロン、ふにゃらぁん。
(あ、この声!)
くるんっ。
「ま、待ってぇ……!」
ぜっはぁ、ぜっはぁ。
「矢沢くん!」
うしろにいたー!
「わ、わ、ごめんー……!」
置いてっちゃってるなんて、思わなかったんだよぉ。
それじゃあ、あの横切りびゅびゅん、いったいなんだったの?
クロとキンが一瞬、光った気がしたけど……
カラス?
それとも……まさかのチーター?
いやいやいや、ないない。
(……気になる)
けど、いまは直が先!
「矢沢くん、あとからゆっくり来てね」
足ぶみテコテコ。
「は、走るの……?」
ぜーはー、へろりんぬ。
私、こくん。
「公園いるかわかんないけど……もしいたら、のんびりしてる間に帰っちゃうかもだし」
「わ、わかった……またあとで」
ふらりん、手ひらっ。
「うんっ、あとでね!」
けーれー、ぴしし。
よーし、全力モード発動っ!
ダダダダダダダダッ。
ツインテ、びょんびょん。
足、ぐるるるる。
百メートル十秒台発動!
今こそ見せるときっ。
公園めざしてダッシュダッシュ。
うおおおおおおおお。
うさぎぽしぇっと、どるるるるんびゅびゅんっ。
走れぇぇぇ!
ぴゅんぴゅんぴゅん!
直ぉぉ!
いなさいよぉぉぉ!
読んでくれて、ありがとうございました(*´ー`*)
中編は、一時間後です☀




