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50代召喚(前世の記憶の亡霊が生きた道)  作者: くまじ
1章 召喚と生活基盤作り
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9. F依頼の仕事 1

 割の良い仕事が欲しければ、依頼が貼り出される午前6時にはギルドに行くべきだ。だが、干城(たてき)と奈津希(なつき)はどうしてもあの人混みに飛び込む気になれなかった。


 それに、精神は57歳と55歳の二人は正真正銘の子供であるランクFの面々と、泥臭く依頼を取り合うのも気が引ける。結局、二人が腰を上げて依頼票を手にしたのは、混雑が引き始めた6時半頃だった。


 干城は荷物集積所、奈津希は倉庫での荷運び。報酬はどちらも60リギル(銅貨6枚)だ。どうやら単純作業ばかりのようだが、この世界では学のない日雇いのフリーランサーに求められる労働など、所詮はそんなものなのだろう。


 奈津希と二人、受付に依頼票とギルドカードを提出して場所を確認し、それぞれの職場へと向かう。干城が指定された場所に到着すると、そこは荷馬車がせわしなく出入りする、活気にあふれた――悪く言えば、ひどく騒がしい場所だった。


 作業員らしき男を捕まえ、フリーランスギルドから派遣された旨を伝えて指示を仰ぐ。


「フリーランス? じゃあ荷運びだな。だったら、あそこにいる白い髭の爺さんに聞いてみな」


 指差された先には、立派な白髭を蓄えた老人が立っていた。


「分かりました。ありがとうございます」


「おはようございます。依頼を受けたフリーランサーです。何をすればよろしいでしょうか?」


 干城が声をかけると、老人はその細い体を一瞥した。「坊主、一人なのか?――おーい、ランズ!」

「へい、親方!」


 近くから威勢の良い返事が響く。


「この坊主を二番集積所に連れてって、そこの荷を荷馬車積込み所に運ばせろ」

「分かりやした。坊主、ついて来い」


 ランズさんに連れられて向かった場所には、縦30センチ、横60センチ、高さ30センチほどの木箱が、ぱっと見200個ほど積み上がっていた。


「この木箱を全部、あそこの三番荷馬車積込み置き場に運ぶんだ。終わったらさっきの親方のところへ行ってくれ」


 もう少し詳しく説明してほしいところだが、ランズさんはそれだけ言い残すと、自分の仕事へと戻っていった。


 視線を向けると、そこには奥行きのある屋根付きのホームが据えられていた。荷台の高さに合わせた床面からは、端の方にスロープが伸びている。荷馬車二台分には満たない凸状の突き出しがいくつかあり、それが「積込所」のようだ。「3」と書かれた突き出しの奥にあるスペースが、指定の荷置き場なのだろう。


 箱の中身は、キャベツに似た大きな野菜だった。(『身体強化』を使えば、三箱重ねてもバランスは取れるな……。いや、前が見えなくなるか。二箱にしておこう。片道の距離は40メートルくらいか)


 干城は二箱を抱え、干城の感覚で小走り程度の速さで移動を始めた。荷を降ろした帰路は、軽くランニングで戻る。辺りからは作業の喧騒が聞こえる。賑やかと言うべきか、ガラが悪いと言うべきか。


「こりゃあ、身体強化がなかったら一人じゃ午前中いっぱいかかってもキツいぞ。1回の移動距離はそれほどでもないけど、戻りはホームからショートカットしても、往復60メートルくらいにはなるな。トータルしたら結構な距離になりそうだ」


 一人で黙々と作業を続け、2時間ほどで全ての木箱を運び終えた。干城は親方の元へと次の指示を仰ぎに行く。


「もう終わったのか?」


 親方は怪訝そうな顔をした。


「はい、終わりました」

「本当か? 確認するぞ」


 親方に連れられて三番荷馬車積込み所へ向かう。親方はいくつかの木箱を検品し、中身が傷ついていないこと、そして確かに全ての数が揃っているのを確認して、深く頷いた。


「坊主、すげぇな。……よし、それじゃあ、さっきの隣にある三番集積所の荷物を、五番荷馬車積込み所に運んでくれ」

「分かりました」


 三番集積所にあったのは、規格が統一されているのか、先ほどと全く同じサイズの木箱だった。中身は玉ねぎに似た野菜だ。これも200個ほどあったが、干城は先ほどと同じ要領で二箱ずつ運び、同程度の時間で片付けた。


 再び親方のところへ報告に行くと、「今日はもう終わりだ」と告げられた。そればかりか、依頼終了票には報酬を1レラ(白銅貨1枚)に引き上げる旨が書き込まれ、評価欄には「優良」の文字。干城は仕事は終わったとギルドに向かって走り出す。


 昼頃、ギルドに戻った干城は、依頼終了票とギルドカードを受付に提出し、予定以上の報酬を手にした。


 奈津希も午前中で仕事が終わった様で、カウンターで報酬を受け取っていた。




「お疲れさま、終わったみたいだね」

「干城、お疲れさま」


「報酬も貰ったし何か食べようか」

「そうね、近くの食事処に行きましょ」


 ギルド近くの食事処[暁の空亭]にした、腹が減ってたので何か食べたかった、ニスニラがあったので、それを頼んだ。


「庶民の安い定番食って話だったね、どんなのか分からないけど、今は食えるなら何でもいい」

「そうね、ラノベの定番なら異世界飯は不味くて、安物のスープなら薄い塩味の豆スープとかだけど」


 出来上がったと呼ばれたので受け取りに行く、思っていたより大きい黒パンとスープのセット、トマトベースのスープで意外と美味しそうだ。


「結構美味しい、腹が減ってるのもあるだろうけど美味しい」

「そうね、思ったよりも野菜が多いわ、キャベツ、人参、じゃがいも、ブロッコリーかしら? 肉も少し、ミノかしらね?」


「黒パンが思ってたより大きい、これなら結構腹にたまる、ただパサパサだけど、ああ、スープに浸すのか」

「これで8リギル(小銅貨8枚)物価が安いのね」


 食事も終わり店を出てギルドへ向かう、思ったより美味しかった事や、身体が成長したら少し量が物足りないだろうと感想を話しながら依頼ボードの前に来た。



























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