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第97話 忍

過去にカロリーさんと同じ忍がマナと戦い食われた事に対して、わだかまりは無いと笑うカロリーさん。



「ん?我が喰ったと言った忍の事か?恐らくそやつは生きて帰った筈じゃぞ?」

「「え?」」



?どーいう事だ?

確かカロリーさんと戦闘になる前にマナは忍を喰ったと言っていた。

それが生きている??



「どー言う事?マナ。」

「喰ったのは魔力のみ喰ろうただけで、本体は喰らってはおらんぞ?身体はほぼ無傷じゃった筈じゃ。」

「魔力だけを吸収したって事?」

「そうとも言うな。」



マナと初遭遇した時の鑑定結果に『魔力も喰らい……』って文言があったなそう言えば。

獲物そのものも直接食べて魔力を取り込むのかと思ったが……魔力だけを吸収する事も出来るのか。



「魔力だけ吸収されるとどうなるんだ?」

「魔力切れになり、動けなくなる。それだけじゃ。あやつの魔力、中々美味じゃったぞ。確かエルフの忍じゃったからの。珍妙な長耳だったので覚えておったのじゃ。また来ないかと思い見逃したのじゃが。」

「え!?マナちゃん!今、エルフの忍って言った!?それは何時いつ頃の話!?」

「そうじゃのぉ……我が”今”の時代に産まれてから200年経っておったかのぉ?奴の魔力は美味じゃったからの。また来ないかと思って生かしておいたのじゃが……一向に来ないのぉ。」



マナの昔話を聞いていたカロリーさんが、今までに見た事無い程、動揺しているのが分かる。

この人も飄々としているが、人並みに動揺したりするんだな。



「カロリーさん、心当たりがあるんですか?」

「あるも何も……間違いが無ければその方は今の忍の源流を作った方……私の師匠かもしれない!」

「カロリーさんのお師匠!?忍の源流を作ったって事は、そのお師匠様が忍者の創始者……て事ですか?」

「創始者は別にいるんだけど、元々、忍は忍術と呼ばれる独自の能力スキルを体得していたんだ。そこに魔法も取り入れたのがそのお方なんだよ。」



魔法と忍術をコラボさせたお初のお方って事か。



「そのお師匠様がマナに挑んだかもしれないって事ですか?」

「師匠がマナちゃんと(神獣)と戦ったなんて……そんな話は一言も聞いた事が無い……。」

「なんじゃ、お主に所縁ゆかりのあるものじゃったのか。それならまた連れて来てくれんかのぉ。またあやつ魔力を喰いたいんじゃ。」

「うん。マナちゃんの為なら喜んで!!」

「え!?」



魔力を吸われる事を知った上で、そんな居酒屋注文を受けたみたいに少しの躊躇いもなく気軽にお師匠様とマナと引き合わせようとするカロリーさん……怖い。

俺が驚いた表情で見ている事に気づいたカロリーさん。



「だって魔力を吸われるだけだろ?別に死ぬ訳じゃないし、いいんじゃ?(笑)」



ウィンクしながらそう答えるカロリーさん。

俺の心配は杞憂に過ぎなかった様だ。

しかし弟子に嵌められそうになっているまだ見ぬカロリーさんのお師匠さん。

かわいそう。

それにしても、忍術と魔法のコラボレーションか……興味あるな。

マナとの戦闘時には、分身の術みたいな攻撃をしていたし……あれもコラボから生まれた結果なのか?

他にどの様な魔法と忍術のコラボがあるんだろう。



「カロリーさん。その魔法と忍術を組み合わせたモノに呼び名はあるんですか?」

「うん。『ジンキマシン』と呼ばれている。」

「『ジンキマシン』……?」



何だそのスト○ングマ○ン的な名称は。



「『刃鬼麻心』て書くんだよ。」

「それはどう言った意味なんですか?」

「忍術と魔法を組み合わせたって話したよね?それの『忍』と『魔』をおのおの上下にバラして一文字をクロスさせて一つの名称にしたんだよ。」



ほぉ〜。

『忍』なら『刃』『心』、『魔』なら『麻』と『鬼』、それを上下交差させて名称にしている訳か。

「何となくカッコイイだろ?」



魔法についてはガガンさんやソフィちゃんから教わってるから大体分かるけど……

忍術……厨2病を再発している俺には非常に興味をそそられますねぇ……。



「あらぁ?ん?前から何か来るわよぉん?」

「何だ。おまえいたのか。」

「いるわよぉん!!失礼しちゃうっ!!」

「しかし、おまえが俺達を森に放置したお陰でマナちゃんと出会えたし、おまえもたまには役に立つんだな。」

「うるさいわねぇぇええん。まだその事を気にしてるのぉおおん?そもそもあんたが私の背中に涎を大量に垂らしたからシャワーを浴びる嵌めになったのよぉん!」

「は?お前……私達をおいて、まさかシャワーを浴びる為だけに……」

「そ!(ウィンク)ルク・スエルに帰ったのぉん。ウフフ。お蔭でさっぱり出来……」



ブチチチィ!!!パァアァアアアア!!!



「いっだぁああぁああああっぁあ!!!目もぉぉおお!!MemoOhoooo!!!!」



カロリーさんがたてがみを引き千切りながら、魔石ライトを顔面に照射する。

器用だなぁ。流石、忍。(笑)

プリンちゃん、思い切りオスの声で痛がってる………。



「てめぇ!!俺達を森に置いてきぼりして危険に晒しやがって!!残ったたてがみ全部引っこ抜いてやる!!」

「いいやぁあん!!やめてぇえええん!!」



物凄い勢いで逃げるプリンちゃんを同じ速さでグルグル追いかけるカロリーさん。

余り周りすぎるとバターになりますよ?



「主どの。何なのじゃこやつらは。いつもこう騒がしいのか?」

「いや、俺もまだ知り合って間もないから……。」



キンッ!!!


俺とマナが1人と1匹の追いかけっこを生暖かい目で見ていると、後方から何か金属が弾ける様な音が聞こえる。

ん?何だ?この音?

そして俺達は後ろを振り返る。


ガキンガキン!キンキンキンキン!!!



「うわわぁぁあああああ!!透けとルン!!……じゃなくてスケルトンだぁあああ!!!!」



そこには5体の鎧を纏った髑髏兵、所謂スケルトンが剣を振り回していた。

めっちゃ襲われてるやん!!!

さっきプリンちゃんが前方から何か来るって言ってたのはこいつらの事だったのか!


…………

しかし………全く攻撃が届いていない。

俺達の1m程前で剣を振り回してるが、何かに弾かれている様だ。



「主どの。何を狼狽えておるのだ?」

「え?だって……これ、明らかに襲われてるよね……?」



いきなり髑髏に襲われたらそら恐ろしいわ!狼狽えるわ!!

ゲームではゾンビゲームとかやった事はあるけど、実際、目の前で髑髏が動いてるのをみると……操り人形みたいだな。



「ちょっと!カロリーさん!プリンち………!!」

「待ちやがれぇ!!このオカマライオン!!!」

「いやぁぁぁん!!堪忍やでぇ!!堪忍してやぁぁああん!!!」



まだやってる……。緊張感のない人たちだ。

後、何で関西弁なんだよ……。



「主どの?こんな骨人形に狼狽えるなど……我のつがいとして情けないのじゃ……。」

「いや、だって初めてみるし……普通にホラーだろ……。でも襲われてるのに攻撃が届いてないけど……何で?」

「我には下級魔獣の攻撃や魔法を無効化する力があるのじゃ。ちなみに我の加護のある一族にも効果あっての……だから我の……つがいである主どのにも同様の加護が現れていると言う事じゃ。(ポッ)」



マナはモジモジしながら顔を赤らめてチラチラと俺を見る。

幼女がモジモジしているのは可愛いけども……まだつがいになった覚えはないぞ。

恐らく俺がマナをテイムした事によってマナの加護が俺にも得られたと言う事なのだろう。

しかし……成る程な。

最初にマナの一族の狼達に放った魔法が弾かれた様に見えたのは、それの影響だったのか。

きっと俺の魔法がマナの加護の結界よりも低位の魔法だった為に弾かれたのかもしれない。

しかし、これどうすればいいんだ?

新年明けましておめでとうございます。

本年も細々ながら更新して行きたいと思いますので、読者の皆さま、今年もお付き合い頂ければ幸いです!よろしくお願いいたします!!

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