第94話 光
「パンツ君は6属性の魔法全てが使えるんだぜ。」
「うっそぉぉおおおおおおん!!!それすっごぉぉおいいいじゃなぁぁあいいい!!!」
プリンちゃんが驚愕の声を上げてクネクネしている。
俺が希少な光魔法を使える事と全属性の魔法が使える事をサラッと暴露するカロリーさん。
しかし……
「カロリーさん、俺、カロリーさんにそんな話しましたっけ?」
「………。」
「カロリーさん?」
「……………。」
俺は前に座っている筈のカロリーさんに問いかけるが……。
「さ~て、まだ着かないのかなぁ~?ヒューヒュー(口笛)」
カロリーさん。
話題を換えるの下手くそ過ぎだろ。口笛吹けてないし。
「まぁいいじゃないか!そんな些末な事!さ!早く魔石に属性付与するトコ見せてくれよ!ま、真っ暗で視えないけどな!!アッハハハハ!!!」
カロリーさんには聞きたい事があるが、今は先に明かりを確保するのが先決だ。
俺は先程思い描いた強力LEDライトをイメージして魔石に光魔法で魔力を込める。
すると以前、ソフィちゃんの杖に属性付与した時と同じ様に数秒すると耳鳴りが聞えて来たので魔力を込めるのを止める。
「終わりました。」
「え?もう終わったの?早くない?私も何度か付与する所に立ち会った事があるけど……すっごい時間掛かってたよ?」
「ああ、まぁ、はい。そこまで大きくない魔石だったので……。」
そう。
メリッサ村の村長で付与魔法を教えて頂いたアイルとソフィちゃんのお父さんのガガンさん曰く、普通なら魔石に魔法を付与するには最低でも20分以上は掛かるらしいからな。
余り早く終わらせると俺の力が露見してしまう……。
次回からは終わってもいい感じに魔力を注ぎ込んでいる風を装った方がいいかもしれない。
魔石の大きさ云々と言う俺の言い訳が適切なのか分からないが。
「ふぅ~ん……貸して見て。」
俺は真っ暗の中、手探りで前に座っている筈のカロリーさんへ魔石を持っている腕を伸ばす。
ぶにゅん……ぷにゅぷにゅん……………ぷにゅぷにゅもみもみもみもみ
ん?何だこの魔石を握る指先に感じるとっても柔らかぁーくて癒される感触は。
「「…………。」」
「パンツ君?」
「はい?」
「いつまで私のおっぱいを堪能するつもりだい?」
はぁぁああいい!来ましたぁぁぁぁよおぉん!!お久しぶりのラッキースケベタイムですよぉぉおっぉぉおおん!!
やべ、俺までプリンちゃんの口調が移っちまった。
「うわぁぁ!すみません!!て言うかカロリーさん!何で向い合せで座ってるんですか!!」」
「え?だって真っ暗だし前後不覚?って言うの?どーせ見えないんだからどっち向きに座ってもいいじゃん?」
それでいいのか忍。
勝手な忍者のイメージだが、忍と言ったら……闇に生き、闇に紛れて仕事を熟すもんじゃないの?
『忍は特別な修行で夜目が効くので問題ない……』とかさぁ。
「そんな事より、パンツ君。」
「はい?」
「途中から両手で両乳揉んでだよね?」
「えええ!!りょうちちて!!なによぉおぉん!!パンツちゃぁぁん!!言ってくれれば私の好きなだけ揉ましてあげるのににぃぃん!!タマタマ揉ましてあげるわよぉぉん!!」
「おまえ、また羽を毟られたいのか?」
「ひぃぃいいッ!!堪忍やぁぁ!堪忍してやぁぁん!!飛べなくなっちゃうぅぅうん!!!」
プリンちゃん、流石に羽を毟られるのは困るみたいだな。
拒否反応が尋常じゃない。何故か関西弁になってるし。
と言うか……
「カロリーさん、胸を揉まれたのに落ち着き過ぎでしょ!」
「ん~?だってただの肉だぞ?これ。重いし。」
そう、カロリーさんのお胸……非常に豊満だった。
所謂、着痩せするタイプ。
俺のセンサー(両手)で言えば、間違いなくF以上はある筈だ。
元の世界でもそんなに揉ませて頂いた経験はないけどさ……。
カロリーさんが男っぽいので女性だと言う事を忘れそうになってたが……。
見た目もいいしスタイルもいいし黙っていれば男がほっておかないだろう。
「ま、この邪魔(胸)なモノでも男を騙すには役立つけどな(笑)」
話を聞くと、ギルドはモンスター討伐だけではなく、所謂、諜報機関の役割もあるらしい。
冒険者が各地に散らばっている為、自ずと各地域の噂や情報が集まる。
そこで必然的に、そう言った諜報任務もあるらしく、情報を引き出したい対象者に近付く為にそれ(色気)を使う事もあるらしい。
「男なんてこいつ(胸)でイチコロさ!女の武器って奴だな!」
真っ暗なのでこいつ(胸)が見えないのが非常に残念だ。
元いた世界でもハニートラップは国の諜報機関では一般的に使われるらしいからな。
国や企業の要人に近付いて弱みを握り、情報を入手したり、自陣に有利な様に意見や世論を誘導させたり。
そして暗殺も……いやはや、女は怖い……。
と言うか、忍で諜報任務とは職種的に適応力グンバツじゃないの?
べらべら喋りすぎで騒がしすぎな気もするが……。
そんなラッキースケベと女性の怖さを肝に銘じた所で魔石をカロリーさんへ渡す。
「パンツ君。これ(魔石)には照輝の魔法を付与したんだっけ?」
「照輝……かどうかは分かりませんが、取りあえず、明るくなる様にイメージして付与しましたけど……」
「ふ~ん……。」
カロリーさんの声からはこの短時間で光魔法が付与されたのかまだ信じられないといった感じだ。
俺は先程考えていた様に、一方向に強烈に光るLEDライトをイメージして付与した。
そもそもその照輝と言う魔法がどんな魔法なのか見た事ないしな。
「ま、使ってみれば分かる……か。」
カロリーはそう言うと魔石に魔力を込めるとスイッチを押した様に強烈な光が照射された。
「ぎゃぁぁっぁあああああぁんん!!!」
「「ウワッ!怖っ!!」」
魔石が強烈に光り、一瞬、プリンのライオン顔が見えと思った刹那、背に乗る二人を振り落し、目を押さえて地面を転げまわる。
「目がMEGAぁぁぁぁあぁぁぁぁぁああああああ!!!」
夜目が効くプリンちゃんは不意打ちにも近い形で光を真面に食らったらしく、一時的にめくらましの状態になったらしい。
振り落とされた俺とカロリーさんは何事もなく無事着地したが、暗闇にいきなり牙を剥いているライオン顔が出現すると心臓に悪いわ。
慣れている筈のカロリーさんまでビビッてたし(笑)
「すげぇなこれ!!パンツ君!ここまで強烈な照輝が付与されたアイテム見た事ないよ!!」
カロリーは光が照射される魔石を持ち、森の周囲をあちこち照らして遊んでいる。
「「「「「ギャン!!ギャン」」」」」
プリンと同じく夜目が効く狼達もめくらましの状態になり次々を転げまわる。
「ちょっ!カロリーさん!!人?に向けないで下さい!!」
「え?あぁごめんごめん。しかし……凄いなこれ。魔力をほんの少ししか流していないのにこの光量とはね‥…。普通の照輝が付与されたカンテラはぼんやり光る程度なのに。」
Oh…………また無意識に「俺、何かやっちゃいました?」状態だ。
それにしても、カロリーさんが無闇やたらに照射した為、夜目が効く連中は目を抑えて一様に呻いている。
「んんもももぉ!こんのバカぁぁああん!!何でいきなり私の顔に浴びせるのよおぉぉおおおん!!!」
「おまえも何でこっち振り返ってんだよ!」
「だってやっぱり気になるじゃなぁぁぁいい!!パンツちゃんの大事な所ぉぉおおん!!!!」
プリンちゃんはまだ目にダメージがあるのか、目を開けられずに涙を流しながら抗議の声を上げる。
プリンちゃんの言う『大事な所』って所に若干引っかかるが、恐らく俺が属性付与する大事な所を見たかったらしい。
……大事な所ってその事だよな?
俺自身の大事な所の事じゃないよね?




