第82話 準備
連載を始めて1年経過しました。
お読み頂いている読者の皆様、ありがとう御座います!
まだまだ思い描いている話には程遠いですが、今後ともよろしくお願いします!!
「おう!任せとけ!!俺に解決出来ない事件はねぇ!!じっちゃんの名に懸けて!!」
「あんたにじっちゃんなんていないでしょぉん!!」
「あ、そうだっけ?あははは!まぁ絶対見つけて来るからさ!安心しな!!」
「カロリー。あんた、相変わらず根拠のない自信だけは昔から変わらないわねぇん。」
「大概の事は解決して来てるしな!!自信しかねぇ!!」
「ま、確かにそうだけどさ。でもやっぱり心配だわぁん。あたしもついていこうかしらぁん!」
「何だよ!信用できないの!?」
「あんたに任せると余計なトラブルが起きるから嫌なのよぉん!!」
「え~?そうだっけぇ?」
やはりこの二人、過去に何かあったのか。
少し気になるし……ダメ元で聞いてみるか?
「あの……差支えなければなんですが……お二人は一体、どういった御関係なんでしょうか……?」
「ん?このオカマライオンとの関係?こいつとは昔、パーティを組んでたんだ事があるんだyo!」
「ふん!私も若かったからね。まだ人を見る目が無かったのよぉん!!」
成る程。そう言う事だったのか。
話を聞いていると、なんとプリンちゃん。ギルドでのランクは「尖晶石級」でここのギルマスのレト、副ギルマスのリッターさん(金緑石級)よりも一つ上のランクだったらしい。
だが4年前にすっぱり冒険者を引退し、ランクも返上して運送業に転職したとの事。
しかし、そんな上のギルドランクだった筈のプリンちゃんを小馬鹿にからかっているカロリーさんのギルドランクは三つも下の金級なんだよなぁ。
カロリーさんに対するギルマス達の挙動不審さもおかしかったのだが……冒険者の中では、俺のまだ知らないランク以外の力関係でもあるのか?
「ヨシ!!じゃぁ、パンツ君!最後に確認された『コロンジュ村』に行ってみようか!!」
「そう……ですね‥…。って今から!?」
「うん!!」
「あの、そのコロンジュ村までどれぐらい掛かるんですか?」
「ん~と、馬車なら1週間ぐらい?」
「えぇ!!そんなに!?俺、王都にもいかないと行けないんですけど!
「あぁ~そうらしいねぇ~。」
「え?カロリーさん。何で俺が王都に行く事を知ってるんですか?」
「え?あ、あぁあ~レトの奴が言ってたんだよ!鑑定されるとか何とかってさ!」
「まぁ、そうなんですけど……。」
「コロンジュ村に行くなら私が乗せて行ってもいいわよぉん?1日で着くから!」
え、凄いなプリンちゃん。
しかしこのまま移動するのは躊躇われる。
アイル達に一言伝えたいな。
と言うか、出来れば明日とかに出来ないかなぁ……。
「あの、カロリーさん?明日移動って事には出来ませんよね?」
「ふ~ん。パンツ君て行方不明の子がどうなってもいいの~?1秒でも早く見つけてあげたいって言う依頼者の心情を考えるとそれはねぇ~……ないんじゃな~い?」
うぐッ……正論過ぎる。
ぐうの音もでねぇ……。
しかしアイル達に何も言わないまま留守にすると心配をかけてしまう……。
せめて一言だけでも……。
「わ、分かりました。でも少しお時間を頂けないですか?1時間、いや30分程で準備しますので。」
「準備?旅の準備って事?私が用意してるから大丈夫だよ?」
「いえ、私、実はある家に居候しているので、勝手に留守にすると心配させてしまうので、一言伝えておこうかと。」
「あ~、宿屋で一緒にいた子達とソフィちゃん?成る程!了解!!言っておいで!!ソフィちゃんも連れて来てね!!じゃぁ……1時間後にここで!!」
俺はカロリーさんに許可を得ると、直ぐに外に飛び出して、通りの物陰に隠れて空間移動でメリッサ村のガガンさんの家に移動する。
「ソフィちゃんを連れて来て」と言う要望は聞こえなかった事にして無視しよう。うん。
……………
………………………
メリッサ村ガガンの家
「さぁ~て、そろそろ出勤しようかのぉ~。」
「はい。行ってらっしゃい。」
「………アイル達もおらんし……のう久しぶりにお出かけのチちゅーしよ?ね?」
「もう、甘えん坊さんなんだから。仕方ないわねぇ。」
…………
「ガガンさん!!」
「「ん~……チュッ」」
あれ?俺、何でガガンさんとコフィさんに挟まれて両頬にちゅーされてんの?
「「「んぎゃぁぁぁあああああ」」」
3人同時絶叫する。
丁度、お二人がちゅーする場面で俺が二人の真ん中に空間移動で出て来てしまったらしい。仲がよろしい事で羨ましいですな。
「ガガンさん、すみません。急に指名依頼が入ってしまって、1日から1週間程、留守にするかもしれません。」
「ほぉ。もう指名依頼か。凄いのぉパンツ君。何の依頼なんじゃ?」
「グリフォンの捜索依頼です。」
「グリフォンか……。何かめぼしい手掛かりはあるんかいのぉ?」
「いえ……。まだ何もありません。」
「ふむ。ワシも冒険者をしておった時にもグリフォンが行方不明になった事があったのぉ。グリフォンの素材は高くで売れるしのぉ。」
そう。カロリーさんも嘴や羽など高く売れると言っていたな。
「しかしグリフォンは最低でもランクCに分類される程の魔獣じゃ。おいそれとやられる連中じゃない。
しかし………操獣者ならあるいは可能かもしれん。」
「操獣者ですか?」
「そうじゃ。その名の通り、魔獣を手懐ける事を職業とする連中じゃ。そいつらなら可能かもしれん。」
魔獣を手懐ける………カロリーさんが猫じゃらしでプリンちゃんを手玉にした様を思い出す。
…………あんな感じかな?
「その操獣者ならランクC魔獣のグリフォンを手名懐けて誘拐する事も可能と言う事ですか……。」
「過去の誘拐事件ではそいつらの仕業じゃったなぁ。」
「ありがとう御座います。参考にさせて頂きます!」
「しかし指名依頼とはなぁ。パンツ君一人で依頼を受けるのか?」
「いえ、私一人ではなく、もう一人の金級冒険者と組む予定です。」
「金級?……少し役不足な気がするが……パンツ君がおれば大丈夫と判断したのかのぉ?」
ギルマスのレトには既に俺が素手でランクC魔獣のウェアウルフを撃退した事は知られてしまっている……。がガンさんが推測する通りなのだろうか?
「パンツ君。君が如何に規格外の力を持っているとは言え、油断はするなよ?」
「はい。肝に命じておきます。あと、申し訳ないのですがアイル達にも数日空ける事を伝えておいて頂けないでしょうか。」
「私から伝えておくわね。」
「ありがとう御座います。コフィさん。」
「でもあの二人、急にパンツ君が居なくなって寂しがるでしょうねぇ。」
「寂しがると言うより、悔しがるんじゃないかのぉ?」
「アイル達が悔しがる?」
「そうじゃ。自分達もまだ指名依頼を受けた事がないのに、パンツ君だけが指名依頼を受ける訳じゃしのぉ。ガッハハハ!」
そーいう事でいちゃもん付けられたらイヤだなぁ……。
ご機嫌取りの為にお土産買っていこう。うんそうしよう。
俺はガガンさんご夫妻に挨拶をして、再びルク・スエルのグリフォン便へ移動した。
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