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第81話 聞き込み開始2


「あら!あなた!早速来てくれたの~ん?うれしいわ~ん!!」



オカマグリフォンは俺を見つけるとデカいライオン顔を近づけて来て頬ずりしてくる。

クッ!

もふもふで気持ちいいのが悔しいッ!!!



「相変わらずキモいなぁ!オカマライオン!!」

「オカマライオンじゃなくて、オカマグリフォンよ!!間違えないで!って、オカマじゃないわよ!!……!?って誰かと思ったら……あんたか……。何しに来たの?」



カロリーさんが話しかけると、オカマグリフォンの『プリンちゃん』は意外にもあっさりカロリーさんの存在を受け入れる。

この二人、顔馴染みなのか?



「いやー久しぶりに話でもしようと思ってさー!」

「あんたと何を話す事があんのよ。」



オカマグリ……プリンちゃん。

カロリーさんの事、随分と邪見に扱うな。

過去に何かあったのか?



「まーまー、そう言うなよー。御宅がギルドに出してる捜索願いについて何だけどさ?」

「……!?え~!!あんたが担当すんのぉ~!?いやだぁ~ん!!変わって貰ってよ~ん!!」

「わりぃな!王都ギルドとこっちのギルマスからの直々のお願いでさ!」

「うそぉお~ん!?」



プリンちゃんはカロリーさんが依頼を受ける事に拒絶反応を見せる。



「だからぁ、依頼内容を詳しく話を聞かせてもらえないっかなぁ~?と思って態々来てあげたんだよ!」

「そんなのギルド調査隊の連中に話たわよぉ!!しかもこっちと王都の調査隊に2回も!何でまたあんたに話さないといけないのぉ~!?」

「まぁまぁ、いいじゃない。どうせ暇だろ?」

「暇じゃないわよ!!んもぉ~失礼しちゃう!!」



1人が行方不明となり欠員が出てしまっている為、プリンちゃん自身も現場に入っているらしい。

それに伴い、受付を任せられる要員が不足気味で売上も落ちているとの事。



「私もついさっきプリンタイ帝国からの配達済ませて帰って来たばかりなのよぉ!?そして一服しようとしたらあんた達が私の高級茶葉を勝手に……」



プリンちゃんは鋭い牙を剥き、今にも襲い掛からんばかりの威圧感でワナワナと怒りに震えている。

ギガパイさん(ギガントパイソン)より怖い!!!ヒィっ!!!



「ったく。しゃーねーなー。ほらこれやるから落ち着けよ。」

「!?」



カロリーさんはそう言うと、収納袋ストレージバッグからある物を取り出す。

先端付近にフサフサした物が付いている棒を取り出し、牙を剥いているプリンちゃんの目の前でファサファサしだす。

………。



「ほーら、ほほーら。もう遊びたくて仕方がないんじゃない?ん?ほれほれ~。」

「ば、バカにしないでよぉん!そ、そんなおもちゃで……このわ、わたしが……釣られるとでも……んん!ンッ!」



これ、完全に猫じゃらしだね。

強気な発言と裏腹に、カロリーさんが振る猫じゃらしを薄目を開けながらちらちらと追いかけるプリンちゃん。

ときより自らを律する様に気合を入れているが……。



「ほーれ。ほーれ。これねー。手に入れるの苦労したんだよー?この先端の毛はねぇ、高級マタタビ付なんだぁ……しかも数量限定!!もう手に入らないかもなー。あーあ。いらないんだー。」



プリンちゃんは落ち着きなくソワソワしている。

こりゃ時間の問題だな。



「……んん!ンッ!駄目…………もうだめぇ!!んもぉぉおおおお我慢できにゃぁぁぁい!!」



あ、堕ちた。堕ちるの早っ。



「にゃにゃにゃにゃなにゃぁー!!!がおッにゃにゃにゃ!!!!」



プリンちゃんは喜悦の声を上げながら偶にライオンっぽい声を交えて、カロリーさんがファサファサする先端の毛先を一心不乱に追いかけ始める。

完全に陥落してしまった。

ちょろいな。

しかし『我慢できにゃぁぁぁい』って猫かよ。


まぁライオンは猫科ではあるけども……そもそもグリフォンて種族は鳥じゃないの?

それに語尾の『にゃ』はカワイイ女の子の亜人種がキャラ付けの為に使うもんだろ。

何でこの普通のライオンに羽が生えてるオカマライオンが使うんだよ……。

まぁ、これはこれでカワイイんだけど……。



「ほれほれほれほれー(笑)」

「にゃにゃにゃにゃにゃがおッ!!がうッ!!にゃにゃ…………!!!」



カロリーさんが高速で猫じゃらしを振るとそれに合わせて動くプリンちゃん。

動きはええぇ。

カロリーさんもプリンちゃんも残像が残る程の速さで事務所の中を動き回る。


二人がじゃれ合っているのを見ながらそんな事をぼんやりと考えていると事務所と倉庫を繋いでいるドアが開き、頭部が鳥の所謂、本物のグリフォンさんが事務所に入って来た。

プリンちゃんも本物のグリフォンではあるんだけど、プリンちゃんはどちらかと言うとキメラ寄りなんだよなぁ。

グリフォンの突然変異ユニーク種らしいけど。



「所長……何やってんすか。」

「にゃにゃにゃにゃな…………にゃ、にゃに?」



カロリーさんに弄ばれている所に部下が入って来た為、プリンちゃんは、猫じゃらしに手を伸ばしたまま固まってしまった。



「所長が一服してくるーって事務所に戻ってから中々帰って来ないから様子を見に来たんス。そしたら遊んでるじゃないスカ。何やってんスカ!」

「こ!これは遊んでいる訳じゃにゃいのにゃ!!」



完全に語尾が猫だ。オカマキャラ崩壊してるぞ。

マタタビの効果で猫科の本能を呼び覚ましてしまったか?



「あっはははは!怒られてやんの~(笑)」



その様子を見てカロリーさんが愉快そうに茶化す。



「あんたがイケないんでしょぉ~ん!!全く!!相変わらずいけ好かない子ねぇん!!」

「そう言うなってぇ。ほら、これあげるからぁ。ほれほれほれほれー(笑)」

「にゃ……にゃにゃにゃにゃ!!……ってにゃめ(止め)にゃさい!!」



再び猫じゃらしをファサファサ揺らしだしたカロリーさんに辛うじてツッコみを入れ、部下のグリフォンに醜態を晒す事は避けられた様だ。

まぁ既に見られていて手遅れなんだけど。


落ち着いた所で、改めて話を聞くが、事前にギルマス達から聞いていた内容以上の情報は特になく、自ら失踪する理由も無かったとの事だ。

と、言う事は、一番懸念していた最悪の展開も考えられる。

そして行方不明当日の足取り……羽取りは、通常通り、朝から王都、つまり『オースフィギス王国』へ向かい、途中の中継点の村、『コロンジュ村』に寄った所までは確認出来ているらしいが、それ以降、パッタリと行方が分からなくなってしまった。



「なぁ!!絶対見つけてくれッスぅ!!『カン』の奴は俺の弟なんスぅ!!」

「キュウちゃん……落ち着つくのよぉん。こいつ、行動はめちゃくちゃだけど、腕はいい冒険者だから……。」



『キュウちゃん』と呼ばれたノーマルグリフォンが涙を流しながら羽をバサつかせてている。

どうやら『カン』と言うのは、このキュウちゃんの弟さん、つまり行方不明のグリフォンの名前らしい。

そして取り乱しているキュウちゃんを優しく諫めるオカマライ……プリンちゃん。

上司らしく落ち着いているが、プリンちゃんも目には涙が浮かんでいる

そしてこいつ呼ばわりされたカロリーさんはと言うと……



「おう!任せとけ!!私に解決出来ない事件はねぇ!!じっちゃんの名に懸けて!!」

「あんたにじっちゃんなんていないでしょぉん!!」

「あ、そうだっけ?あははは!まぁ絶対見つけて来るからさ!安心しな!!オカマライオン!!」

「ライオンじゃないって言ってるでしょぉ~ん!!んもぉ!失礼しちゃう!!」



カロリーさんは自信満々の顔でプリンちゃんに言葉をかけるが、プリンちゃんはライオンと間違われている事にご立腹で抗議の声を上げていたが……


もうライオンでもグリフォンでもどっちでもいいよ。

俺は二人のやりとりを見つつ細い目をしながら内心そう思ったのだった。




※貴重な時間を使いお読み頂きましてありがとう御座います!

またブクマ登録して頂いている皆様、感謝です!!

カロリーとオカマ…プリンちゃんとの関係性は!?

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