表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/116

第80話 聞き込み開始1

「ヨシ!!早速行こう!!善は急げだ!!」

「え!?どこに!!」

「勿論!!……ソフィちゃんのトコ!!」

「は?」



カロリーさんは俺の腕を強引に引っ張り、扉に向かおうとする。

グリフォンの行方不明捜索の指名依頼をカロリーさんから受けたのだが、

依頼内容と関係なくソフィちゃんに会いに行こうとするモノホンの方。

やっぱりやべぇ人だ。


もしグリフォンを捕獲する程の手練れだった場合、ソフィちゃんにも危険が及ぶ可能性が高い。

襲われた時には、俺のチート能力でどうにかなるかもしれないが、俺自身もまだ力を全て把握している訳じゃないし、もし襲撃者を撃退したとしても、人外の能力を帯同しているこのカロリーさんにバレてしまう。

ソフィちゃんは連れて行かないし、力も極力人前では使わないぞ!!

俺は掴まれた腕を振りほどく。



「ソフィちゃんは連れて行きませんよ。」

「え!?何でよ!!」

「何でって、もしランクCクラスのグリフォンを捕まえる連中と戦闘になったらソフィちゃんが危ないからです!」

「私が守るから大丈夫!!」

「あなた金級ゴールド冒険者でしょ!?守り切れる訳ないじゃないですか!!ランクC魔獣て、ギルマス(金緑石級クリソベリル)達でも倒すのに苦労する強さですよ!?そんなのが相手になった場合、対処出来ないですよ!ギルマス達も一緒に行くんですよね?」

「………いや、俺達は行かないぞ。」



え?何で?

俺から目線を逸らしてそっぽを向くレトとリッターさん。

何で行かないの?ねぇ。

俺はじーっとギルマス達を見つめ続け、何故同行しないのか返答を求める。



「俺達は、あれだ。ギルド業務で忙しいからな。」

「えぇ……。そうですね。」

「じゃ、じゃあ受けるって事で、後は二人で相談してくれ!じゃ!」



そう言い残して、レトとリッターさんはそそくさと逃げる様に部屋から出て行ってしまった。

半ば強制的にこの指名依頼案件を受ける事になりそうだ……。

ギルマスには色々とお世話になっているし……断るのも悪いけど……。

まぁタダ働きと言う訳でもないし、もう少しカロリーさんと話してみるか。



「それで、カロリーさん。俺はこう言った事は初めてなので、グリフォンの捜索方法とか分からないのですが、どうするつもりですか?」

「そっかぁ。レトの奴から聞いたけど、君はまだギルドに登録してから1ヶ月経ってないんだってね。良し!!私が手取り足取り一から教えてあげるよ!!フフン!」



カロリーさんは胸を張って得意気に鼻を鳴らす。

リッターさんが言っていた事は存外、的を射ていたかもしれない。

現状、アイルやソフィちゃん、ガガンさん達の知識に助けて貰っているのだ。

人の考え方は千差万別だし、こうしてアイル達以外の冒険者と依頼を熟す事で、異なる問題の解決方法や、戦闘方法を見られるかもしれない。

今後の経験に役立つと言っていたが、成る程、そう言う事か。



「それでカロリーさん。手始めにどうしますか?」

「まずは当然、依頼者に会いに行って話を詳しく聞く!基本だね!!」



なんか探偵物になって来た。

蝶ネクタイをした眼鏡をかけた子供が現れません様に……。

そうして俺達はギルドを後にして、グリフォン便のある倉庫街へと移動する。



「おーい!邪魔するよー!!オカマライオンいるかー!?」



グリフォン便の扉を乱暴に開けるや、カロリーさんは入口から大声でライオン顔のグリフォンの所長を呼びつける。

オカマライオンてそんな直接的に呼ばなくても……。

一応、種別はライオンじゃなくて、グリフォンだし。

ここの所長のオカマグリフォンさんの名前は……確か『プリンちゃん』て呼んでた筈……。

フルネームは忘れた。



「あり?いねぇ?いつもはソファに寝転がってタバコ吹かして暇そうにしてんだけどなー。あのオカマライオン。ま、いっか!座って待とう!」



するとカロリーさんは勝手に事務所の中にズカズカ入り込み、事務所の御茶菓子を食べ始める。

自由な人だなぁ。



「パンツ君!飲み物入れてくれない?そこら辺に確か紅茶がある筈だから。私冒険者の先輩だし!!ヨロシク!!」



カロリーさん。上下関係に厳しいタイプか?

ギルマス達がビビッてたのも、もしかしてそれが理由?先輩だったりするのか?

俺は指示された場所へ移動すると、ポットと茶葉が入った茶筒を見つけて紅茶を煎れる。

この茶葉、確かに俺の知っている紅茶の匂いがする。


紅茶の知識なんて、アッサムとかアールグレイとかダージリンぐらいしか知らないが、この茶葉……素人の俺にも分かるほどに芳醇な香りで鼻をくすぐる。

これはもしかして、お高い茶葉なのかもしれない……。

しかしこのポット……電源がないのにお湯が沸いているな。

これ……どうなってんだ?これも魔石のアイテムを使ってるのか?



「プァンツん!……むぐぅーん!まだぁー!?喉…tンえうっぐ……詰まる……だよ!?」



俺が茶筒を持って、茶葉の匂いをくんかくんかしながら、ポットをお触りしていると、御菓子を口の中一杯に頬張り過ぎて、喉に詰まったのか、胸をドンドンと苦しそうに叩き呻いているカロリーさんから催促のお言葉を頂く。



「はいはい。分かりましたよ。」



煎れ方は知らんけど、適当でいいか。

俺は茶葉をダイレクトにカップ入れてお湯を注ぎいれる。

するとカップの中があっと言う間に鮮やかな朱色に染まり紅茶特有の香りがカップから溢れ出す。



「はい。どうぞ。」



俺はカロリーさんの前にカップを置くと、一気に飲み………



「むぐぐぐg……う!!!ブブブーっ!!!!」



カロリーさんは紅茶を一気に飲み干すと直ぐに俺の顔面にその紅茶を噴出した。



「この紅茶アッツ!!!」



そりゃお湯で紅茶煎れたんだから熱いのは当然だ。

何を言ってるんだろう。この人。

子供じゃないんだから……とは言っても、俺が元いた世界でも正月シーズンは、餅を喉に詰まらせて亡くなる人もいたな……。


再び俺が紅茶を入れ直してカロリーさんに渡すと、足を組んで満足そうに笑いながら紅茶を啜る。

すると再び『アチッ!』と呻く。



「もぉー私は猫舌なんだから注意してちょーだいよー!」



いや知らんがな。

頬を膨らませてぶーぶー抗議の声を上げるカロリーさん。

ほぼ初対面に近いあなたの趣味嗜好を知っている訳ないだろ……。

俺は『ふぅ…』軽い溜息を付きながら、自分の紅茶を用意して対面に座り紅茶を一口啜る。



「あつっ!!」

「あははははは!だから熱いって言ったじゃん!」



俺が熱さに悶絶すると、嬉しそうに笑うカロリーさん。

確かにアチアチのHOTな紅茶だ。

グリフォンにはこれが適温なのか?


しかし味は悪くない。

いや、むしろ俺の世界で飲んだ紅茶より美味しいかもしれない。

俺のいた世界で飲んだ紅茶なんてコンビニかスーパーで手に入るペットボトル飲料か、Tパックの味しか知らないけどね‥…。

高い茶葉を使い、適正な煎れ方をすればきっともっと美味しくなるのだろう。



「おかわり!!」



俺がそんな事を思っていると、無邪気におかわりを要求してくるカロリーさん。

猫舌じゃなかったのかよ……。

すると事務所の奥の連絡用倉庫の扉が開き、見事なたてがみをユサユサモサモサ震わせて、グリフォン便、ルク・スエル支所所長のオカマライ……グリフォンが事務所に入って来た。



「あら、お客さ…………って!あんた達!何勝手にお茶してんの!!それ、私が大事に飲んでる高級茶葉なのよ~!!んもぉー!!失礼しちゃう!!」



ライオン顔のオカマグリフォンは四足歩行にも関わらず不自然に腰をクネクネしながら近づいてくる。

相変わらず気持ちわ………見事なたてがみだな。


※貴重な時間を使いお読み頂きましてありがとう御座います!

またブクマ登録して頂いている皆様、感謝です!!

パンツさんとモノホンの方との捜査開始です。

真実は一つ!!……かも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ