第63話 属性付与2
俺は先程ガガンさんがアイルの剣に土魔法属性付与をした様にソフィちゃんがリクエストした『泥沼魔法』イメージしながらソフィちゃんの杖に手を翳し光魔法を発動する。
すると5秒程でガガンさんが言っていた通り、耳鳴りの様な『キーン』と言う音がして来た。
どうやらもう魔導石が限界の様だ。
俺は魔力を込めるのを止める。
「パンツ、どうしたの?止めちゃって。何か問題発生?」
俺が直ぐに魔力を注ぐ事を止めた為、アイルが心配そうに声を掛けてくる。
「ん?いや、多分、もう魔導石の限界っぽかったから止めただけだよ。」
「な、なんじゃとぉ!?もう魔力を込め終わったじゃとお!?そんなバカな!!ワシでも20分程かけて魔力を丁寧に練りながら丹精込めて、誠心誠意、アイルの事の幸せを祈り、アイルとの出会いから今まで育てて来た中思い出を思い返しながら涙目になりつつ魔力を込めたんじゃぞ!?」
前半の『魔力を丁寧に練りながら丹精込めて』まではまぁ分かるけど、後半、ガガンさんの気持ちの問題だよね……。
「でも、ガガンさんが仰る様に耳鳴りっぽい感じがしたので……。」
「それが本当なら……パンツ君、君はとんでもない魔法使いじゃ……。」
俺はステータス画面を開き、魔法が正しく付与されたか、杖を鑑定する。
そこには『底無沼魔法属性付与』の一文が記述されていた。
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※魔導石付の魔法杖
・打撃効果+100
・魔力効果+250
・底無沼魔法属性付与
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あれ?ソフィちゃんの言っていた『泥沼魔法』ではないが、いいのかな?
兎も角、初めての魔法属性付与は上手く行った?のか?
俺は杖をソフィちゃんに手渡す。
「お、お兄ちゃん、この魔導石……凄い魔力量だよ……こんなに魔力を注いで大丈夫?」
ソフィちゃんは心配そうに俺を覗き込む。
心配される程の事なのか?俺としては全く問題ない。
「ムムム……確かに……凄まじい魔力量を内包しておるな。パンツ君、お主、属性付与するだけで食っていけるのぉ。カッカッカッカ!」
「でも、まだ試してみないと正しく属性付与されているか分からないですよ?」
「そうじゃな。明日、明るくなってからでも手頃なモンスター相手に試してみるがええ。さて、飯にするぞい。」
晩御飯の前に魔法効果を付与する事について俺は聞いてみたい事がある。
「ガガンさん、魔導石に複数の魔法効果を付与したり出来るんですか?」
「複数の魔法効果?基本は魔石1個に魔法効果1つを設定するのがやっとじゃよ。1度の属性を付与するだけで製造者の魔力をごっそり持って行かれるからのぉ。
実際、ワシは久しぶり付与したが、さっきの1回だけで、魔力の8割は持って行かれたわい。
今回はパンツ君がおったから2回に分けたんじゃが……しかし、伝説の武具は複数の魔法効果を持つ武器や防具もあったらしいのぉ。」
「私も聞いた事あるー!王都に保管されてる奴でしょー?」
「流石、ソフィじゃな。知っておったか。
そう。王都に伝説の剣『4枚薔薇の剣』があるのぉ。噂では第3位階の魔法が使えるらしいぞ?しかも4属性の魔法が付与されておるらしい。」
「え!?そんなに凄いの!?」
アイルは知らなかったのか驚愕の声をあげる。
確かにこの世界では、第3位階の魔法を使用出来るだけで一流と言われている。
しかも何の属性かは知らないが、4属性の魔法が無詠唱で使用出来る武器なんて宝剣認定されるのも仕方ないだろう。
「まさか、パンツ君、複数の魔法効果を魔導石に込めようとしておるのか?」
「出来ないか聞いただけですよ。でも可能なら……やってみても面白いかなと思ったので……。」
「そんな事、考えもしなかったのぉ。ワシらの様な普通の製造者(ビルダー
)は、魔石、魔導石には1個しか付与出来ないと言う固定概念があったしの。しかし、パンツ君の魔力量なら可能かもしれんな。」
「あと、もう一つ。属性付与って後から上書きとか削除とか出来るんでしょうか?」
「どちらも可能じゃよ。ただし、削除する為には、既に付与されている魔力よりも高い魔力が必要になるがな。
しかし魔力を込めすぎると魔石が割れてしまい使い物にならなくなるから注意が必要じゃ。そこを見極めるのも製造者の腕じゃな。」
成る程、魔石、魔導石への効果を上書き変更する事も出来るのか。
効果を複数設定できるかは後ほど、試してみよう。
光る魔石についても尋ねた結果、こちらは光魔法第2位階魔法の照輝と魔石があれば付与出来るらしい。
当然、ガガンさんの家の光る魔石は全てガガンさんが付与したとの事。
俺も自分で付与した方が安上がりだな。
魔石を見つけたらこれも試してみるか。
そう思っていると、ソフィちゃんが突然扉に向けて走り出した所をアイルが逃さず襟首掴む。
ソフィちゃんは属性付与された杖の効果を直ぐにでも使いたがって村の外に出ようとした様だが、流石アイル様。
ソフィちゃんの性格を熟知しているのか、こうなる事を予測していた様だ。
もう外は真っ暗だし1人で出歩くのは危険なので仕方がない。
アイルに襟首を持ち上げられてシュンと長い耳も垂れ下がっている。
「夕食の準備が出来たわよぉ~!」
ソフィちゃんがアイルに諫められている所にコフィさんがガガンさんの書斎の扉を開けて皆を呼びに来た。
明日は属性付与の効果確認会だ!!
………。
翌朝
「お兄ちゃぁ~ん!おきてぇぇえ!!早くぅう!!」
ユッサユッサユッサユッサ………
ん、何だ……朝っぱらから俺の眠りを……サマタゲール輩は……。
俺は眠いんだ……。
俺は布団を頭までかぶりなおす。
ユッサユッサユッサユッサ………
ユッサユッサユッサユッサ………
ユッサユッサユッサユッサ………
な、何なんだ。
この一定間隔で俺を揺するコピペは……。
「もぉおおお~!起きろろぉおぉぉおお!!」
甲高い声が辺りに響き渡ると、俺の布団の上にドスンと何かが落ちて来た。
「グエッ!!おもぉぅぅぅういいい!!」
俺は咄嗟にそれをはねのける。
「わわぁあわわあわァァッ!」
え?悲鳴が聞こえたぞ?
布団から顔を出し、声がした方を確認するとそこにはパンツ丸出しのソフィちゃんが倒れていた。
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