第43話 仰天
報告会と言う宴会の翌朝……。
本日、ガガン村長も休みらしく、家族団らんで朝食を皆でとっている所、
アイルが深刻そうにガガン村長と奥さんのコフィさんに口を開く。
「お父さん、お母さん……実はね……少し話があるんだけど……。」
「ん?どうしたんだ?また改まって……。」
突然、アイルが俯き気味に話始めた為にガガンさんも訝しげに聞き返す。
「じ、実はね……」
アイルがモジモジしながら俺をチラチラ見ながら言い淀んでいる。
どうした。ご両親に調査隊の相談をするんだろ?
「あ、あのね………じ、実は、ぱ、パンツと……」
「なぁあああにぃぃいい!!!まだ早いぞぉおお!!儂は認めん!!認めんぞぉぉおおぉお!!!まだ出会ってひと月も経っていないじゃろうがぁぁ!!」
「えぇ!何で!!まだ何も言ってな‥…」
「みなまで言うな!……っく……まさか……こんなに早く……うっ……。」
ど、どうしたんだガガンさん……大声出したと思ったら今度は泣き出したぞ……。
「お、お父さん!それでも私は……」
「だめじゃぁああぁあ!!」
「お父さん……アイルが自分で決めた事なんですから……。パンツさん……うちの娘を……よろしくお願いします……。」
……何か話がかみ合っていない気がする……。
「ほら…お父さんも挨拶しないと……。」
「ング……グヌヌヌウ」
ガガンさんは涙を流しながら悔しそうに俺をキッとみる。
「アイルを泣かす様な真似はするなよ!!それが誓えないなら結婚は認め~ぇん!!!!」
「「けけっけけけ、けっこぉん!?」」
やっぱり!!
ベタな勘違いしすぎ!!!
「お、おととおととと、お父さん!!何言ってるの!!違うよぉ!!」
アイルは顔を真っ赤にして否定する。
ソフィちゃんはコフィさんの隣でポカーンとしている。
「なんじゃ……違うのか……。アイルが深刻な表情をしてるからてっきりそうじゃと……。」
「何であたしが深刻な表情をしてるとパンツと結婚する事になるんだよぉ!そうじゃなくて!冒険者稼業についての話!!」
「なぁ~んだ……そうならそうと早く言いなさい!」
「「何で逆ギレ!?」」
ガガンさんにアイルと俺で同時にツッコミを入れた後、改めて話を再開する。
「実はね、私達3人、ギルマスから調査隊で働かないかって誘われたの。」
「ほぉ!いいじゃないか!!調査隊と言えばギルドの中でも実力が認められた者しか就けない仕事だろ?」
「ま、まぁそうなんだけど……。」
「なんだ?嬉しくないのか?」
「調査隊に所属すると……村を出ないと行けなくなるから……。」
「「…………。」」
ガガンさんとコフィさんはそれを聞くと二人とも沈黙してしまう。
「お父さんとお母さんと離れるのは凄く寂しい……。」
「アイル。ソフィ。お前たちの人生だ。やりたい事をやりなさい。母さんはそうしてくれた方が嬉しいわ。」
「お母さん……。」
「それに、ルク・スエルなら直ぐに会いに行けるし。ねぇ?お父さん?」
「……儂も一緒に付いて行っちゃおうかな。」
「ほらお父さんも私と同じきもち……って、え?あれお父さん?ここは快く応援して子供達の成長を喜び送り出してやる場面でしょ!?」
「え?そうなの?儂も付いて行っていい?」
「駄目に決まってるでしょ!付いて行ってどうするの!」
「儂も冒険者に復帰してアイル達と冒険するんじゃぁ~!!」
「アイル達は調査隊だから冒険はしませんよ。冒険したいならお父さん1人でして下さいね。後、村長の仕事もあるんだから掛け持ち出来るなら勝手にして下さいな。」
「嫌じゃあ嫌じゃあ!もう村長の仕事は疲れたぁ~ん!!副村長に任せればええじゃろ~!」
ガガン村長……がジタバタ駄々をこねている…。
村長としての威厳が……。
「のぉ!?パンツ君もそう思うじゃろ!?儂も付いて行くんじゃぁ~!」
No!?何で俺に振る!?。
その後、コフィさんが駄々をこねるガガンさんを宥めると少し落ち着きを取り戻したそんちょ。
「そうじゃな……寂しくなるが、おまえ達を気持ちよく送り出してやるのも親の務めかのぉ……。頑張るんじゃぞ!!でも偶には帰って来るんじゃぞ!?絶対じゃぞ!!」
「もう分かってるよ。お父さん。有難う!」
ガガンさんは涙を流しながらアイルとソフィに抱き着いている。
どうやら無事に許可が降りた様だ。
おっとそうだ。序にガガンさんに頂いた剣を返しておこう。
こんな高価そうな剣を俺が持っていても仕方ない。
「ガガンさん、この剣、お返しします。」
「うわぁ~ん……絶対帰って来るんじゃ……(キリッ)……どうしてじゃ?気に入らんかったのぉ?」
泣いていた村長がいきなり真面目な顔に戻りそう答える。
「いえ、気に入る入らないと言う訳ではなく……この剣にはドラゴンの魔導石が使われているんですよね?」
「うむ。そうじゃ。」
「こんな高価な剣をタダで頂く訳にはいきません。」
「高価?その剣、高価だったの?」
アイルが話に割り込んで来る。
「あぁ。カバールさんに聞いたけど、ドラゴンの魔導石を使っている武器類は最低でも白金貨100枚はくだらないらしいって聞いたぞ?」
「………えええぇえ!!そんな高い剣だったの!?私、偶にそれで面白半分で薪とか割っちゃってたよ~!!!」
「ええんじゃよ。別に。飾ってあっただけの代物になっておったからのぉ。」
「ちなみ、この剣、どうやって手に入れたんですか?冒険者時代に購入したのですか?」
俺は入手先について聞いてみる。
もしかしたら光魔法使いについて少しでも情報が手に入るかもしれない。
「…………この剣はのぉ。」
「この剣はのぉ?」
………。
……………。
…………………。
「儂が作ったんじゃ!テヘペロ!」
「「「ええぇぇぇえっ!?」」」
俺とアイル、ソフィちゃん3人同時に驚愕した。
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