第110話 救出4
「ヒャッハーァァァアァ!!!」
ザザンッ!!!
「?」
突然、ピンクモヒカンスケルトンが俺に両手を翳して掛け声を発すると、突風が俺を襲ったが特に何も感じ……無かったのだが、カロリーさんが俺を見て噴き出した。
カロリーさんに「はい」と言って渡された手鏡にはモヒカンカットにされた俺がいた。
「ちょ、ちょおぉぉぉおおおお!?何してんのぉぉおおお?」
「え?何かさぁ、あんたオレと出会ってからずーーっと俺のイケてる頭をチラチラ見てたからさぁ、真似したいのかなぁ~と思ってやったげたよぉぉお!!」
ウィンクしながら親指を立ててサムズアップする骨。
うん、南無しよう。
「ひぃぃいいいい!!!な、何!?この人間!?マーナガルム様より強烈でとんでもない魔力込め始めてるんですけでOh!!!!バヤっ!!!バヤじゃぁぁぁん!!!(ヤバい)」
「主よ。気に入らなかったのか?仕方ないのぉ。生え揃うまで少しの間、これで辛抱しておくのじゃ。ほれ。」
「グフッ!!………だハハハハハはっはっははッはは!!!!」
マナはモヒカン頭となり剃り込まれお寒くなった部分に自分の銀髪の抜け毛をファサりと置くと、カロリーは我慢出来ずにまた噴き出して大笑いする。
真ん中が黒髪のモヒカンで両サイドに銀髪が少し乗った状態。何か卑猥に見えてない?大丈夫?
マナには悪気はない………ピンクモヒカンスケルトンにも悪気はない。
俺がピンクモヒカンスケルトンのモヒカン頭をチラチラ見てしまっていたのがいけないのだ……。
「おぉぉおおおおお!!!!神獣様の抜け毛ぇぇええええ!!!」
「おい!骨!!勝手に取るでない!!!」
「でもぉぉでもぉぉおおお!!!夢にまで見た神獣様のお毛けぇぇぇ!!!研究しがいのある素材ぃぃいいい!!!」
「おい!戻せ!!」
「ダッハハハハハハハアハハハハハハハハ!!!!」
マナと骨が俺の頭部で抜け毛を置いたり取ったりを繰り返す。
それをみてまた笑い転げるカロリー。
……………
…………………………
「てめえらぁぁぁあぁあ!!!まとめて消毒してやろぉぉおぉかぁぁぁああ!!!!」
俺はマナとピンクモヒカンスケルトンの頭にゲンコツを落とすと地面に頭だけ残して身体は地面に埋まってしまう。
「……常に防御結界を張っている俺にゲンコツ食らわすなんて……おめぇ!!ただモノじゃねぇなぁあ!!おらワクワクすっぞぉ!!」
骨が何か言ってる。
そのフレーズはもう使い古されてんだよ。全く。
それに頭だけ出ている状態の髑髏が喋るな。気持ち悪いだろ。
「色々と研究させてくれぇぇえいい!!!」
「研究て何をするんだよ。」
「それは決まってるでしょ!!とりま、検体を出してぇ!」
「検体?」
「すぅうぅぉおおお!!血液とか皮膚とか内臓とか!!」
「おまえ……今度は頭粉々にカチ割るぞ?それにそんな事したら痛いじゃないか。そもそも内臓なんか取り出したら死んでしまうだろ!」
「…………んじゃぁぁ……痛くないのならいいの?」
「そういう事じゃ……」
「しょーがないなぁー!俺も乗り気じゃないけど、おてんてんを元気にして精………」
ボゴォ!!
「んなこったろうと思ったわ。」
俺は残っていた頭に更にゲンコツを食らわすとピンクモヒカンスケルトンの頭も埋まり何故か両腕だけ残して完全に埋まってしまった。
何で埋まっていた筈の両腕が出てきてるんだよ……。こいつ完全にギャグキャラじゃねーか。
骨に精子を採取されるとかどんな拷問だよ。
……いや……ここは異世界……。
もしかしたらそんな拗らせた性癖をお持ちの方もいるかもしれないな……。
俺がそんな事を思っていると、骨の出ている腕がカタカタと動いたかと思うと肘から上の関節が取れて埋まっている頭部を掘り出し始めた。
「ぷはぁー!!!死ぬかと思ったぁあぁああ!!!」
「死ぬも何も、おまえはとっくに死んでおるじゃろうが。」
「はは(笑)流石神獣様!ナイスツッコミですぅぅうう!!
同じくいまだに顔だけ出ているマナにツッコまれると嬉しそうにカタカタと笑う骨。
何なんだこいつら……。
「そんな事より!!」
ピンクモヒカンスケルトンが叫ぶ。
「……マナ様は、何故その様なお姿に?今も十分お美しいですが、やはりマーナガルム様と言えば、あの神々しく光輝く白銀の毛並みでは……」
ピンクモヒカンスケルトンが、獣耳、尻尾をぶんぶんしていた姿のマナに疑問を口にするとマナが答える。
ちなみに俺はモヒカンのままだ。普通こう言うのって次の場面で元に戻ってるものじゃないの?
何でこんな事に……。
「それはお主には関係ない事じゃ。詮索するでない。」
「はい!!ごめんさぁぁっぁあぁいいいい!!!」
「主に好かれる為に人化したなど言える筈がないじゃろう……(伝話)」
「マナ……。無意識なのか知らんけど、伝話で伝わってるぞ。」
「な!?////何で勝手に伝話をしてるのじゃーー!!!」
ボゴォ!!
///(ポカポカポカポカ…)」
マナは土の中から直ぐに脱出してパンツの胸をポカポカと叩く。
伝話は相手の事を思い会話を伝達する魔法だ。
マナはパンツを想う余り、自然と伝話がパンツに届いてしまった。
「「にへへへ」」
それをニンマリと笑っている者が二人。
「マナちゃんやっぱりかわぃいいなぁあ!!」
「!?あんたぁ!!マナ様の素晴らしさに気付いているぅぅううう!?」
「当たり前じゃない!!あんなに可愛くてキュートな子、中々いないよ!!」
「だよねぇー!!マナ様最高ぉぉおお!!」
「「マーナちゃーん!!マナさまー!!マーナちゃーん!!マナさまー!!」」
急に意気投合してるな……あの二人。(カロリーとピンクモヒカンスケルトン)
二人とも異なる嗜好(カロリー幼子大好き変態、ピンクモヒカンスケルトン魔獣全般大好き変態)の筈なのに……。」
しかもついさっきいきなり斬りかかった加害者と被害者ですよ?
しかし、マナのお陰かピンクモヒカンスケルトンはこちらに対しての敵意はなくなった様なので、本題の話を聞く事が出来そうだな。
「それで、スケルトンさん、ここら辺でグリフォンを見かけませんでしたか?」
「あのさぁ……私はスケルトンじゃないよ!どこをどう言う風に見たらスケルトンに見えるっての!?ったく!」
「スケルトンじゃな。」
「地面に埋まってるスケルトンだよね。」
「ですよね。」
「んもぉぉぉおおぉ!!違うってぇぇぇぇえ!!!」
マナもカロリーさんもスケルトンである事に同意すると、ピンクモヒカンスケルトンは何やら魔法を使用し地面から出てきて地団駄を踏む。
「失礼ですが差し支えなければお名前を伺っても宜しいでしょうか?スケルトンさn……」
「だぁかぁらぁあ!スケルトンじゃないってぇ!!私の名前はぁ、ンゴッ………」
「ンゴ?」
「………ライアよ!ライア!!覚えておいて!!」
「それでスケ……じゃなくてライアさん。空間移動で飛ばされる前にもお尋ねしたのですが、この付近でオカマ……普通のグリフォンを見かけしませんでしたか?」
「………。一つ確認させて欲しいんだけど、そのグリフォンを探し出してどうするの?」
「我々はオカ……じゃなくて、グリフォン便の所長からの依頼で、そこの従業員のグリフォンが行方不明となったので捜索をしているんです。決して討伐しようとかではないんです。」
「グリフォン便?どこかで聞いた事があるよーな……。」
ピンクモヒカンスケルトン改め、『ライア』さんはグリフォン便の存在を知らないとの事なので、かくかくしかじか説明する。
「へぇー。グリフォンが今はそんな事をしてるんだぁ!時代も変わったねぇー。私の時代じゃグリフォンは人間を食う魔獣として畏怖されて、威厳に満ち溢れた魔獣だったのに。」
「まぁ別の意味で食われてはいるみたいですけどね……。プリンちゃんに……(小声)」
「そー言えば“あの子”が積荷がどうたらこうら言ってたよーな。もしかしてぇ……?こっち付いてきて。」
ライアさんに促されるまま俺達は着いて行く。




