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【47】真っ白なうさぎだといいな。

今日は武術大会の開催日。開会の儀が執り行われる。私は認識阻害フードを被った状態で、待ち合わせ場所に着いた。向こうは私が警戒しないよう気を配ったらしい。ミニ映像板は人目のある公園でひょいと渡してもらった。開会の儀の時刻になれば映像板が起動するらしい。私は騎士さま二人に見張られながら、狂病の確認を行う。もし黒い霧を出している人がいたら、指さして教えるのだ。


パッと映像がつく。映像板は小さいけど、画質は鮮明。上から撮っているような映像だ。どういう魔法だろう。なお音は聞こえない。あくまで映像だけである。わあ。騎士さまが揃って並ぶと壮観だ。あ、あの人見覚えがある。殺したことがあったはず。


「あ」


見える。黒い霧が開会の儀の参加者列に並ぶ二人から出ていた。当たり前だけど、どっちも見覚えはない。一人は男の騎士さまだ。もう一人は女の魔法使いさまっぽい? 若そう。私と同い年くらいかな。この人も討伐行ったんだ。すごいなあ。はっと気づく。フェリックスさまがいた。じー。うん、大丈夫。黒い霧は全然出てない。お、ルドルフさまも発見。


私は霧が見えた旨を伝える。そして、対象の二人を指さした。すると、騎士さまは私を会場外の待機場まで案内すると言ってきた。つまり、そこで殺せということですね。はいはい、了解です。開会の儀は終わった。ミニ映像板が取り上げられる。うーん、残念。その後、私は移動ゲートで大会会場近くの待機場に行った。対象の二人はそこに呼び出され、私に殺されることになる。


男の騎士さまは割と潔かった。副団長で、団長クラスと比べるとマナ量は少なめ。しかし、大厄災時にかなりの霧を浴びた記憶があったという。だから内心不安だったようだ。事前にわかってよかったと頷いていた。睡眠魔法をかけてもらい、眠っている間に殺した。


女の魔法使いさまは怖がっていた。自分はマナ量が多いけど、黒い霧はほとんど浴びていないと主張した。でも、目前の光景が発症直前を物語っている。可哀そうに、マナ量が多いからかな。他の魔法使いさまの睡眠魔法がなかなか効かない。どうやら状態異常魔法の耐性持ちのよう。黒い霧にも耐性があれば良かったんだけどね……。


結局騎士さまに取り押さえられて、泣きながら私に殺される羽目になる。すぐ終わりますよ、痛くないですよ。そう宥めすかしたけど、あまり効果はなかった。私と同い年くらいだし、魔法使いさまは後衛だから本来あまり痛い目には遭わない。トラウマにならないといいな。なるべく素早く殺してあげた。


というわけで私のお仕事は終わり。一日に二人殺したのは初めてかな。これで大会は何事もなく完遂されるだろう。私はさっさと家に帰った。出かける前に仕掛けていた罠の様子が気になっていたのである。何が捕まっているかな。真っ白なうさぎだといいな。


もしうさぎだったら、うさぎのしっぽをまた作ろう。フェリックスさまに最初にあげたやつは捨てたからね。でもよくよく考えたら、黙って捨てたのはよくなかったかな、と反省。


あれはあげたものだ。つまりフェリックスさまのものを勝手に捨てたわけである。フェリックスさまはあのうさぎのしっぽについて何も言わなかったけど……。少しもやもやするから贈り直しをするのだ。大会の開催に間に合わなかったのは残念。まあ時期ばかりはどうしようもない。

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