第79話 キリからのお手紙
79
ピロン!!
馬車に乗りながらみんなと話している最中メール音がなった。
神アルトと仲良くというか、信じることが多少できることができたのだが、何故か今回は不安な気持ちになる……。
この胸騒ぎは……。
もしかして……。
「聞いてる?」
「……。」
「武蔵大丈夫ー? 何か問題でもあった?」
「もうダメだね。ここで下ろしたらわたしのスペースが増えるからそうしようよ!!」
「……。」
「なんとか言って!!」
みんなが俺の目の前で手を振ったり、目の前に来て何か言っているようにしているが、内容は一切入ってこない。
てか、なぜ今頃?
やっぱり俺たちが向かっているのがわかったのか?
考えれば考えるほど恐怖が襲いかかり、俺の手は気づくと震えていた。
そんな手を一生懸命動かし、メール画面を開くとそこに「キリ」という2文字が書かれていた。
それを見た瞬間心の奥からゾッとするような感覚を抱くと共に、メール画面を押してしまい、中身が出てきた。
3件目
随分幸せそうにしておりますね。私のことを知りたくて我が国を目指しているのは知ってます。こんなにも私の事を愛してくれているのに、何故パーティーメンバーと仲良くするのですか? 理解ができません。私のような美しい女性はこの世に存在しないはず。それならば私を取るのが筋だと思います。それに、あなた様とこんなにも近くまで近づき、まるで言い寄せている。みたいなところを見ると嫌で嫌で仕方ありません。今までは我慢できておりましたが、もう我慢できません。あなた様は私のもの。私だけのもの。鼻の下を伸ばすなんてありえないだって、あなた様は私にしか目がないんだから!! もちろんお仲間さんには怪我はさせませんのでご安心を……。
というメールの内容だったのだが、怪我をさせるつもりは無いね……。
原物に対する行動が頭から離れず、俺はただただ身震いをしていた。
S級冒険者。
世間では敵なしと言われる冒険者がいともたやする、いや、赤子と遊んでいるかのような感覚で相手をしていて、原物はぼろ負け。
キリは傷1つ出来なかった。
そんなところや、以前のことがあってから俺はキリに恐怖を覚えたのだ……。
だが、そのキリとの思い出がグサグサと心に刺して来る……。
俺はどうすればいい……。
みんなに黙っとくべきか?
それとも……。
そんなことを考えていると、俺の腰にツンっというくすぐったさを覚えそちらを向いてしまう
「武蔵大丈夫ー。聞こえてるー? ほんとさっきから上の空だよー。もしかして、あの神から何かされたー? あっ。そうでしょー。」
鋭い……。
だが、ここは不安にさせない為にも黙っとかないと……。
「えっ……。いや、そんなことないけど?」
「武蔵は嘘つくとすぐに目を逸らすからわかりやすいー。」
「武蔵油断も隙も無いんだから」
「……。 あっ。なんかいい空気しない? 少し外の様子でも見ようよ!!」
「逃げた……。」
「ね」
「「……。」」
なんとも言えない雰囲気が流れていたが、原物以外に教えないつもりなので何とか乗り切るために頑張った。
そして、そこから何度も野宿し、原物と色々情報交換等を繰り返しやっとキリアーナが見えてきた。
だが、その街を見た1言目は「綺麗……。」だった。
白を基調としてあり、若干の水と中央にヨーロッパなどにそびえ立つお城がより際立つ構造にしてある。
門番にたっている騎士西洋風で、より際立つというか緊張感が増すが、問題なくすんなり通れた。
ふぅ。と安心したつかの間、すぐに事件は発生する。
私たちの確認終了後、馬車を動かすと合図が来たら何やら変な音が始まったのだ……。
パチパチパチパチパチ!!
しかも、それはなり病むことがない上に、馬が興奮からか「ヒヒーン」と泣いてばかりでうるさい。
俺はこっそり顔を出してみるのだが、そこにはよく分からない連中が1列になって私たちに近づいてくる。
「おめでとうございます!! この街に訪れた方が、あなたがたで10万人になります。この国は昔から人の出入りを数える伝統がございまして、その記念となる数字の方にはお祝いしなければいけないことになっております。」
「そうなんです。それと、皆様どちらの神を、信仰しておりますでしょうか? 我が街が讃えているキリ様でしたら、より良いご縁に恵まれることですが、如何なさいますか?」
「キリ様は全知全能の神様。何があっても許しを乞えば許してくれる方です。どうですか? どういたしますか?」
目が笑っていなく本気な人々に馬を操縦しているシアとリアが若干押されていた。
そんな時。
いや、ちょうどよく原物が後ろからやってくる。
「すまねぇな。みんなほかの神を信仰してるんだわ。俺たち同じ街から来てよ。ここと同じで街ぐるみで信仰してるんだわ。」
「それは仕方ありませんね。神を信じるものは救われる。その神はひとえに言えませんからね。では、貴方様方ご一考様により良いことが起きますよう願っております。」
「「願っております!!」」
その後さささっと居なくなった謎の集団……。
ほんと原物の言葉一つでいなくなるとはね……。
俺と嘘をもっと学んだ方がいいかもな。なんて思っていると、とある少女と目が合う。
黒髪で片目が隠れてしまっているが、どこかミルダケテ身震いしてしまう。
これは見た目なとではなく感覚的なもんだい……。
キリのこと考えすぎてこの街すらダメになっているのかもな……。
とりあえず、あってもあまり話さない方向で行こうか。
「……。とりあえず行こっか……。」
なんとも言えない声で発するシアの声で、俺たちの馬車は再度移動を始めた。
馬車付きの宿は高いが、原物さんが払ってくれるらしい。
気分を晴らすという意味でも、美味しい朝食にいい眺め。
言わば高めのところにでも泊まってキリのことを少しでも忘れたらな。
それに、何かあっても原物さんのお金出し。
そんな余裕な考えでいたのだが、ギルドに原物が顔を出して戻ってきたらその手にはこの街地図が書かれていた……。
高い宿屋終了……。
そう思っていたのだが、実際にやってきたのは見た目結構高級感がある宿屋だった。
今まではザ木製みたいな宿屋を借りていたのだが、今回はそういう感じではなく、白がメインの別荘みたいな見た目……。
中に入ると、構造はあまり変わらなく受付と待合室、そきて各フロアに行く道となっている。
シアとリアに馬車を見てもらっている間俺たちは部屋を取りに行く。
「すみません、本日宿屋は空いてますか?」
「?! あなたがたはこの街に来て10万人目の方々ではありませんか!! どうぞ泊まっていってください。」
「「……。」」
「? どうされましたか? 馬車の移動の説明でしたね。では、案内人を呼びます。」
当たり前のように対応する従業員についていけないのだが、そんな時に原物が
「ちょっと待て。俺らはさっき、ほんの今さっき10万人目ということで街にはいったばかり。何故それがこの宿でも知れ渡っているんだ? そんなに他寄り道もしてなければ、顔も見間違えることもあるだろ?」
「聞いておりませんでしたか? 門番で身分証を照らしますよね? この街ではキリのいい数字の時はそのギルドカードの顔と名前情報がこの街全ての店舗に情報が行き渡ります。あっ。ここの街は全知全能の神キリ様のおかげで、そのような高性能の機械が数々ございます。そのおかげですよ。」
「そうなのか……。まぁいい。馬車の案内人を頼む。」
「かしこまりました。」
原物もなんかしっくりこない感じでそのまま話をして、馬車の移動終了後、各部屋に案内された。
しかも、ベガと原物以外は全員別室という高待遇……。
部屋が余っていたのもそうだが、本当になんなんだ? この街は……。
そんな時ピロンとメールの音が鳴る……。
もしかして……。もしかして……。




