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第70話 キリのことが……

「すみません、短い間に多くのことを話しすぎましたね。あなた様といると興奮してつい、話し込んでしまいました。続きはまた明日いたしましょうか。それと何か質問ありますか?」


 「さっきの神々はその、大和のことを知ってるって話してたけど、それが俺だってことも知ってるの?」


 「もちろんです。知らない神はいません。あなたを召喚したアカラでさえ知ってるお話です。」


 「そうだったのか……。」


 俺は召喚された神でさえ、信用されていなかったのか……。

 色々言ってはいるが、信頼して、なんやかんや期待してた自分が恥ずかしい……。


 「あなた様、落ち込むことはありません。この世界には私がいるではありませんか。世界中の人、神に嫌われたとしても私だけはいつでもあなたの味方です。何かあればすぐにもうしてください。すぐに駆けつけます。心配しないでください。あ・な・た・さ・ま♡ 」


 「?!」


 最後の言葉はねっとりとそして、耳に残るように彼女は言い、俺の鼓動が早くなる。

 少し照れ、そして恥ずかしながらモジモジとしていると、クスクスっと後ろから笑い声が聞こえてくる。


 「本当に可愛いんだから。では、また明日会いましょう。愛してます。チュ」


 「!!」


 さらに鼓動が早くなり、顔が見たくなり振り向こうとした瞬間、彼女はいなくなり俺はそのままベッドに倒れた……。


 だが、初めてのキス……。


 いや、俺はしていないが、初めてキスをされたんだぞ!!

 言葉で言い表せないこの嬉しさ。

 なんて言うか、心がポカポカするし、頭からキリのことが忘れられない。


 夢じゃないよね?

 こんな幸せになっていいの?


 現実だよね!!



 ピロン!!


 ?!


 「もしかして!!」 という期待を込めながらメールを開くが、それはキリから送られてきたものだった。


 どういうこと書いてあるのかな?

 もしかして、また「愛してます」なんて!!


 あっ。どうする?

 結婚式はいつにしますか!! とか言われちゃったらさ!!


 いやー。金ないけど本気にしちゃうよ!!

 もう、やばいな。


 虜になりすぎてる。

 でも、それぐらい好きだし、ずっと頭から離れない。

 それに最後のキス……。


 ほっぺってことはいつか俺の口で……。

 って何キモイ事考えてるんだよ!!


 そんな妄想してないで、メールだ。メール!!


 唾を飲み、若干震える手でメールを開けてみる。


 1件目。

 あなた様、愛しのキリからの初めてのメールです。あなた様にもう一度ドキドキしてもらいたくてメールしちゃいました。それに、メールというものは、いつでもその時の記憶を読み戻すことができる素晴らしい物なので、いつでも私への気持ちを高ぶらせて欲しいです。あっ。すみません。私ったら、あなた様のことを考えると、つい話しすぎちゃいまして……。あなた様、次キスをする時はほっぺじゃなくて、口がいいです。それも、あなた様からのキスで……。夢は覚めてしまいますが、私の愛は何があっても覚めません。愛しております。


 「?!」


 鼓動とかそんなレベルじゃない。

 身体から、太鼓が鳴り響いてる程のどデカい音がどくんどくんと綺麗に叩いているのが分かる。


 それに、今度は唇で。

 しかも、俺から……。


 ああああああ!!


 やばい、やばい!!


 あんなに可愛い美少女。

 そんな彼女が俺からキスをして欲しいとか!!


 まって、落ち着け、落ち着け。


 間違って変なキスになってしまっては、2回目以降は無いかもしれない。

 落ち着け。落ち着け。


 昔動画サイトで、うまいキスの仕方。とかいう、役に立たなそうな動画を見たじゃないか!!

 本当、ありがとう動画サイト!!


 唇を突き出しすぎるのはダメなんだよね。

 確か、こう、優しく……。


 ピロン!!


 !!


 もっ。もしかして

 俺はドキドキの気持ちでメールの画面をみると、一瞬で覚めた感情になってしまう……。

 はぁ。どうせくだらないことを言うんだろ。



 14件目

 騙されてはいけません!! 確かにあなたは彼女の言う通り大和という存在で、私はあなたのことを追い詰めておりました。初めはあなたを大和に重ね見ていた為少し言動がおかしかったのは認めます。ですが、今は武蔵としてあなたのことを見て眷属にしたいとしっかりと思っていたのです。決して大和だからではありませんか。これだけは覚えてください。信じてください。


 こんなにも重いの詰まったメッセージだったが、俺の心はやっぱりキリのことを信じてしまう。

 今まで大和という存在を黙っていたこと。

 そして、彼女はそれが狙いで俺に近づいてきたこと。

 

 なんだか家族に裏切られた感覚だ……。

 もう、絶対に信じない……。

 キリ以外信じない……。


 「……。」


 トントン!!


 「……」


 トントン!!


 はぁ。行くか……。


 俺はだるい体を起きがりドアを開けるとそこにはシアがいた。

 ここの世界に来てシアにも色々と助けてもらったが、キリ以上じゃない。

 やっぱりキリしか信じられない……。

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