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第69話 むかしむかしあるところに

 「知りたいと思ったことはありませんか? 初めはこっそりと連絡を取り、今でも連絡を取り合える仲になり、最終的には眷属にさせる。何故そこまであなたに固執しているのか?」


 「それは……。少し……。」


 「そうですよね。では、絶対にあなた様に教えてはいけない秘密をわ・た・し・が教えて差し上げます。


 あれは今から1000年ほど前でしょうか。


 この世で初めて勇者が転移され、神の眷属としてこの地に誕生しました。

 名前は大和。

 そして主神がアルトだったのです。


 初めての試みということで、神々はどこまで近づいていいものか分かりませんでした。

 話し合いの結果、今回のようなメールという機能に加え、夢の中で会えるというシステムを使うことにしました。


 多くの神は転生者の行動に興味が湧き、下界の様子をよく見ていました。

 そんなこともあり、ある女神が日に日におかしくなっていることに私たちは気づかなかったのです。


 そのおかしくなってゆく女神こそが、神アルトでした。

 彼女は、毎日大和の夢の中で合い、神でありながら人のことを好きになってしまったのです。


 ですが、勇者は一緒に冒険をしている女性のことが好き。

 その気持ちを知りながらも、神アルトはある日を望んでいました。


 そして、その待望の日がやってきました。


 魔王討伐の日。

 転生者への特典として、我々神がおもむき祝福を1つあげる日。


 そして、主神と直接会える日でもありました。


 神アルトは直接見たら、下界のものと比較にならない美しさで自分を取るとでも思ったのでしょう。

 ですが、大和の答えは好きな女性とゆっくり暮らしたい。


 そして、女性もそれを願った。


 創造主はその願いを受理しようとした時、アルトが出しゃばったのです。


 「私のことは!! あんなに毎日あっていたではありませんか? 私の方が美しいし、あなたに尽くします。いいえ。尽くしていきます。それでも、彼女を取るというのですか!!」

 と。


 必死にそして、不安焦りが見れる神に大和は首を横を振り、創造主に願いをもう一度いい受理されました。


 ここで終わればよかったのですが、アルトは諦めきれなかったのです。


 生まれ変わったら必ず私のものにする。

 私のことを好きにさせ、魔王を討伐させ、願いで私と永遠の時を過ごすと。


 あの時の彼女は狂ったように文献を読み漁り、そして誰に相談しませんでした。


 その後の彼女の様子は知りませんが、その生まれ変わりがあなた様です。


 当時私もあなたに夢中でしたが、私は当時のあなた様の意見に尊重しました。


 私は全知全能の神。

 あなたの強い意思ぐらい分かります。


 そして、次生まれ変わるときはもっと近くにいたい。

 そして、時間が経つにつれ、これが恋だと気づきこちらの世界にやってきてあなた様と1つになることを夢に見たのです。


 以前の私と、接点がなかったのは残念ですが、私はあなた様のことをお慕いしておりますことはかわりありません。


 ここまで知っても、アルトのことを信じられますか?」


 「……。」


 いつの間にか後ろにいるキリに寄りかかっていたが、もしもそれが本当ならば辻褄が合う。

 全く関係のない神アルトが急にメールをしてきた点。

 そして、最終的には神アルトが望むとおり眷属になった……。

 それに、今思い返せば、そういう発言があったような気もする……。


 もしかして、これは……。


 「信じてくれましたか? 神というものは、魔王討伐後の祝福以外に下界に降りて来れないのです。ですが、私はあなたへの愛情で神という立ち位置を捨てこうやって逢いに来ているのですよ。こっちに来る方法が特殊だった為、神の頃に使用していたものはほぼ使えますが、天界に帰ることは不可能。仮にできたとしても、魂は完全消滅させられるのみです。」


 「……。」


 「どちらを信じるかはあなた次第ですが、私の愛情。しっかりと知っておいてくださいね。私は、あなた様のためにここにいるのですから。」


 「?!」


 「そうですね、オマケにもう一つ教えてあげます。あなたは問題ありませんが、原物などの転移者の転移特典を奪うことが可能です。もちろん私の力あっての事ですが、元々この世界の方々で無い方にスキルを与えてても、体の真から繋がることはありません。ですので取り除くということができるのです。そして、そのスキルを特定の人物につけることも可能。欲しいスキルがあればいつでも私に言ってくださいね。どんなスキルでもあなたに差し上げます。」


 「……」


 俺は想像もしなかった話が続き、頭の処理が追いつかず女神に背中を預けるだけだった。


 それにしても、女神アルトのことが信じられない……。

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