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第64話 ニッホンへ

 綺麗……。

 それに、久しぶりに感じるなこの雰囲気……。


 子鳥のさえずりを聞きながら少し脇にある桜を眺められる最高のスポット。

 おっ。近くに団子屋もあるのか……。

 贅沢だな……。


 昔の日本の街並みにそっくりなニッホン。


 どこか懐かしいような、ここにいて当たり前のような感情を分けてくれる街。


 ニッホンか……。

 俺はどうしても景色より、食べ物に頭がいってしまう。


 魚にお漬物、白米にお味噌汁……。


 って、いつまでもこんなところにいる場合じゃなかった!!

 ギルドに行かないと!!


 「みんな、行くよ!!」


 「「うっ。うん!!」」


 「……。道どっちだっけ?」


 「「……。」」


 「えっ……。」


 回れ右で門番の元に戻り、ギルドの場所を聞いて移動を開始するが、やっぱりこの景色は懐かしい気がする。


 家は瓦屋根の平屋。

 そして、塀からはみ出てる松の木。


 今までの街はヨーロッパみたいな建物だったので、なんだか安心するな……。


 「それにしても、どの家も独特な建物だね。それに、二階建てがまったくない。どうやって暮らしてるのかな?」


 「各自部屋があるところもあるけど、結構家族と一緒にいる時間が多いからそこまで心配することもないよ。それに、ここではそれが当たり前と思って過ごしてるからね。」


 「へぇ。武蔵にしてはよく調べてるじゃん。もしかして、かっこいいところでも見せようとか考えてたとか?」


 「そっ。そんなんじゃないから!!」


 「相変わらず動揺して!!」


 「……」


 「シアは話取られたから落ち込んでる。リア機嫌直して。」


 「ちょっと、そんなことないから……。ないんだから!!」


 恥ずかしそうに真っ赤な顔になるシアと一緒にギルドまで歩いていくが、最近よりみんなと仲良くなってる感じがするんだよね。


 いつか、ムイ以外のみんなに故郷のこと話さないとだし……。


 「みんな、見えてきたよ!!」


 「えっ。あれがギルド!!」


 話に夢中で全く周りを見てなかったのが凄くわかる。

 あれは名古屋城とほぼ同じ。


 まだ少し距離があるのでしっかりとシャチホコも見えるし、そんな城から出てきた冒険者らしい人物はちょんまげ!!


 すごい、すごい!!

 もはやタイムスリップでもしたのか? と思うほど。


 俺はその場で立ち止まりつい、城を眺めてしまうがそれは俺だけでは無かった。


 横一列で顔を上げ、城を見ているその風景に周りからクスクスと笑い声が聞こえ始め、恥ずかしくなり慌ててギルドに入る。


 石垣はないのでそのまま城に突入するが、中は他のギルドとそこまで代わり映えはしていなかった。


 「ご飯もギルド内で食べられるみたい!! 後でたべよ。」


 「いいよー。何があるのか楽しみだねー。」


 「って、2人ともそれよりも大事なことがあるでしょ!! すみません、ギルマスお願いします!!」


 「ギルマスですか? 要件を伺ってもよろしいでしょうか?」


 「魔物の亡霊が現れたんです!! もしかすると、伝承が本当なのかもしれません。なので、お願いします!!」


 「伺って来ますので少々お待ちを。」


 そうして関係者以外立ち入り禁止区域に行く受付嬢だが、着ている服は着物。

 それに、腰に扇子のようなものまでしっかりと刺さっていた……。


 この街は転生者が立てた街なのかもな……。

 もしもそうなら、寂しさから立てたのかもな……。


 そんな俺と同じ境遇のもののことを考えていたが、先程からクスクスと笑い声が聞こえ始める。


 そして、10分程たったタイミングでやってきたのだが、スキンヘッドに鼻が高く外国の方みたいな顔立ち……。


 えっ。ココはニッホンですヨネ?


 「またせたな。ギルマスのワマだ。よろしく。それで、要件は聞いたがそれは本当か? それと、どんな魔物だったのか詳しくきかせてくれ。」


 「もちろんです!!」


 そうして、リーダーであるシアが昨日に起きた事件を話してくれる。

 伝承のことも一緒に話すが受付嬢は疑心暗鬼。


 だが、ギルマスだけは真剣に聞いてくれていた。


 「ということなんです。」


 「そうだったのか……。ちょっと整理する時間をくれ。」


 「おいおい、ギルマス。そんな言葉本当に信じるのかよ。」


 そういいながら、大柄なちょんまげ冒険者3人組がやってきた。


 「お子ちゃまは家に帰ってお母さんのミルクでも飲んでな。」


 「バブーバブーってな。」


 「「ははははははは!!」」


 「やめとけ、やめとけ。幻影のゴブリンはいるんだから……。ぶっふふふふふ。」


 「おい、お前ら少しは静かにしろ!! 聞こえてんだよ!!」


 「「はいはい。」」


 「それと、お前ら。これはただの伝承じゃねぇ。実話だ。ギルマスは代々マニュアルが渡されるが幻影の魔物。という特別枠を必ず覚えることなっている。死ぬことのない軍団がこの街を襲うかもしれねぇぞ。」


 「……。うっ。嘘だよな、ギルマス……。」


 「本当だ。それで、条件が合う日はわかるか?」


 「それが、もしかすると今日かもです。魔物たちの活性化が進んでることと、本日は満月ですので……。」


 「そうか……。わかった。おいてめぇら、仕事だ、仕事!! この街の防衛だ。 仮に受けねぇ奴がいるなら、今後ここでの受付は一切受け取らねぇ。住民を守ることが最優先だ。わかったな?」


 「「おー!!」」


 ギルド内で冒険者の声が響き渡る。

 シアはその声を聞いてほっとしたのか肩の力が抜けていた。


 「よし、お前ら作戦を言うぞ!! まずは、外組と中組に別れてもらう。だが、大半が外組だと思ってくれ!! 外組は魔物たちの意識を引き街から魔物たちを離す。そして、中組は入ってきたもののの退治だ。いいか、あいつらは死ぬことはねぇし、すぐに生き返る。それを頭に入れとけ。」


 「おいおい、そんなもんどうしろって言うんだよ!!」


 「そうだ、そうだ!! 俺たちは不死身じゃねぇぞ」


 「日が出れば終わりだ。後は言い伝えの勇者が魔物を狩ってくれれば殺せるらしい。ひとつ言うが、俺も外組だ。ほかの冒険者を見つけ次第、この話と外組だと伝えておいてくれ。いいか、お前ら。今日自身の死を恐れる最高の冒険ができる。死ぬまで語り継げられ、忘れられることすらねぇ。この街の英雄になれる機会が俺たちに回ってきた。やってやるぜ、お前ら!! 歴史に名を残すぞ!!」


 「「おー!!」」


 冒険者達は腕を上げ先程よりも大きな声で返答した。

 すごい士気が上がってる。


 俺も負けてられねぇ!!

 

 その後、ギルマスは中組の数人だけ声をかけ後は夕方頃に門に集合となり、ソワソワしていたらあっという間に夕方になった。


 もちろん俺は外組だ。


 神の使徒としてやれることはやるぞ!!


 事情が事情なので門を閉じていたが、俺たちも外に出るので門を開いてもらうとそこには魔物の大群が待ち構えていた……。


 抵抗感があるが、ギルマスが突っ切ったので俺達も勇気を出し後に続く。

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