第65話 謎の女性
「随分バラけることができたけど、やっぱりこっちが多いね……。」
「多分俺のせいでしょ……。神の使徒とかいうよく分からないのこの場で俺だけだし。」
「武蔵落ち込むことない。武蔵は生きてるだけで偉いから。」
「「……」」
「とりあえず、もう少し離れとくか。」
俺達は街を出て魔物を誘導しているのだが、5人に対し魔物50匹という絶望的な現状。
しかも、ゴブリンだけでなく、オーガやトロールもいるうえにこいつらはほぼ不死身だ。
唯一の助けが俺が殺せば魔物はいつも通り死ぬということ。
逆に俺以外がどんなすごい攻撃をしたところで死ぬことなく攻撃をしてくる……。
この世の終わりがあるなら今日なんだろう……。
「あと、日が変わるまで30分ー。どうするー?作戦会議でもするー?」
「えっ。ちょっと待って。もう、30分しかないの?! とっ。とりあえず、作戦を立てるよ。えっと。えっと。なにかいい案ある?」
「ちょっと待って、その前に30分て何?」
「シア、今そんな冗談言ってる場合じゃないって!! あとたった30分で魔物達が生き返る……。えっ。本当に分からないの?」
「うっ。うん……。」
「おっ。おう。ごめん……。簡単に言うと、3数えて攻撃に向かうこととかあるよね。それを1800回分? ああ、これじゃ分かりずらいか……。なんていえばいいのか!!」
「……?」
「えっと……。詳しいことは後で話す。とりあえず、今は作戦会議!! もうすぐ魔物たちが現実化するから!!」
「わっ。分かった!!」
そうして作戦会議に入るのだが、シア達は辺りをキョロキョロと見渡しながら、腰にかけている剣だったりに手をかざしている。
その緊張感からか、話し合いにもならない……。
でも、それもそうか。
あと少しっていえばそうなるか……。
「ムイ、5分前になったら教えてくれる?」
「うんー。」
「えっと、魔物が現実化しそうになったらムイが教えてくれるからそれまでは作戦会議ね。」
「分かったけど、こんな状況じゃ作戦のひとつも思いつかばないよ!! だって、魔物たちは私たちのすぐ側をウロチョロしてるんだよ!!」
「気持ちは分かるけど、ここでしとかないと絶対に後で後悔するし、動けなくなる。 とにかく、今は頑張るよ」
「「うん。」」
そうしてムイの知らせが来るまでみんなで話し合い逃げられる場所や、罠などを考えては見たが、急にできるものもなければ魔力が尽きることの不安がよぎった。
そして、何も決められぬままただ時間は刻一刻とすぎていく。
「あっ武蔵、5分前になったー。」
「そっか……。さすがに。いや、やれるところまでやってやるしかないな!! みんな武器とか構えて!! もうすぐ魔物たちが復活するから!! 身体強化、自宅警備員!!」
「ちょっと、ちょっとまって!! 本当にこのままいくの? 何も決まってないじゃん!! 」
「リア、もうそんな時間は無いんだ……」
「ああ、分かった!! シア、絶対に無理だけはしないでね!! もしも何かあったら私が守るから!!」
「ありがとう……。」
「始まるなら走りながらの方がいいとおもう。このままだと蜂の巣にされて終わり。」
「たっ。たしかにそうだな……。ムイ、30秒前になったら教えて!!」
「それは難しいー。秒数有りは王城に1つしかないからー。こんな話してるうちにあと2分しかないー。」
「やばい、やばい!! とっ。とにかく!! ユイが言ってくれたみたいに最初走るよ。それで足が早い魔物からやっつける。もうこれしか無い。ムイ、1分前になったらよろしく。それで走り出すよ!!」
俺たちは各自武器を手に取りムイの合図と共に走り出す。
「絶対に生きて帰ってくるよ!!」
「「あまり前じゃん!!」」
ゴロゴロゴロ!! ドン!! ドン!! ドン!!
「「?!」」
雲ひとつない夜空だが、天から雷がこの地に降り注ぐ。
「「ウォォォオォォォオ」」
そして魔物たちの雄叫び。
遠くにいる魔物を確認できたが、薄くなっていた魔物の色がどんどん元の色まで戻りそして地面をえぐるような攻撃をしていた……。
お出ましというところか。
「みんな、行くよ!!」
「「うん!!」」
シアの合図で俺達は逆方向を向き、来た魔物達に剣を振りかざす。
感触は本体と変わらないか……。
近くにいたゴブリンだったが、俺の攻撃を受けたゴブリンだけは灰になって死んでいくが、ほかは傷ついても修復しそのまま襲ってくる。
さすがにこれが続くとなるとやばいな。
日が出るまでだろ。
チッ。こんなことなら、ニッホンに行きたいなんて言うべきじゃなかった!!
「準備できた。ウィンド ?!」
ユイが魔法を放とうとした瞬間、世界がピカっ光る!!
なんだ?! 何が起こったんだ?
魔物の攻撃か?
ちきしょ。こんな所でやられて溜まるか!!
俺は腕で目を隠しながら魔物がいたであろう場所を蹴るがなんの感触もない。
それに、魔物が近くにいる気配すらない……。
一体……。何が……。
やっと落ち着いたと思い、慌てて目を開けるとそこには思いもしない光景が広がっていた……。
魔物が1匹もいない……。
見えるのはだだっ広い野原に近くにある森。
意味がわからない。
魔物は俺たち転生者しか殺せないはず。
それにさっきの光はなんだ?
何が起こったんだ!!
もしかして、原物?
辺りを見渡すが原物はいなく、みんな俺みたいに何が起こっているのかわかっていない……。
ピロン!!
?!
もしかして、女神の助け……?
あれだけ創造主から怒られるのが。とか言っときながらこういう時はやってくれるってこと?
いや、仮にそうなら事前に連絡が……。
とりあえず、見てみるか。
43件目。
逃げてください!! 急いで!! 女神アルトから力を貰ったと思いますが、絶対に勝てません!! 早く逃げてください!! 原物があの者達に遭遇したのでもしかすると、と思ってはいましたが、まさか本人が出てくるとは……。いいですか、仮にバレてもこちらの世界の住民出ないことは絶対に悟られてはいけません!! ああ、でも……。とりあえず、逃げてください!!
えっ。どういうこと……。
でも、逃げないと。
「シア、ユイ、リア、ムイ!! とりあえずここから逃げるよ!! 近くに森みたいな所があるでしょ。早く行くよ!!」
「「えっ。え?」」
「早く!!」
俺は呆然となっているを揺らして何とか意識をこっちに持ってこさせ、移動させようとした時、後ろが明るいことに気づき振り返ってしまった。
真っ暗だったはずの夜空に幾つもの円球状の明かりが現れ、その中心に誰かがいる……。
しかも、視界を離せずどんどんのめり込んでしまうかのよう。
思考そのものが奪われていく……。
「茶番はここまでにして、早く迎えに行きましょう。」
「はは。」
俺には遠すぎて何を話したわからないが、なにか話したあと、降りてくるのだがその光景が理解ができない。
今まで2人がいた場所から透明の階段が作られ1歩、また1歩と地上に降りてくる。
そして、階段の終わりは俺の目の前……。
逃げないと。と思ったところですぐにその言葉が頭から消え白紙へ。
ただ今までに感じたことの無い緊張感、恐怖で鳥肌や寒気、呼吸が荒くなっている。
徐々に良く見えて来るのだが、1人は漆黒のドレスに包まれた黒髪ロング。だが、圧倒的。いや、感じたことの無い存在感……。
あの存在感は女神とあった以来……。
そしてその横にいるのが原物さんに攻撃を与えたアバト……。
彼女は俺に向けて微笑んでくれるのだが、その美しさからか彼女のことしか考えられなくなる。
今まで、ポツリポツリとしか頭の思考が動かなかったのが嘘のように……。
彼女といたい。過ごしたい。もっと知りたい。もっと、もっと……。
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