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第63話 怪しい魔物……

 馬たちのおかげで次々に街に着いたはいいが、「早くついたんだから。」と観光にうつつをぬかし予定の倍かかっていた……。


 唯一予定通り、いや速かったのはシアが言っていた坂道ぐらいだろう。

 砂利道で上がったり下がったりの繰り返しだったし。


 俺達には馬という最高の相棒がいるお陰であっという間にすぎてゆき、ここまでやってきたのだ。


 「この調子なら明日のお昼にニッホンに着きそうだね。予想以上にかかっちゃったけど、これこそ旅の醍醐味って言うからね!! よし、ニッホンに着いたらゆっくり観光するよ!!」


 シアが、気持ちよさそうにそんなことを言うが、旅は楽しいことだけでは無い。


 宿屋にて、冒険者に難癖つけられたり、面倒事に巻き込まれたりとトラブル続きでやっとここまでやってきたのだ。


 まぁ、楽しい思い出もあるけどさ……。


 よし、今日は野宿最終日しっかりするぞ!!


 「?! 敵発見。武器装備!!」


 「「はい!!」」


 「いや、ちょっと待って……。あのゴブリンなんか薄くない? 存在感事態が……。」


 「たっ確かに……。それに、武器も持たず、こっちに向かって来てるけど、1匹のみなんだよね……。」


 「なんかだか、気持ち悪いー。絶対に何かはあるよー。」


 「とりあえず、やっつけちゃえば関係ないって話でしょ!!」


 「「武蔵!!」」


 俺はみんなの声をきかずそのままゴブリンに突き進む。


 それに今回のゴブリンは今までのような恐怖をあまり感じず、正直いって雑魚モンスターに見える。

 

 俺は腰にかけてある剣を構え、相手との距離が近かづいてきたところで剣を振るい、真っ二つにする予定だったが……。


 「えっ?」


 剣をふりかざしたが、ゴブリンに当たることなく、そのまま地面にぶつかる。

 避けられたわけではない、透き通ってぶつかったんだ……。


 考えれば考えるほど分からなくなるし、目の前で起きた光景が嘘だったかのようにも思ってくる。


 「一体……。」


 「キィィィィ!!」


 そういいながら爪でひっかこうとし、咄嗟に防御に出るがその心配は無かった。


 当たるはずだが、また透き通った……。


 本当に何がおきてるんだ?


 「もっもしかして、重なっちゃった……。」


 「「?」」


 「桜と満月と神の使徒揃う時、魔の者達が暴れだし、試練を与えよう。 だよ……。」


 「「……?」」


 どういうこと?

 てか、このゴブリンはどうするのが最適なの?


 ゴブリンはさっきから俺に向かって何度も攻撃をしてくるが当たるはずがなく、ただキモイ動きをしているだけにしか見えない。


 不快感だし、この場から離れて欲しいが、こいつから離れるとなると移動しないといけない。


 それに、夜の魔物は少し強くなるからな……。


 「とりあえず、シアどうする?!」


 「そうだね、このまま街に行くよ!! 多分門は空いてないかもしれないけど、待って空いたと同時に入るよ!! あの伝承が本当なら、私たちはここにいたら危ないから……。」


 「ってなんの伝承なの!!」


 「走りながら伝える!!」


 俺は出してる道具を収納魔法にしまい、疲れてる馬を契約魔法で呼び、申し訳ないがニッホンに向かって走り出した。


 「で、どういうことなの?」


 「あれは、どこかの文献で見たお話。今から400年前、桜の季節に満月、そして勇者が揃ったことがあって。その日、ニッホンは1度崩壊しかけたの。魔物の死骸が生き返り、何度倒しても復活するってはなしだったはず。勇者は、光の魔法を駆使し、何とか沈め平和がもたらされたって書いてあった気がするけど……。」


 「ちょっと待って!! そっ。そんなところに行くの……。今からでも引き返せば、大丈夫なんじゃない? だって、神の番って俺でしょ? 俺さえいなければ問題ないでしょ!!」


 「それも、そうとは行かないんだよ……。伝承には続きがあってね、神の使徒気配を感じた時現れる合図。世界を征服する悪魔がはなたれ幸せを運ぶだろうって。この幸せは死。苦しまずに死ぬってことらしい……。」


 「じゃあ、俺たちに残された選択肢は……。」


 「行くしかないね。」


 「えっ、でも……。」


 「武蔵は、考えすぎー。大丈夫、私たちが着いてるんだからー。」


  「てか、なんでそんなこと言わなかったの!! 知ってたら行かなかったじゃん!!」


 「ごめん、忘れてた……。」


 「起きたことは変えられない。リアも怒らず行く。」


 「はぁぁぁぁぁ。分かった、分かったから!! 気合い入れていくよ!!」


 「「うん」」


 俺達はとにかくニッホンに向かって馬を走らせた。

 途中先程のゴブリンみたいに幻影の魔物と何体もあったが、馬も傷つくこと無くそのうち日が上がってくる。


 逃げていた俺達だったが、日が上がると同時に幻影の魔物たちは消えていった……。

 弱点、いや、タイムリミットは早朝までまということが。


 「みんな、見た?」


 「「もちろん」」


 「どうなるか分からないけど、朝日が出るまで頑張るよ!!」


 そんなことを考えていると建物が見えてきたが、あれは今まで見た街の何倍もある。


 横に広く、どこまで続いているのか把握もできないし、多分縦もでかいたろう。

 そうなると、魔物が少なくてと、コソッと入ってくる可能性ありか……。

 気をつけないと……。


 「このまま街に言ってすぐにギルドに知らせるよ!!」


 「「うん!!」」


 俺達は馬を走らせニッホンに到着し、門番との対応を済まし直ぐに動こうとしたのだが、景色に目が奪われ動けなくなっていた……。


 昔ながらの平屋に侍っぽい人々、そして腰に刀……。


 もはやタイムスリップでもした感覚……。

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