第57話 街の中に魔物が……。
そこから、ムイとのデートは続き、洋服を見に行ったり、この街のデートスポットらしい噴水を見たりして十分な1日を過ごして、宿屋に帰ってきた。
「結構回ったねー。明日は、大事なものを買いに行こー。コンパスとか旅に使う道具ー。」
「うっ。うん。それは分かったんだけど、なんでムイが俺の部屋にいるの……。」
何故か俺が自室に戻るとムイまで着いてきて、ベッドに腰をかけたら隣に座ってきたのである。
あれほど、ダメって言われたのにね……。
「それは、一緒にすごいたいからー。お母様からも了承得たから、多分大丈夫ー。お父様はほっておいてもあとから着いてくるしー。」
「ちょっと待って、待って……。待って。それは分かったけど、それとこれは違うというか、なんて言うか。みんなだって、あれほどダメって言ってたじゃん!!」
「大丈夫ー。そこら辺はしっかりと対応するからー。」
「それでも」
トントン!!
「? どうぞ!!」
鍵をまだ閉めてなかったので、入ってきてもらうが……。
シア?!
「あっ。やっぱりムイここにいた!! 武蔵は1人部屋って話したでしょ!! ほら、行くよ!!」
「えー。明日も出かけるから、武蔵と一緒だと行きやすいー。」
「そっ。それでもダメって話し合ったでしょ!! ほんと、ムイは武蔵のことになったら何話しても聞かないんだから!! 行くよ!!」
シアはそう言ってムイの手を引いてドアに向かおうとするのだが、ムイは抵抗するので中々進まない。
「シアー。痛いよー。あっ。いいこと考えたー。シアも一緒にここで寝る?」
「えっ。」
その瞬間シアは手を離しムイはすぐに俺の隣にやってくる。
「武蔵からも何か言ってよー。」
「えっ。でも……。」
「って、ムイ近すぎ!! すっすぐに離れて!!」
「もう、シアは怒りん坊さんなんだからー。」
「ムイが武蔵にベッタリするせいでしょ!! もう!!」
シアはそういいつつも、俺の隣にやってくる。
ベットに座っている俺の両隣にパーティーメンバーが……。
そっ。それに、なんかいい匂いもするような、なんて言うか……。
ウウウウウウウウウーーーーーーーーー
えっ。なになになになに?!
部屋中に音が鳴り響く感覚。
もしかして……。
俺は神メールを見るが通知がひとつもないってことは現実で起こってるってこと?!
ほんとに何? 何が起きてるの?!
「警報ー。早く行くよー!! しっシア……。」
「はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。……。」
シアは腕を体に絡め、深刻そうな顔で下を向いている。
顔も少し青いように感じるし、息がとにかく荒い。
「しっシア……。」
「はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。」
今までに感じたことが無いこの胸騒ぎ……。
それに、返事もできないほどなにかに怯えたいる。
トントントン!! ガチャ。
「ムイ、シア、武蔵!! 早く行くよ。」
「しっシア!! 大丈夫、落ち着いて。本当に大丈夫だから。」
「りっリア……?」
リアは部屋に入るなりすぐにシアを抱きしめた。
そして背中を揺すりながら何度も「大丈夫。大丈夫。」と声をかけている。
俺は何も出来ずにただ隣にいるシアを見守ることしかできない。
「武蔵、ユイ、ムイは行ってきて。私はシアの看病をしてるから。」
「えっ。それってどういうこと?」
「こっちは大丈夫。シアの気持ちが落ち着けば自分から話してくれる時が来ると思うから。ねっ。お願い。」
「わっ分かった……。」
俺達は宿屋を出ると、そこには魔物達がうじゃうじゃといる……。
ありえない。
街はコンクリートのようなもので覆われ簡単に崩れるなんてありえない。
いや、ちょっと待てよ。
見えてる限り崩れた形跡が無い……。
本当に何があったんだ?
「とっ。とりあえず、俺達は宿屋の前を中心に魔物を狩っていこう。」
「「おー。」」
「あっ!! ムイのお父さんとお母さん!! それに国王!! 今日出るみたいなこと言ってたけど、大丈夫かな? そっちも応援に行った方がいいよね……。でも、ここも……。」
「それなら、大丈夫ー。お父様は簡単にやられないからー。」
「えっ?」
「ムイのお父さんって、族長でしょ?」
「そー。2つ名?ってやつはそれ!!」
「それなら、問題ない。元A級冒険者。原物がパーティー組んでる時のリーダーがムイのお父さん。噂だと、原物は自分より強いものしか認めない。その原物がリーダーと認めるということは最強。S級を断ったって噂もある。」
「それは、全部ほんとー。S級になるとめんどくさいからって断ったんだってー。王族としての勤めもあるから、忙しくなって辞めたっていってたー。」
「じゃあ、ギルドでみんなが頭を下げていたのは、王族ではなくて冒険者としてや尊敬ってこと……。」
「尊敬する冒険者はごまんといる。数々のS級冒険者でも、憧れる存在。」
「そうなのか……。」
「みんなー。こっちに向かってゴブリンが来るよー。行くよー!!」
「ああ。」
俺は自宅警備員を発動させ、シアに借りっぱなしの剣を片手にゴブリン達を待つことに。
でも数がな……。
ざっと見て50体ぐらいいるんだよな……。
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