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第54話 ストーカーの犯人はまさかの……。

 「むっムイ、まだ着いてきてるよね……」


 「残念だけど、そうだねー。大通り歩いてるのに、それも全く気にしない感じ、すごい怪しいー。もうすぐギルドにつくから早く助けてもらおうー。」


 「てか、黒いフードかぶって明らかに異質感あるよね。ほかのみんなも見てるし、絶対に頭のおかしい奴だよ……。さっさとこの街をさろっか。」


 「それはけんめいかもー。 武蔵さっさと行くよー。」


 「ちょっと待って!!」


 俺はムイに手を引かれて、冒険者ギルドに走って向かうのだが、後ろから走ってる足音が聞こえ出す。


 恐怖を感じながらチラッと後ろを向くと顔が見れたのだが、お面のようなもので隠している……。


 目が見えるが、あれはイッちゃってる人間の目……。

 さすがに今回は洒落にならないて、本当にやばいって!!


 「見えたー。入るよ!!」


 「うっうん!!」


 「おっと、危ねぇじゃねぇか!!」


 俺たちがギルドに入ろうとしたその瞬間、たまたま出てきたごつい冒険者とぶつかりそうになりギリギリ避けられた。


 身長も190cmぐらいあるうえにこの筋肉量……。

 見上げて顔を見ているので、余計怖く見えるのだろう。


 「すっすみません!!」


 その場で頭を下げるが、心の底から恐怖が襲いかかる。

 手は震え、怖い怖い。と何度も頭の中をループする。


 そして、相手からの返答がないこの時間がまた恐怖を増幅させる……。


 「あっごめんなさいー。」


 「ちっ。次から気を受けろよ……。おいおい、おめぇどこのどいつだ? ここら辺の冒険者じゃねぇな。そんな怪しい格好しやがって、なんだ? お面を剥いで欲しい。とでも願っているのか? とりあえず、ギルドに入れよ。案内してやるよ。この俺が決闘場によ!! チッ。チビ達はさっさと中入れよ!!」


 「はっはひ!!」「分かったー。」


 俺たちは冒険者に促され、そのままギルドに入るが、黒フードは190cm冒険者に肩を組まれそのままギルドの中に入ってきた。


 一瞬ニヤッとした190cm冒険者は黒フードのお面に手をかけたのだがお面が剥がされることはなかった……。


 「おっおい、離しやがれ!! 離せって言ってるだろ!! ただの冗談じゃないか!! チッ。あんなに強くつかみやがって、ギルドでの暴力行為は犯罪だよな!! おい!! こいつを取り締まってくれ!!」


 そんなことを言うが、周りにいる冒険者はその場から動かず誰も助けてくれない。


 「おいおい、慌てるな。お前から手を出そうとしたんじゃないか。それなのにこの仕打ちか? はぁ。だから冒険者は野蛮だと言われるんだ。学習能力の無いやろうだな……。そんなに素顔が見たいならここでなら見せてやろう。」


 「さっさと離せよ!! 赤くなってんじゃねぇかよ……。」


 手を離して貰った冒険者はそんなことをいいながら掴まれた箇所を何度も見て、拳を握ったり緩めたりしている。


 そして、フード野郎はフードを取るのだが髪は黒色。


 そこからお面を取るが、見たこと無いと思う人物。

 綺麗な青色の目が輝いて見えて……。

 いや、どこかで見たことあるか?


 「お父様ー!!」


 「えっ。」


 「君が我が娘をたぶらかしてる冒険者か……。娘のムイがパーティーで世話になってるみたいだな。私はフィジ・ファースサラという。よろしくな。」


 そういいながら手を出されたのだが、顔が全く笑っておらずただただ怖い。

 それに、よく見ると先程の冒険者みたいなごつい胸板、肩幅……。


 えっ。えっ。ちょっと待って、何が起こってるの?!


 何故か分からないが、俺たち以外の冒険者が膝まつきムイのお父さんに頭を下げている……。

 野蛮である冒険者が王族にわざわざ頭を下げるとは思えないが、一体何が……。


 「どうした、握手は嫌か?」


 「いっいえ。させていただきます!!」


 俺はすぐさま出された手を掴み握手をするのだが、これは人間の手か?


 見た目は普通だが、硬さ、そして手1つでこの威圧感……。


 俺は手を見ていたが、顔をあげる時ちょうど身長的に見上げる形になるのだが、どす黒いオーラのようなものを感じる。


 先程の冒険者とは比べ物にならないほどヤバい……。


 「2人とも仲良しー。そういえば、お父様はなんで、そんな変な格好してたのー?」


 「ああそれは、バレないためにだな。何かとこの顔は広まってしまってるからな。それに、この街の領主にあまり知られたくは無かったからし。」


 「もしかして、調査ー?」


 「いや、ただの話し合いだが、抜け出してきたって感じだな。まっ。こういうのは俺の役目じゃないからいいんだよ。今は兄様が対応中だ。」


 「ああ。国王来てるんだー。そういえば、この街の領主と仲がいいって言ってたよねー。」


 「そうそう、昔馴染みってやつだな。まっ。そんなことは置いといてだ。私が自己紹介したのに、いつになったら自分のことを話してるくれるんだ? ここまで無下にされるのは久々でな。つい、力が力んでしまいそうだな!!」


 「あっ。その……。すみません。えっと。武蔵です。ムイさんと一緒にパーティー組ませて貰ってる武蔵です!! よろしくお願いいたします。」


 「ああ、よろしく。で、どこ担当だ?」


 「一応、サポート的な役割と言いますか……。最近パーティーに所属したばかりですので、これから詳細がわかっていく感じです。」


 「そういうことか。噂では聞いていたが、本当に男がパーティーメンバーにいるとはな……。しかも、我が娘ムイと手まで繋ぎよって……。もちろん、それ相応の覚悟はあるんだろうな。おっ。その腰にあるのがお前の武器か……。ギルドの模擬試験会場でも借りて実力を図るとするか。受付嬢、借りてもいいかい?」


 「はっはひ!! もっもちろんでございます!!」


 「それは助かった。では行こうか。ムイではなく、私と手を繋いでな!!」


 「えんりょ」


 「何か言ったか!!」


 「いっいえ、では、行きましょう……。」


 「おー。」


 楽しそうなムイ。

 何故か手を繋いでる俺とムイのお父さん……。

 俺たちは受付嬢の案内で模擬試験会場に着いたのだが、その部屋は地面が土で四角く枠が組まれている。


 多分あそこの中でやってくれということだと思うんだけど、正直怖いし、逃げ出したい……。


 ほんと、ムイのお父さん何者?!

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