第53話 ムイに狙われる武蔵……
「鍵は3つだね。それにしても、男1人に女が4人ね……。あたりまえだけど、くだらないことするんじゃないよ。そんなもんしてたらすぐに出禁にするからね!!」
今まで普通に接してくてた大柄な女将さんだが、急に声量が大きくなりドキッとしてしまう。
さっさすがに俺たちはそんなことはないはずだが、もしそういうことになったら、いや、なろうとしたら気をつけなくては!!
「むっ武蔵、何ニヤついてんの!!」
「そっそんなことないから!!」
「分かってるよね!!」
「「こっ心得てます……。」」
「じゃあ、行きな!!」
女将さんに礼を告げ、俺たちは部屋に向かうのだが、女将の目は怪しい人物でも見てるかのような目だった……。
はぁ。やっぱり男1人だけだと、冒険者ギルドでもそうだが、やっぱりそういう目で見られるよね……。
それに、実際はムイとユイは俺の事好きっぽいし……。
ほんと、異世界どうなってんだか……。
「とりあえず、いちばん若い301号室で話し合いしよっか。」
「武蔵、ドキドキしてるんじゃないの? 私たちと一緒だからって。女将さんも言ってたけど、変な気起こさないでよね!!」
「そっ。そんなことあるわけないじゃん!! 本当に、リアは最近そういうことばっかり考えてるんだから!!」
「ちがっこれは、武蔵をからかう為だからなんです!!」
「でも、最近武蔵のこと気に入ってるのは本当でしょー。」
「すぐわかる。私が最初に好きになったのに……。」
「ほらほら、いつまでも廊下でそんな話してないで、入るよ。」
「「うっうん……。」」
とりあえず、シアに促されて301号室に入るがそこはベッドが2つ、机が1つ、それに合わさる椅子が1つのみ。
たしかトイレと顔を洗う洗面所は裏手にあるからそこを使えって言ってたけど、本当にこういう構造とはね……。
3点ユニットでさえ驚くレベルの俺は、驚きを通り越して言葉が出ない……。
やっぱり異世界なんだよな……。
「みんな、そこら辺に適当に座って、作戦会議始めるから。まず部屋割りからだけど……。武蔵は男だから1人で使ってもらうとして、他はどうする? 何か提案ある人いる?」
スッ!!
「……。」
1人ぐらいあげるかな? って思っていたが、まさかの全員挙手……。
これはまとめ役のシア大変だな。
「それじゃあ……。ムイから時計回りで教えてくれる?」
「そもそも、私は武蔵が一緒がいいー。明日一緒に出かけるから早く行けるー。それと、今日も一緒に出かけるから、武蔵の予定はいっぱいだからねー。」
えっ!!
俺はムイの方に反射的に向いてしまうが、それは俺だけではなかったみたいだ。
そもそも、そんな予定決めてもないし、今初めて聞いた。
ムイのことだから、しょうがないが、それにしても俺と一緒の部屋とか何言っての!!
みんな慌ててる様子だが、ムイはそんなことは知らず俺と目を合わせてニヤッと笑っている……。
「ちょっちょっと待って!! なっなんでムイと武蔵が一緒なの? 武蔵は1人ってシアが言ってたじゃん!! とりあえず、私たち女子組だけで考えて!! ふぅ。私はシアとがいい。あとのふたりは寝相がちょっとアレだからね……。」
リアはそんなことをいいながら何故か俺の方をチラチラと見てくるが、これはなんだ!!
恥ずかしそうな、だが、嬉しそうな表情も混じり、どういう感情なのかよく分からい顔をしている……。
だが、そんな表情はあっという間に崩れるのであった……。
「リアの寝相がいちばん悪い。自覚ないのはしょうがないけど、ほかの人を貶めるのはどうかと思う。」
「ほんとそうだよねー。」
「ちょっと、そんなことないでしょ。」
「ほんとだよー。」
「しっシアはどう思う!!」
「えっと……。正直いちばん寝相が悪いかなって……。」
その瞬間リアの顔が真っ赤になり、恥ずかしそうにしているのだが、そんな時たまたま目が合ってしまう。
「むっ武蔵は知らないでしょ!! こんなことなら言うんじゃなかった……。」
「武蔵とが無理なら、とりあえず、くじ引きでいいんじゃないー。いつもみたいに公平にー。」
「最初からそれで良かったでしょ!!」
「じゃあ、それに決定ね。」
くじ引き結果、ユイリアペアとシアムイペアになった。
まっ。ここら辺は俺に関係ないからね。
「で、次はこれからの予定だけど、さすがに場所が場所なだけ時間がかかるから、あと5つほど街によって到着する予定かな。どこも、そこまで治安が悪いって話は聞いてないから大丈夫だと思うけど、武蔵、絶対に夜は出歩いたらダメだからね!! 本当に危ないから!!」
「うっうん。」
「よし、ニッホンまで長距離だけど力合わせて頑張るよ!! 行くよ!!」
「「おー!!」」「あっ、おー!!」
「もう、武蔵ったら。次はしっかり合わせるんだよ!!」
「分かった。」
「よし、あっ。そうだ。あと、明日はゆっくり休んで明後日からまた再会だから色々準備が必要だったら備えといて。じゃあ解散!! とりあえず、私とムイは301、ユイリアは302で武蔵が303ね。間違えないでね!!」
「武蔵買い物行くよー!!」
「ちょっと、そんなに急がないでも大丈夫でしょ!!」
「善は急げー? なんだっけー? 行くよー。」
「分かった、わかったから!!」
俺はムイに手を引っ張慣れながら宿屋をあとにして街散策に出かける。
いわゆるデートというものだ!!
なんて浮かれていたのだが、現実はそう甘くなかった……。
「武蔵わかる? 誰かに見られてるの?」
「えっ。もしかして、ムイを狙って!! ここは俺がどうにかするから、ムイは!!」
「そんなこと言わなーい。たしかに動きは怪しいけど、こんな所で急に止まったらバレちゃうー。歩きながらギルドに向かうよー。」
「うっうん。」
「もしかして、あのゴブリンが弱かったのが何か関係してるのかなー。文献でしか見たことないけど、魔物を操る魔法があるらしいからー。もしかするとそうなのかも……。」
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