表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/59

第45話 ユイと武蔵

 トントン


 「ユイ、話が終わったから」


 俺が最後まで告げることなく、ユイはドアを開けた。

 そこには先程同様いつもと姿が違く、目を奪われてしまう存在がいる。


 「じゃあ、行こっか。」


 「……うん」


 ユイは少しモジモジしながら俺と一緒に廊下を歩き宿屋を出る。


 でも、冷静に考えて俺のことを好きと言ってくれた超絶美少女が隣に歩いるこの状況。

 しかも、チラチラと俺と目が合うし、目が合うと顔を真っ赤にしながら視線をずらす……。


 俺はこんな幸せになっていいんだろうか……。


 そんなことを考えていると、たまたまユイの手と俺の手がぶつかってしまう。

 だが、今のこの状況でぶつかったらただのごめん。ではなく、もしかして……。もしかして……。とドキドキが止まらない……。


 言うなら、俺からだよな……。

 でも、ユイを見ると言葉が喉に詰まりなかなか出てこない……。


 ええい!! 勇気を出すんだ武蔵!!

 幾つもの屍を乗り越えてきただろう!!


 「手をっ。ユイはどこか行きたい場所があるの?」


 何やってんだ俺!!

 言いかけたぞ!!


 「この街まだ散策してないから、ゆっくりみたい。せっかくならと思って武蔵誘った。シアとは何の話してたの?」


 「ああ。それは、次はどこに行きたい? って聞かれて、色々話してたんだよ。今度は東国エリアに行くことになったけど、ユイはそれで良かった? なんかみんなと話すとまとまらない。みたいなこといってたけど。」


 「うん。武蔵はどうなの?」


 「俺は楽しみだな。特に刀!! あっ。刀っていうのは細長い剣で。いや、剣っぽくないな……。なんていえばいいのか……。うーん。」


 「ふふ。なんか武蔵の真剣な顔好き。」


 「えっ。」


 俺はユイの顔を見て、目が合うと耳先まで真っ赤な顔になるが、先程と違い目をずらしてくれない。

 気づくと俺とユイもその場に止まってしまい、周りが見えなくなっている。


 やっぱり、俺ってユイのこと……。


 「あっ。武蔵ー。ユイー。こんなところで何してるのー?」


 「「?!」」


 名前が呼ばれた気がしたのでそちらを向くとそこにはムイがいた。

 しかもその手には肉串片手に持ち、なんとも街を楽しんでるかん満載!!


 肉串か……。

 俺は肉串に目が行ってしまい、ムイがそれを感じ取り肉串を上下左右に動かす。

 俺は目でおってしまうが、それが楽しかったのかムイは止まらない。


 そして、歩いてきたムイが俺たちの前に止まった。


 「はい、あーん。美味しいよー。」


 「はむ!! ん!! 美味い!! 肉々しい感じがいいよね。」


 「分かってるー。で、2人は何してたのー? ? ユイ顔が真っ赤ー。熱でもあるー?」


 「そんなんじゃないから!!」


 「?」


 あっ。と気づいた時にはもう既に遅し。

 肉串に気を取られた俺は肝心なユイをほって置いてしまった為、ユイの口調は少し怒り口調になっていた……。


 しかも、ユイはワンピースの裾を掴みながら少し下を向いて落ち込んでるように見える……。


 はぁ。何やってるんだか……。


 「おっ。なんか今日のー。ユイ、オシャレー。可愛いねー。せっかくだし、みんなで回るー?」


 そんな提案がムイから飛んでくる。

 だが、ここは。

 勇気を今こそ出すんだ武蔵。負けるな自分に!!


 俺は深呼吸をして、拳を握りしめて勇気を出す。


 「ごめん、今日はユイと二人で出かける約束してたから、また今度3人で行こっか。」


 言ったぞ!!

 言ってやったぞ!!


 「そうなんかー。分かったー。武蔵、今度私とも二人で回ろうねー。あっ。それとこれあげるー。二人で分けてー。」


 そう言って肉串をくれて、ムイとその場で別れた。

 ふぅ。

 本当によくやったな。と思いながらユイを見ると、ユイは両手を胸の前に置いてなんともキラキラとした目で俺のことを見てきた。


 その姿を見た瞬間、今まで以上に胸がキュンっとする……。

 女神様……。

 魔王退治に来たはずが、恋が始まりそうです……。


 ピロン!!


 39件目


 ……。……。武蔵さん。私の事忘れてませんよね……。この世のものと思えないほどの美貌を備えたこの私のことを……。それと、恋にうつつを抜かす暇があるなら少しでも修行して、強くなりなさい!! いいですか。あなたが崇拝しているのはこの私。それだけは忘れないように!!


 ……。

 はぁ。そうだよな、修行しないと……。

 誰かの隣に立つ時が来るかもしれないが、弱いままじゃな……。

 

 って、ユイまだ俺のこと見つめたままだった!!

 この状況が続くと俺の精神が危ない!!


 「んん!! せっかくだし、肉串食べながらゆっくり観光しよっか。」


 「うん」


 その返答もいつもと違い、可愛らしい声だったので、俺はユイのことを見るのが恥ずかしくなり、少しだけ逆方向を見ていた……。


 ヤバっ。めっちゃ恥ずかしいわ!!


 その後は特にここと言って決まった場所には行かず、ただブラブラと適当に街を歩いただけだが、一つ一つ忘れられない思い出になった。


 「じゃあ、また明日……。」


 「うっ。うん……。」


 俺は別れを告げて自分の部屋に戻る。

 今まで隣にいたユイもおらず、静かで寂しい部屋。

 だが、部屋につきドアを閉めてすぐにベッドにうつ伏せになりながら足をバタバタとさせる。


 やばい。本当に心からユイのこと好きになってる感じがする!!

 しかも、なにあの一つ一つの可愛らしい動作!!


 肉串を食べてほっぺに油が着いても可愛い。それをハンカチで拭いても可愛い。

 一緒に行った服屋でこれはどう? って恥ずかしそうに自分に合わせてみるのも可愛い!!


 うん。本当に可愛い!!

 やばい……。

 これ以上続いたら俺の精神がマジで持たない……。


 ほんとこれからどんな顔して冒険していけばいいんだよ……。


 はぁ。目をつぶるとずっとユイのことが浮かぶ……。

 今日は寝られそうにないな……。


 と思いながらあっという間に寝てしまい、気づいた頃には朝になっていた。


 だが、朝からシアが俺の部屋までノックしてきて、「明日の朝出発!!」 とだけ言って出ていった。

 シアは無理やり笑顔を作っているような表情をしていたので、少し心に引っかかる。


 だが、今日中に買い物に行かないといけないので、お金が無い俺はムイを誘い買い物をしてその日は終わった。


 もちろんお金はムイが全額出してもらった……。

 そろそろ、強くなってお金も自分で稼がないとな……。

 それにお金も返したいし……。


 そして日が明け出発する当日。


 寝坊することなく起きられ、問題なく集合場所に到着するが、ユイを見るとなんだか恥ずかしくなってしまう……。


 このまま冒険行って大丈夫か?

火木土更新予定

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ