第42話 原物よりも強敵?!
「で、お前ら俺のダチになんか用か? あん?」
そういいながら、少女の頭に手を当ててゴシゴシと左右に動かしている。
肝心の少女は下を向きながら涙を零していた。
こいつは何もんだ?
こないだの魔族の残りか? それとも、別の勢力?
どちらにせよ、時間を稼いで女の子を助けないとな!!
そう思って俺はシアたちと目配せをして借りっぱなしの剣に手をかけ戦闘態勢になる。
だが、その瞬間相手から感じたことの無い恐怖を感じる。
寒気。いや、なんだか分からないが、体の中心から震えが止まらない。
それに、相手が自分より何倍も大きく感じ萎縮してしまう……。
目を外そう。と思うが外すことはできず、徐々に力が奪われていく感じがする……。
はぁ。はぁ。はぁ。はぁ。
やばい、魔族以上にやばい……。
だがそんな時、聞き覚えのある声が聞こえてくるのだった。
「確か……。武蔵だったか。何してるんだ? それにパーティー全員揃ってるみたいだけど。」
その声が聞こえた瞬間何故か少し落ち着いた自分がいて、やっと周りを確認できるようになれた。
そのお陰で、呼吸がすごい早くなっていて心臓の速度がいつもと違うに気づいた。
力が奪われた原因はこれか……。
また、辺りを見渡すと、そこには原物が麻袋を持って立っていた。
「おいおい、あんちゃん。お前もこいつらの仲間か? それなら容赦はしなくていいんだよな!!」
そういいながら、地面を強く蹴るとキサイの周りにある瓦礫が空中に浮かぶ。
その浮かんだ瓦礫を殴り、私の横を通って原物に向かって飛んでいくが原物の前でなにかにはばかれ、瓦礫は落ちていった。
もしかして、防御魔法か?
「めんどくせぇことに首突っ込んでんな。それにあの嬢ちゃん怯えてんじゃねぇか……。おい!! その手をどけろ。早くしないと手加減できねぇぞ!!」
「うるせぇ。こいつは俺のもんだ。お前にグチグチ言われる筋合いはねぇ。ちっ。お前かまヘマするからだ!! 使えねぇな。」
そういいながら少女を隣から蹴っ飛ばし背後に移動させる。
氷から抜け出すことはできたが、その場でうずくまり動けない状態……。
なんて酷いことを……。
「おい!! 大人がガキに手を出すなんてどんな理由があっても許せるわけがねぇだろ!!」
そういいながら、後ろに原物がいるはずだが背後から先程感じた以上の圧を感じる。
後ろだけは向いてはいけない。
向いた瞬間俺は終わる……。
「ちっ。お前は何もんだ!!」
怒鳴り口調で言うキサイに堂々と告げる。
「ただの冒険者だ。」
そう言った原物は一瞬にしてその場から消え、辺りを見通すとキサイの真上にいた。
そこから拳を握り下に向かって殴るが、キサイはギリギリのところで交わす。
交わされた拳は地面にあたり、大きなクレーターができるが、家にまでは影響がない。
いや、なにか魔法なようなもので守っているのか?
キサイは原物を見下ろしながら蹴ったはずなのだが、何故か原物はビクともしない
「いって!! このバケモンが!! どんな鍛え方すれば……。おい、まて、嘘だろ。冗談はよしてくれ!!」
起き上がった原物は相手が逃げる前に頭を手で捕まえアイアンクローみたいな状態になっている。
キサイは手をどかすように殴ったりするのだが、原物をどかすことはできない。
ただただ、キサイの悲鳴が小道に響き渡るのみ。
だがそんな時、原物が急に手を退けてキサイはすぐに後退した。
俺は斜め後ろにいるのでわかるが、原物の腕に小型ナイフが刺さっている……。
さっきまで無傷だったあの、原物にダメージを与える。
そんなことが有り得るのか?
「随分遊んでいるようでしたので、混ざりに来ました。お初にお目にかかります。原物さん。私は、このゴミを一括管理しているご主人様の執事をさせていただいております。アバトと申します。そちら毒性のナイフですので、早いところ解毒ポーションでも飲んだ方がいいかと。」
そういいながら黒いスーツ姿。ざっ執事。という服装の男性がやってきた。
それにまだ若いのにあの強さ。
いや、冷静に考えてみると、あんな服この世界で有り得るのか?
麻袋を使うような現代だぞ……。
何もんだ?
そんなことを思っていると、つい目が合ってしまう……。
「おやおや、神の寵愛を受けし人間ですか。これまためんどくさいものが出てきましたね。今摘んでおいてもいいのですが、お楽しみにしておきましょう。行きますよ。ゴミ。」
「口の利き方には気をつけろよ!!」
キサイはアバトという執事を背後から殴り掛かるが、アバトは一切動かず、何故かキサイがくの字にで倒れるという結果になっていた……。
意味がわからない……。
「では、さようなら。」
そういいながら一瞬にして姿を消したアバトとキサイ。
今までふたりがいた空間は元々何もいなかったかのように、風の動きなども一切ない。
しかも詠唱なし……。
どんな化け物なんだか……。
「はぁ。」
そうため息を着きながら腕に刺さっているナイフを抜き、地面と一緒にリペアする原物。
腕はすぐに治ったが、床はもう少しかかりそうだ。
そんな原物は俺たちの方によってきた。
「あいつ何もんなんだ!! 俺にダメージを与える奴なんてこの世に数人しかいるはずがねぇ。でも、そんなやつはあんなことは絶対にしない。だと言うなら、あいつはどこのどいつだ!!」
俺の目の前でそういい、少し怒っているのか怒鳴り口調でいう原物。
威圧も加わりただただ怖いだけ。
冷静は保っているものの、足はガクガク震えてしまっている。
「いや、わりぃ。お前たちだって知らねぇよな。あの嬢ちゃんをギルドでも渡してとっとと解散するぞ。てか、お前らは知り合いか?」
あっ。忘れてた。
こんなことになってしまったので、本当の目的を忘れていた……。
お金返してもらわないと
火木土更新予定




