森の中
今は夕方、もうすぐ日が沈む
暗くなってしまうと馬がどこにいるかわからない、馬いなければお酒のを詰んでる馬車を動かすことができない
ドワーフの力は強いが中には瓶などの割れやすいものがほとんどだ、馬による運搬が一番良い運搬手段なのだ
「困ったな、・・・リベラ、馬を探す魔法はないのか?」
馬の身を守る為に逃したとはいえ、なんだかムカつく言い方だ。この際だから、果実の仕返しとして自力で探してもらおうと思ったリベラ
「足跡なら見つけられるかも、この前まで猛吹雪で魔物も普通の動物も冬眠していたと思うし。草原は雪解けで泥濘んでるし、たとえ何個足跡があっても足跡の種類で馬の蹄を見つけて追えば大丈夫だと思う」
そう言って、2人は馬を探しに道から外れ草原を注意深く見渡した。おじさんが馬の蹄の跡が泥でくっきりしたものを見つけた
跡を追っていくと森の中へ続いていた
「どうする・・・魔物だらけだぞ」
「・・・うん〜っ、仕方ないか」
リベラは煤の入った袋を取り出し、両手に煤を乗っけた。すると、煤をふ〜っと吹くと黒い烏が現れた
「枯ら煤か」
「うん。これなら、狭いところも通れるし馬も見つけられる」
枯ら煤を森の中に向かわすとリベラは目を閉じた。枯ら煤が見ている物をリベラが見る事ができる
枯ら煤は魔鳥の一種の烏が止まった木から取れる煤、魔力を持った者が煤を使うと魔枯ら煤になる。リベラは緊急用にいつも1羽分の煤を袋に入れて腰にぶら下げている
枯ら煤は森の中へ飛ぶと枝の隙間を通り向け馬の跡を追う。しばらくすると森の中で馬を見つけた、馬の周りを何回か周ると馬は枯ら煤の跡を歩き始めた。馬を枯ら煤で森の外まで誘導する
馬がついてきているか時々、後ろを見ながら飛んでいた。すると、木の陰から人影が見えた気がした
「!?っ」
「どうした?」
「いや、なんか・・・なんでもない」
首を振ってなんでもないと言ったが、明らかに見られていた。魔物だらけの森に人間がいるなんて・・・
馬が森から出ると枯ら煤を手の甲を乗せまた息を吹きかけるとただの煤に戻り風に乗って消えていった
枯ら煤は枯れた木や花と煤を混ぜれば作れる。魔力さえ煤に混ぜれば魔力がない人でも使える
馬と馬車のところまで戻り遅めの夕食を食べることにした、おじさんが火打ち石で火をつけようとするが薪が湿っていて使えない
「湿っていてつかないな」
「やっぱりダメか。仕方ない、これは明日使うから、馬車の日当たりのいいところに置いておこう」
そう言ってリベラは馬車に薪を積んだ。おじさんは火がつかないのでどうするか悩んでいた
「草に火でもつけようか!」
「落ち着け、湿っているとはいえ危ない」
馬車からリベラは予備の毛布の端を少し裂いて何個かの切れ端を作った。そして、おじさんのお酒を布に軽く染みさせた
「うぁぁぁぁ!?なんてことを!?」
岩の上に切れ端を置いた
「ブランデー・ブレイザー」
火を起こし切れ端を燃料として使った。一度火が付けば、消すまで燃え続ける流石に布だけで火力が出るか心配なのでお酒も使った
馬車からケトルや鍋を出した。火の上にケトルを置き水を入れてお湯を沸かした
おじさんが馬車からにんじん、じゃがいも、玉ねぎ、ミルクそれから大きな袋を担いでいた
「何その袋?」
「これはな、サーモンだ」
袋からサーモンが出てきた、サーモンを小型なで切り身を取り出した。リベラもおじさんから小刀を借り野菜を切り鍋に入れたハーブも加えしばらく煮込んでいると美味しそうなロヒ・ケイットができた
リベラは目をキラキラさせた。リベラの好物でよく親に作ってもらっていた
「いただきます♪」
「ふぉいしい〜」
「少し、サーモンくれないか」
「やだ!」
「えっっっっっ・・・」
食べながら夜空を見るとロヒ・ケイットの鍋から出る湯気が曇りがかってる月の光を大きく見せた
食べ終わる頃になると完全に雲がかかり真っ暗になっていた。火を消し、馬車から毛布を出して、馬には大きな布をおじさんとリベラはそれぞれ毛布にすっぽりと包まった
その日は眠りについた。リベラ以外は・・・
リベラはこっそりと森の中に入っていった
さっきの人影が気になるのもあるが、リベラたちは月に一度、王都の貴族街にお酒を売る。貴族の口に合う高級な酒も馬車に積んである
だから、鼻がいい魔物は人間がいると思って近寄ってくる
昔、フォリアの母親は詐欺をした男に突き飛ばされて怪我をした、すぐに逃げればよかったのに
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「クソっ!」
詐欺をした男は慌てて、店の外に出ていき逃げようとした。その時フォリアとリベラが帰ってきた
怖い顔でフォリアたちに向かってくる男を見て、フォリアはリベラの手を掴んで逃げようとしたけどリベラは怖くて動けなくなってしまった。男が2人に体当たりをしようとした瞬間、フォリアの母親が2人を庇い2人は無事だったが母親は突き飛ばされ酷い怪我をおった
▶︎
「もし、あの時、体が動けば。もし、あの時、力があれば、フォリアのお母さんは今も楽しく笑って花屋を続けられたのに」
もう2度と大切な仲間を傷つける者は許さない
森の中を進み見ながら杖を出すと、いきなり目の前を攻撃した。木の真ん中に穴を開け音を立てて真っ二つに折れた、その後ろから魔族が現れた
「はじめまして、人間」
「・・・」
魔物の中には人型,動物型,混合型の三種類がいる
人型、混合型は魔族と言われ、会話能力があり、動物型より遥かに強い
人型と混合型の頭には角がある、混合は生き物と人間が混ざった物でそれぞれの特徴を持つ
今、目の前にいるのは人型の魔族、暗くてうっすらとしか見えないだけどリベラは見ただけでわかる、今まで会った魔族より遥かに強い
「あなた1人でなぜ、森に入ったんですか?ドワーフがいれば少しは長く生きられたと思ういますが。死が怖くないのですか」
明らかにバカにするような言い方、それもそうだ。魔族は致命傷を負ってもしばらくすれば跡形もなく治る、人間とは明らかに違う
「別に死ぬ為にあなたの前に来たわけじゃない」
「?」
「殺す為に来ただけ」
少し間が空くと魔族は口を手で押さえながら笑いだした
「面白いですね。だけど、人間が魔族に劣っているのは明白、あなた達は骨が折れてもすぐには戻らない、寿命も短いでしょ。明らかな敗者なのです」
リベラは鋭い目で睨みつけた
「何のために私たちを見ていたの?」
「?」
「ずっと見ていたでしょ。スノウルフと戦っている時から、こっちを見ている気配がして気持ち悪い・・・」
リベラはわかっていた
(魔族が人間を見るなんてそんなの決まってる。それは・・・)
「あなた達、人間を食べるため、ずっと眠るのを待っていました」
「やっぱり・・・、ならスノウルフを倒したところで殺さなかったのは何か意味があるの。戦いで疲労しているところなら、さらに楽に殺せるでしょ」
「あまり、物騒なことを言わないでください。私はただ、ゆっくりと攻めるタイプなだけです」
魔族は倒れている木々の前に立つと、こちらを向いた。雲が晴れて月明かりが枝や葉っぱの隙間から差し魔族の角と赤髪を綺麗に照らした。
魔族はゆっくり目を開け、笑いながら言った
「改めて、自己紹介をしましょう。私は魔王軍幹部の1人、蠍座のアンタレス、以後お見知り置きを」




