アウローラ騎士団
無事、騎士団試験を突破した私は入団式が行われる日まで準備をしていた
まず、住むところだが入団式までは第2騎士団の建物の一部で寝泊まりできるらしい。そこから、入団式でそれぞれどの騎士団に配属されるかが決まる
そして、私は今机で頭を抱えていた。
「どうやって、リベラに現状を知らせられるんだろ」
街が魔族に襲われ壊滅したことと私が騎士団に入ることを伝えないといけないのに王都との道が閉鎖された今、王都騎士団にならないと通れない
窓の外を見るとカラスが飛んでいて、思った
「いいな、鳥なら空から自由に行けて・・・」
私は机をバンッと叩き、部屋を飛び出した
「フォリア、朝ごはん一緒に」
「後にして!」
試験の途中で森の中で見つけた木、子供の頃リベラが枯ら煤を作る時に見た木だ。私は森に向かい枯ら煤の木まで走った
しかし、私には魔力がないから他の魔物を倒してその魔力を使って枯ら煤を作る
「何か魔力が強そうな魔物は・・・」
目に入ったのは昨日倒してすっかり忘れていた魔物達の死体だった
「弱かったから、他の魔物に食べられなかったのか。だけど、魔力が少しでも残っていれば・・・」
枯ら煤の木に魔物達を運び木の下に置くと魔物達の魔力を吸って行った。魔物達はどんどん痩せて最終的には骨だけになった
枯ら煤の木を削ると両手に乗せてふ〜と吹いた。私は枯ら煤に今まであった事を話し枯ら煤は飛んで行った
建物に戻ると騎士が話しかけてきた
「フォリアさんお客が来てますよ」
(客?)
応接室の扉を開けるとフェルム,カリュプスがいた
「フェルムじぃさん,カリュプスじっちゃん!?」
「じぃさんじゃない!お兄さんだ!」
「じっちゃんじゃない、お兄さんだ」
いつ見ても兜の色でしか見分けられない、今はいないが末っ子のクプルムが加われば初対面の相手は驚くだろう
私は2人が座っているソファーの反対に座った、テーブルには縦長の箱が置いてあった
「フォリア、数日ぶりに会うのはとてもうれいい事なのだが今俺たちはすごく混乱しているんだ」
「確かに・・・混乱するよね、街が魔族に・・・」
「いやそれもあるんだが・・・」
「うん?」
フェルムはテーブルをバンッと両手で叩き前のめりになった
「なんで、お前が騎士団に入ることになってんだぁぁ!」
「確かにいきなり騎士団に入るなんて情報量多いいよね、だけど」
「だけどってなんだぁぁ」
「フェルム落ち着け。フォリア、お前が騎士達に連れてかれる時、団員が俺たちに回復したら手紙を寄越すって言ってくれたんだ」
「そして、昨日にようやく騎士から手紙を受け取って読んでみたらなんだよ!騎士団試験を受けているって!?」
「それで馬を飛ばしてきたんだ、そんでさっき他の騎士の人に聞いたら」
「受かりましたよって言われたんだよ、いやどう言う事だよ!?」
2人はとにかく心配して入れているのはわかったがフェルムじぃさんの動揺が強くてこちらが圧されている
扉からノックが聞こえ第2騎士団長が入ってきた
「凄い怒鳴り声が廊下まで聞こえてましたよ」
「すみません」
フェルムじぃさんとカリュプスじっちゃんを軽く睨みつけた
「すみませんでしたな、団長殿」
団長はテーブルの箱に気がついた、中には立派な剣が入っており三兄弟の印がついていた
「これは凄いですね、ドワーフの中でもかなりの腕の持ち主が作った剣です」
私はドワーフの印を見て魔族に剣を取られたことを話した
「そうか、街に売った剣で俺たち3人が作った剣は1本だけだ、まさか魔族に取られるなんて・・・」
「3人?」
「今はいませんがフェルムじぃさん達は三兄弟で長男がカリュプス,次男がフェルム,そして末っ子はクプルムと言います」
「クプルムは今リベラと一緒に王都に行っていていない」
団長は納得し自らも名乗った
「自己紹介がまだでしたね
私はアウローラ騎士団・第2騎士団、団長 ウェスペル」
自己紹介が終わるとカリュプス達は私の前に箱を押した
「騎士団に入ったお祝いだ。魔族に取られた剣は確かに俺たちが作った物だ、だから、フォリア頼むこの剣で魔族が奪った剣を破壊してくれ」
破壊などしなくても取り返せれば良いはずだ、だけどドワーフのプライドか未熟な時に作った剣を魔族に使われるのは許せないのか。未熟と言っても彼らドワーフは未だ腕を磨き続けている。何度も何度も作り続けて
「この剣はありがたく使わせてもらうね」
「あぁ、好きにしろ。たとえ折ったとしてもいい、その時は俺たちが何度でも打ち直す。俺たちの腕もより強くなり、お前も強くなれフォリア」
次の日、入団式が始まった
アウローラ騎士団の団長達,副団長達,各騎士団の代表騎士が揃った
ここは第1騎士団の闘技場、私は人が集まる場所に立ったことはない。なので今すごいクラクラする、何を言ってるか聞き取れなくてとにかく早く終わることを願う
入団式も終わり第2騎士団の部屋に戻るとベットに倒れ込んだ
「づっっづがれだぁぁぁ〜」
扉を叩く音がして声をかけると騎士が入ってきた
「お疲れ様、大丈夫?」
「大丈夫じゃない、人の圧がすごいです」
「そういえば、所属が第2騎士団になったそうだね、おめでとう」
騎士団の所属、私は人の圧で忘れていたが入団式で配属先を言われていたようだ
ふと、三つ編みが乱れていることに気がついた
「髪の毛乱れてるね。直さないの?」
(髪の毛か・・・)
私の髪の毛はベージュ色をしている。髪型も母さんが三つ編みにしてくれていつのまにか自分でもできるようになっていた
「髪の毛・・・切ろうかなぁ」
「切っちゃうのもったいなくない?」
「確かに切るのは嫌ですよ、だけど長すぎますし騎士になるならやる時にやるんです」
ハサミを手に私は髪を下ろし切ろうとするが今まで自分で切ったことがないのか手が震えた
「危ないから僕が切るよ!?」
「えっ?切れるんですか?」
「まぁね。姉がいて、たまに髪の毛を切らされてそれで上達したんだよ」
「お姉さんは今は何してるんですか?」
「王都の魔法学校に通ってますよ、姉は魔法が使えてよく意地悪をされて、困りましたが」
「魔法学校って何をするんですか?」
「魔法の勉強や訓練とかです。魔法が使える者は必ず学校に入って卒業するか魔法使いの資格を取らないと魔法を自由に使うことは禁じられているんです」
「そうなん・・・」
私はその時思い返した、リベラは魔法で魔物倒していた、それに私をこっそり街に入れる時も普通に魔法を使っていた
(あれ?もしかして、リベラ魔法使いの資格とか持ってないんじゃ・・・いやでも、前に魔法使いは最も自由で最も不自由って言っていたし・・・違うぅぅその後、本人が言ってたじゃん、あれは魔法は自由な物だけど才能によっては魔法が使えても魔力が少ないと不自由な思いをすることがあるって言う意味だ)
そんなことを私は頭の中で考えていた
「はい、終わったよ」
鏡を見ると太ももくらいの長さだった髪が腰までの長さになっていた
「ありがとうございます」
私は騎士の顔を見て名前を呼ぼうとしたが名前をそもそも聞いていなかった
「そういえば、名前聞いていなかったですよね」
「確かにではついでにアウローラ騎士団の名乗り方も教えましょう
僕はアウローラ騎士団・第2騎士団、副団長 ソルウェ。フォリアもやってみて」
「わかりました。アウローラ騎士団・第2騎士団 フォリア・・・今、副団長て言いました」
「言った」
「昨日の模擬戦闘の時いましたか」
「猛吹雪とフードを被っていたから分からなかったと思う」
(私は副団長に髪を切らせて看病までされていたのか・・・)




