第8話【仲直りはお風呂で】
黒川さんに引きずられ、お風呂に強制連行されたわたしは、仕方なくお風呂場の椅子に座り自分の体を洗い始めました。
「く、黒川さん……怒っていますか?」
「……怒ってないわ」
そう言うと、先に体を洗った黒川さんはわたしにそっぽを向くような感じで湯船の中に顔を沈めてぶくぶくを泡を出しながら答えました。
でも、やっぱり怒っている気がしますぅ……。
「そうだ! 黒川さん、お背中流しましょうか?」
「嫌よ! 何だか、身の危険を感じるもの……」
「わたし、何もしないですよ!?」
「嘘ね。この前、鼻血を出していた奴が言っても安心できないわ」
うぅ~そんなこと言われても……やっぱり、こうして黒川さんと一緒にお風呂に入るのはまだ慣れてないので……うっかり、黒川さんの綺麗な体を直視すると顔が熱くなってしまうんです……。
で、でも! それでも、わたしは決して百合じゃないですからね!?
「そ、、それに……今日はまだ鼻血出してないです!」
「まだって何よ……そんなの出さなくて当然よ。むしろ、今度出したら二度と一緒にお風呂なんか入らないんだからね!」
やっぱり、黒川さんはちょっと怒っているみたいです。全然、わたしを見てくれません。それに、そっぽを向いているからよく分かりませんが少し顔が赤い気がします。
……のぼせたんでしょう?
仕方ないので自分の体を洗い終わったわたしはそのままシャワーで身体を洗い流して、お風呂を出ようし――
「じゃあ、わたしは先に上がりますね……」
「ちょっと、まちなさい!」
「……はい?」
――と思ったら、湯船の中にいる黒川さんに呼び止められました。
一体、何でしょうか?
「湯船……入らないの?」
「えっと……体も洗いましたしシャワーもしたので湯船は良いかなと……」
本当は怒っている黒川さんが怖くてさっさと上がろうと思ったのですが、それを言うとさらに黒川さんが怒るような気がしたので誤魔化しました。
しかし、結果は変わらないようで――
「はぁ!? 信っっじ……られない! 湯船に入らなくてお風呂に入ったなんて言えないでしょうが!」
結果、怒られてしまいました。
ということで、言われるがまま、わたしは黒川さんと背を向けた状態で、一緒に湯船の中に入ることになったのですが――
「……狭いわね」
「……はい」
こ、こんなの……鼻血が出ちゃいそうですぅぅ~っ!!




