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第3話【わたしは決して百合ではありません!】



「し、失礼します……」


 わたしは緊張しながらも、そう言って浴室のドアを開けて中に入りました。

 すると、既に浴室の中に入っている黒川さん……じゃなくて、ゆゆ、優花しゃんが振り向いてこう言いました。


「何緊張しているのよ? そもそもお風呂が嫌いとか言わないでしょうね?」

「い、いえ……そういうわけでは無いのですが……」


 学校一の美少女である優花さんの裸が目の前にあると思うと……こう、見てはいけないモノを見てしまっているような感覚が、ががが……


 その時、私の緊張を見抜いたのか、又はわたしが目を手で大げさに隠しているのを見てなのか、優花さんが呆れたような声で言いました。


「何よ……別に、女同士なんだから気にする必要ないでしょう?」

「で、ですよね……」


 すると、何かを感じ取ったのか優花さんが一歩後ずさり、手で体を隠すようにしてひきつったような顔をしました。


「も、もしかしてだけど……貴方って、そういう趣味の人じゃないわよね?」

「そ、そんなことは無いです!」

「でも、百合って名前だし……」

「そ、それは、両親が『百合の花がキレイだったから』って付けた名前なだけです!」


 だから、わたしは決して百合ではないです!

 とんでもない濡れ衣です! 誤解です!


「そ、そう? ならいいけど……」

「で、ですです!」


 そう言うと、わたしの決死の弁明が届いたのか、優花さんが警戒を解くように体を隠していた手をどけてくれました。


 おかげで、透き通るような優花さんの体のラインがよく見えて――


「わぁ……」


 優花さんの体……ほっそい! 肌もキレイ! 胸も……む、胸はわたしの方がある……かな?

 でも、こんなの贅肉みたいなものだし、わたしなんかと比べたらスリムで凄く綺麗な体……


 今、わたしの目の前に、学校一の美少女がいる……しかも、生まれたままの姿で……なんかそう思うと、凄く変な気分です。


 わたしは一目見た時から、彼女に憧れを持っていました。

 とても綺麗なツヤのある黒髪に顔立ちもキリッとしていて女性にしてはカッコいいと印象を持つほどの美少女、わたしとはとても似ても似つかないほどに女性らしい人……


 その憧れた人の裸の姿が……そ、そこに!


 こんなの! アニメだったら湯気とかで大事なところとか隠してくれるんじゃないんですかぁ~っ! い、いや、別にそういうアニメを見たことがあるとかではないんですし、わたしは決して百合とかではないんですけど……で、でも、胸も下も全部丸見えで……う、うぅ~っ!


 その姿は――


「とても、綺麗……」

「ちょっと! 貴方! は、鼻大丈夫!?」


 そんなことを思っていると、優花さんが突然慌てたように口を開きました。

何が起こったのか分からず、自分の鼻に手を当てると……


「……え?」


 何故か……赤い鼻血がわたしから出ていました。



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