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第12話【イラっと来るわ】



 河川敷を降りると、そこには二人の知らない高校の制服を着た男の子二人が、わたしと同じ学校の制服を着た女の子を取り囲んでいました。



「おう、青井! 逃がしはしねぇぞ!」

「この前の借り返してもらうぞコラ!」


 すると、二人に囲まれた女の子が長くて綺麗な青髪をかき上げてあざ笑うかのように言いました。


「ザコね……」

「あ!? てめぇ、今なんて言ったコラ!?」

「なんだと!? 俺らはザコなんかじゃねぇ」


 言い返す男の子二人に、その女の子は一切怯むことなく続けて言いました。


「ザコって言ったんだけど……聞こえないの? 偏差値12の座南ざなん高校の連中が……アンタらなんて略して『座高ざこう』……つまり、ザコよ」


 あ、あれ……?

 何だか女の子が襲われていると思ってきてみたら……少し違うかも……です?

 すると、言われ放題だったザコの連中さんが怒ったのか、彼女に襲い掛かろうとしました。


「何だと、テメェェ!」

「やんのか、ゴラア!」


「あ、危ないです!」


 咄嗟に、わたしはそう叫んで彼女達の前に出ようとして――


「イラっと来るわ」


 瞬間、彼女の姿が消えて……目の前の男の子二人の体が吹き飛びました。


「……へ?」


 訳が分からずに瞬きをすると、遅れて残像のように彼女が男の子二人に足払いをして、そのまま浮き上がった身体を上空へ蹴り飛ばしたことが分かりました。


「……そこのアンタ、退きなさい」

「え?」


 すると、蹴られた男の子二人が宙に浮いてクルクルしている間に、彼女がわたしに向かって話しかけてきました。

 わたしは言われたこともよく分からず、反射的に体を横にすると――


「沈みなさい」

「「ぐがぁ!?」」


 瞬間、宙に浮いていた男の子二人が彼女の空中飛び蹴り三十連発をくらって、わたしの後ろに流れていた川の中に叩き沈められてしまいました。


「お、覚えてろ……」

「こ、このままじゃ、おわら……」


 そう言い残し、男の子二人は川の流れに飲まれて消えていって……その場にはわたしと彼女だけが残されました。



「えっと……あなたは?」

「アタシ? アタシは流子るうこ青井流子あおいるうこよ」


 それが、わたしと流子さんとの初めての出会いでした。



「てか、アンタはだれ……?」



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