メカナイズド・ハート 160話
数分もしないうちに、友軍の主力陸戦部隊が上陸する。
友軍が来てくれればだいぶ楽になる。橋頭保を維持できたおかげで一気に数個師団規模の増援が来てくれたのだ。
「これでようやく市街地に突入しても問題ない状況が来た、俺たちは引き上げるぞ!!」
「了解です!!」
ルーカスは増援部隊の指揮官の場を任せて、補給と回復のために大隊を引き上げさせる準備を始める。しかし、戦争はそう簡単にはいかない。副官が嫌な情報を上げてくる。
「隊長殿!!司令から新しい命令です!!」
「司令!?どの司令のことだ!?」
「艦隊司令です!!大隊を終結させ次第、後退して補給を受けるのではなく進出してくる敵艦隊の先鋒を押さえろとのことです!?」
「んなことできるかよ!!こっちは仲間も失ってるんだ!!弾も推進剤もねえぞ!!」
「命令です!!我々が15分押さえれば、上陸部隊は寸断されます!!」
その言葉を聞いてルーカスは思わず舌打ちする。
作戦のミスで生じたわずかな隙を埋めるために、決死どころか必死の時間稼ぎとして放り込まれる傭兵らしい使われ方をするわけだ。
「くそ、これも傭兵の定めか。大隊発進!!敵艦隊の先鋒を押さえるぞ!!」
半ば空元気で、ドックから岩の下から現れるダンゴムシのようにぞろぞろとルーカス大隊の機体たちは発進する。どの機体も最初にドックに飛び込んだ時と異なり陣形も崩れ、最前線にルーカスが立ち残りを引っ張ることでかろうじて隊としてまとまっているようにも見える。
「ふう。」
ルーカスはため息をつきつつ、艦隊司令から送られてきた座標をもとに楕円軌道でコロニーが周回する機動から金星の重力を引き離しながら、より高高度へと軌道を遷移させる。デジタル計器の一つがカタカタカタと数字をはじき出し推進剤の残量を示してくれる。その数字を見れば見るほど最悪の結末が頭をよぎる。
「良くないな、こんなことを考えるのは・・・・。」
わずか数分ぼんやりと考えているうちに敵艦隊の先鋒が見え始める。
先鋒はポッド部隊とフリゲート数隻で構成された先鋒部隊のようだ。ポッド部隊だけでもレーダー反応が72個、デカいフリゲートの反応が5つある。
「フリゲートか・・・、面倒だな。」
フリゲートは、ポッドの数倍の厚みの装甲と火力を持ちながらも、複数門の主砲とミサイルを抱えながらも高速な艦種でポッドを追い回すこともできる。平たく言えばポッドキラーである。
「敵弾来ます!!」
副官の声と共に、5隻のフリゲートが火を噴く。
大台の160話になりました。
テンポよく駆け抜けていこうと思っています。




