メカナイズド・ハート 159話
ドックに突入したドイツ軍ポッドたちは不幸だった。
元々が二束三文で招集された予備役ポッドパイロットたちで、捨て駒として敵軍の様子を探るために敵に占拠されたドックを再占領しなければならなくなったのだ。
「敵は・・・?」
「いないな?」
わずか2個小隊、8機ほどだけの機数で2枚のゲートを開けてドックに突入した彼らは、もぬけの殻となったドック内で呆然としていた。
決死の覚悟で、運良く選ばれなかった中隊の残りの仲間たちを恨みつつ出撃したのにも関わらず敵がいない。
死なずに済んだ。明日も変わらず生きられるそんな時間が心を支配してじんわりと喜びの感情が胸の中を広がりはじめた瞬間、最悪の事態が訪れる。
「敵!!」
その一言だけ無線越しに聞こえた後、背後にいたはずの友軍機からの無線が途絶する。機体を旋回してセンサーで背後の様子を捉えようとする。
機体がぐるりと旋回し終えた時、スクリーンいっぱいに敵機のレーザーブレードが広がりコックピットごと機体の胴体部を真っ二つにする。
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「思ったより弱いし数もいない!!1人も生かして返すな!!」
ルーカスは瞬時に一機を120mm砲の連射で風穴だらけにして、もう一機をレーザーブレードで両断しながら友軍機を勇気づける。
ルーカスの頭の片隅には友軍が連戦続きで消耗しているのではないかと考えつつも、勢い良く一機一機丁寧に潰していく。
そして数分もしないうちに、二枚にゲートでコロニー内部の友軍から隔絶された偵察部隊の2個ポッド小隊は、ルーカスの手によって壊滅した。
「大した奴らだ、こんな少数では孤立した時に容易にすり潰されるとわかっていただろうに。」
ルーカスは目の前にある敵ポッド部隊の最後の一機の無惨な残骸を、哀愁の感覚と共に見下ろしている。
「大隊長どの!!ゲート前方まで部隊を集結して敵の第二陣に備えたいのですがよろしいですか!?」
「構わん。やってくれ。」
「了解です!!」
ルーカスは自ら率先して戦術に対して意見を言ってくれる副官に頼りにできるなと感心しつつも、別の物事に関心を吸い寄せられる。
壁面全体をなぞるように広がる配管の数々だ。
中には人が立ったままでも通れそうなくらい大きい配管もある。やろうと思えば、十分な知識さえあれば無人ドローンを配管の中を通過させて遠隔で自爆させるようなこともできるかもしれない、もしそうなれば面倒なことになるなとルーカスは考える。




