メカナイズド・ハート 156話
多数の弾痕と摩擦痕と燃えカスでコーティングされ、いく隻もの船の残骸と凹み歪み崩れた施設やクレーン、タラップに溢れたコロニーのドックの中でポッドが蠢く。
「大隊集結!!何機いるか教えろミリアム!!」
「27機です!!」
「損失は全部で5機か!?」
「はい!!」
ルーカスは周囲に蠢くポッドたちの中で何機が無事なのか再度確認する。
「27機なら十分だ!!ドックに固執せずにコロニー内部にも歩みを進めるぞ!!」
「了解です。」
幸いにも副官のミリアム中尉も慣れてきたらしく、もうルーカスの無茶に文句を言わなくなってきた。
「ひと当たりしてダメだったら後退する!!全機陸戦準備!!」
「強行偵察ですね?」
「ああ、だがまずはドックの奥に進んでコロニー内部へのゲートを探さないと始まらない。行くぞ。」
ルーカスの大隊はドックを重い音を響かせながら少しずつ進んでいく。ドックの奥は入り組み、いくつもり横方向に続く別のドックへの通路や駐機場、ドック内で使用する重機等が置かれている。
その一つ一つを道中に潰して進むと、分厚く重く大きいゲートが見える。かろうじてゲートであり壁ではないと分かるのは、ゲート全体に書かれた注意マークや長年の使用の中で擦り込まれた深い傷によるおかげだ。
「ゲートを開けろ!!」
ルーカスの命令で、電子戦装備を持ったミリアム機が外部に露出した緊急時用の外部アクセス装置から強制的に管理装置を起動させてゲートを開けさせる。
「よしよし、あと一枚だ。」
ルーカスはそう言いながら進む。
ゲートは二重になっており、一枚目を開けて二枚目と一枚目の間の空間に入り、開けた一枚目を閉じてから十分に機密が確保されたのか確認した上で、二枚目を開ける必要がある。
わずかにでも間違えればコロニー内部の空気は外に吸い出されてしまうだろう。
「二枚目を開けろ!!」
ルーカスの言葉で二枚目が開けられる。
コロニーを守る側からは手厚い歓迎がもらえるだろう。
「来るぞ!!」
ルーカスがそう言うよりも先に、数百の砲弾やミサイルが撃ち込まれてくる。
横幅百メートル以上、縦にも数百メートルの大きさを誇る巨大なゲートはゆっくりと開き、開き終わる前から敵弾が降り注ぐ。
ルーカスを始めとした各ポッドたちは左腕部に構えるシールドを使い、損傷を抑えようとするも容易に機体は傷ついていく。
「閉じろ閉じろ!!開けるんじゃない!!」
ルーカスは敵弾に耐えながら、ゲートを再び閉じるようにミリアム中尉に命じる。




