メカナイズド・ハート 136話
その様子を見て、訓練生たちのやる気を感じ少し感動しながらも喉の調子を変えながら話をし始める。
「俺のキャリアはまだ1年しかないから対して話せることもないが、ないなりに色々と説明してみよう。」
ルーカスは前置きをした上で、自分の実戦経験を説明し始める。
「俺は元々スペインの植民地で生まれた植民地人だ。強制徴募でポッドのパイロットにされて数ヶ月ほどの訓練の後、ニッポンプライムとの国境紛争に参加して除隊。そのあとうちの会社に入って、少尉から1年以内に大尉って具合。」
ルーカスが自らの軍でのキャリアの概要を伝えると、周りに集まった訓練生達は呆気に取られている。空いた口が塞がらない者もいる。
黒髪ロングにメガネをかけた女性訓練生の1人が遠慮がちに質問する。
「少尉から大尉って・・・、普通は出世コースでも8年近くはかかりますよね?」
「戦時でも4年はかかるな、逆に降格にされる者もいる。」
「それを1年以内で・・・?」
女性訓練生の質問に対して丁寧に返したのにも関わらず、ルーカスはなぜか距離感を置かれているように感じる。
ルーカスが気がつくことはないかもしれないが、一般人でも軍での昇格は血反吐を吐くほどの努力が必要であると理解されている。その血反吐をわずか1年で終わらせた男、それは化け物でしかない。
「それって普通なんですかね?」
「さあ?数回の前線任務で中隊が小隊にまで撃ち減らされることもあるから人手不足ですぐ昇進すると思うぞ。」
「中隊が・・・、小隊に・・・?」
訓練生達は全て目をパチパチと動かして、必死に現実から目を背けようとしている。
「そんなの歩兵みたいじゃないですか・・・、ポッドパイロットならまだ安全かと思ったのに。」
訓練生に1人が今すぐ死にそうな顔をしながら、床をずっと見ている。さらっと歩兵がバカにされた気がするが、現実として陸戦における歩兵の死者は数万単位で発生するので一概に違うとも言えない。
「勘違いしているようだけど、ポッドってのは宇宙の歩兵なんだ。フリゲートや小型宇宙戦闘艇ですら埋められないニッチと地上戦における戦車を上回る前線火力のニッチを同時にこなしているのがポッドだよ。」
「ってことは?」
「犠牲はたくさん出るし、戦闘の際には常に一番乗り。死にかけるのが当たり前の仕事だ。」
その言葉を聞くと、ある訓練生は青い顔をして俯き、またある訓練生は手で顔を覆いながら、頭上を見て拝む。
そのあまりの落ち着きように、ルーカスもなんと言ったら良いかわからず、落ち着くように安心する言葉をかける。
「落ち着け、ポッドパイロットの死は一瞬だよ。」
明日は少し忙しいため投稿できるかわかりません。ご容赦ください。




