メカナイズド・ハート 134話
いつもどうりの時間帯に投稿できました。
「なんだ?入って良いぞ!!」
執務を始めた直後に扉をノックされる。
すぐに入ってこないあたりに、自分よりも階級が低い人物が扉を叩いているのだろうと察して声をかける。
「失礼します。」
その言葉と共に、ルーカスにとって見慣れた姿の人物が入ってくる。
背の低い、幼さの残る顔立ちと栗色の髪の毛を持つミリアム少尉だ。しかし、普段は10時頃にこの部屋を訪れ朝の報告と処理すべき書類を持ってくるところを、何も持たず1時間早くきている。
「一体どうした?」
「私は特になにも用はございません。しかし、彼は訴えたいことがあるらしいです。」
「ほう?」
その紹介で訓練生の一人が入ってくる。
背の低い訓練生だ、パイロット向けの背丈基準値をギリギリで通り抜けた程度の背丈でミリアム少尉よりもわずかに低い。それでいながら横周りは太く、長く過酷な軍とPMCでの生活で相当筋量と体重が増えたルーカスよりもさらに重そうに見える。その上、鼻の上には眼鏡も持っている。
当人の髪の毛を借り上げてすらあふれ出す、根暗そうな雰囲気の彼に一瞬なぜ訓練生試験を突破し訓練生にすらなれたのかと不思議に思う。
しかし、訓練生がミリアム少尉の紹介を受けて前へ一歩ずいっと踏み出すのを見て考えを改める。彼の目の中には確固たる意志が見える。
その様子をみて、ルーカスは俄然興味がわき出し訓練生が口火を切る前に、話しかける。
「君の名前は?」
いきなり名前を聞かれて一瞬動きが止まった彼は、直後に動き出し敬礼と共に自らの名前を名乗りだす。
「マチェイ・アダモウスキ訓練生です。本日はお願いがあってまいりました。」
「なんだい?」
「実戦経験が豊富なあなたにぜひ教鞭をとってほしいのです。」
「は?」
ルーカスは目の前の小男が口にした言葉に驚き、ありのままの感想を口にしてしまう。
上官から「は?」と言われ一瞬怯んだマチェイ訓練生は、たじたじになり撤回することなくそのようなお願いをする理由を説明をし始める。
「大尉どのは、多数のキルレコードと多くの出撃回数を持つエースであるとお聞きしています。ぜひ一度でも良いので我々訓練生にその秘訣を教えていただけないでしょうか?」
「そんな事聞いてどうする?」
彼の説明を聞いてルーカスはいぶかし気に目を細めながら、なぜそんなことが知りたいのかと問い直す。すると目の前の小男は確固たる意志を感じさせる目でまっすぐと見通してくる。彼は言う。
「私はちゃんと故郷の地をもう一度踏みたいのです。それに一人の男としてエースというものの名誉と強さの頂を登ってみたいのです。教えていただけないでしょうか?」
ねむねむにゃんこ。




