メカナイズド・ハート 129話
早めの投稿になります。
新しく部下としてついた教官ふたり、ヤン・カピンスキ少尉とユリア・グレツキ少尉、そしてルーカスの副官であるミリアム少尉と訓練生向けの訓練課程を練っていると、そうそうに課題が浮かび上がってくる。
「いや〜、時間が足りないなぁ。」
そう言いながらルーカスは頭を掻きむしり、頭を抱える。
「うわっ、汚い!!」
副官の言うことを無視しつつ、何か名案はないかとルーカスは部下の教官2人に意見を求める。当然、2人とも意見などはそう簡単には出せない。
「わかりません。軍が今まで提供してきた訓練課程は最低でも150時間の基礎座学、1500時間の応用座学、2000時間の実機操作時間を要求しています。」
「うん、それはまず無理だな。我々に与えられた時間は3週間だけ、時間に換算すると500時間程度だ。」
ルーカスは、ポーランド軍が新人ポッドパイロットに要求する短期訓練課程ですら練習生たちに教え込めないということを、ヤン少尉から説明される。
似たような訓練課程はどこの国家、軍隊でも当たり前のものとしてやっており、ルーカス本人も自らの体験した課程昨日のことのように思い出す。
「おまけに訓練用の機材も手元に十分にありません。シミュレーション機は6台、下等練習機と高等練習機はそれぞれ2機ずつあるだけです。」
今度は訓練機材の面から、訓練課程を3週間では不可能であるとユリア少尉からも説明される。
「う〜ん。」
「訓練課程を短縮しますか?」
ルーカスが頭を悩ませていると、副官のミリアム少尉が助け舟らしきものを流してくる。
「でも、すでに現在の訓練課程でも最大限切り詰めてましたね・・・。」
しかし、直後に副官本人の言葉でその船は沈められる。
「仕方ない、教育課程を最大限切り詰めて3週間に無理くり縮めよう。」
「可能ですかね?」
「わからん。が、これ以上議論しても与えられた時間は増えないだろうし、与えられたカードでどうにかするしかあるまい。」
ルーカスは肩を下げ、どうしようもないと全身を使って示しながら、訓練生たちの教育課程を縮めると決定する。ほか二人の教官や副官では立場上決定できない決断である以上、ルーカスが率先してやるしかない。
「では具体的にどこを切り詰めますか?」
「一番時間を食っているのは、応用宇宙航法と編隊飛行の訓練だろう?その部分を消そう。」
具体的にどこを切り詰めて、教育課程を3週間以内に収めるのか聞いてくるヤン少尉に対してルーカスは肩を再びすくめながらも伝える。しかし、その言葉にルーカスの周囲は驚きに包まれ、目を見開く者もいる。
「・・・よろしいのですか?どちらもポッドパイロットが宇宙での戦闘で必要不可欠なものです。単純な短縮ですらなく、一切教えないとなると宇宙空間で敵と接敵する前に遭難しますよ?」
「かまわない、元からこれ以上の短縮が不可能なほど限界まで切り詰められた教育課程なんだ。これ二つを切り捨てるだけであわせて1000時間は減らせるだろう。それとも何か名案が?」
「・・・ありません。」
「ならば決定だ。」
おずおずと前へと踏み出し遠慮しながらも、反対の意思を示したのはユリア少尉だ。
しかし、だれも代わりになる案を持っていない。
結果として訓練課程の短縮のための応用宇宙航法と編隊飛行は、満場一致で完全に切り捨てられる。
しかし、いまだ3週間に収めるには決定的に時間が足りない。
最近私生活の方が忙しくなっているので投稿ペースが低下する恐れがあります。




