メカナイズド・ハート 118話
次の次の次の次話くらいで対ゲリラ戦も終わるかと思いマッスル。
ズンッ ズズンッ ズンッ ズズンッ
ルーカス中隊が発砲した砲弾は、正確に数キロ離れた目標地点に命中し120mm榴弾が全てを薙ぎ払う。各砲弾に含まれた小破片が建物の安物のコンクリートを突き破り、炸薬の衝撃がドミノのように建物の壁や柱を砕いていく。
砲弾が降り注いだ市街地の通りは悲鳴と恐怖、怒りで一杯になりただでさえテロで混乱していた通りは再び混沌に再び突き落とされる。
「撃ち方止め!!止め!!」
ルーカスは大声で怒鳴りながら、各機に対して発砲を止めるように言う。
ルーカスの命令で各機の砲が火を噴くのを止め、市街に静寂が訪れた時にはすでに市街は瓦礫の山になっていた。
「目標破壊確認。次目標へと移動開始!!」
ルーカスは、機械になる。
全自動的に目標の指示を受け、射線を確保し、粉々に変えてしまう機械だ。
1つ2つ3つと目標が破壊され、コロニー全体に輝く炎とモクモクと上へ上へと昇っていく煙が増えていく。その破壊の跡を背景に、200トン近い鉄の巨人たちが装甲車や歩兵と共に市街地を行進し不審人物は即座に機関銃で撃ち倒していく。
「お願い!!助けて!!」
そのようなありきたりな悲鳴あるいは懇願の声の直後に、機関銃の銃声があたりに響き渡りその声がしぼんでいく。砲撃とテロの災禍を回避し、身を寄せ合い隠れる家族を暗視装置や赤外線装備で発見され、頭か背中を撃ち抜かれる。
ルーカスが自らを狂気の機械から、解放できたのは20個目か、21個目かの目標を吹き飛ばした時だ。
「あれは・・・・。」
ルーカスはそれ以上言葉を続けることはできなかった。
彼の瞳の中には炎にまかれ、痛みで泣きわめきながらなんとか自らを舐める炎を消そうと路上をのたうち回る子供たちが見える。
かれらは炎から逃れられずに、炎の鍋の中でグツグツと焼かれ煮込まれていく。
ルーカスは視線をそらすことができない。ルーカスは自らの手で焼き死ぬ運命に追い込んだ、自らの半分以下の年齢の子供たちの最後を3キロ離れた場所から照準器越しに見とる。
「ああ・・・・。」
ルーカスは一言も話すことができない。
次第に、一杯一杯になった感情が落ち着き始める。まず涙が目の隅から流れ出し、口元がわなわなと揺れ出して、最終的に空虚となった。
全ての感情が抜けきると、今度は理性が自身に対して語りかけてくる。
「ああ、こんなのでは対ポーランドゲリラは止まらないな。こんな戦いでは、戦争も終わらないよ。」
どこか諦めと自己嫌悪に包まれた体と目で、ぼんやりと隊の部下たちを後ろに控えさせながら、炎にまかれ死んでいった黒い焼死体、ガラス片が突き刺さりボタボタと血を流した男たち、コンクリ片があたり体が曲がってしまった女たちをボンヤリとみている。
良い子は12時には寝ましょう(n敗)




