メカナイズド・ハート 117話
ええ感じの時間帯に投稿です。
「各機!!戦闘隊形に展開!!」
ルーカスの言葉で、ルーカスの後に続き縦隊で市街地を進んできた部下の機体たちは横隊へと自然と機体の向きを変える。
その様子を見て、ルーカスは満足げに小さくうなずく。戦闘によって損耗した人材の交換はいつまでも来ず、各機付属の低性能なシミュレーター以外の訓練設備も機会もないが、幸いにも隊員たちは十分な練度を維持できているようだ。
「各機戦闘態勢に移行完了!!」
「よし!!部隊を戦闘態勢のまま少しづつ前進させろ!!攻撃目標は本部から送られてくる。射線が確保でき次第破壊していけ!!」
「了解!!」
戦闘態勢を取り終わったことをセルゲイに伝えると、すみやかに進軍させるように命令を受ける。一度停止した機体を僚機たちの動きに合わせながら少しづつ加速させていき、市街地を再び踏み荒らしながら進んでいく。
テロのパニックから乗り捨てられた車、車上荒らしを受けた車、長い間路駐されていた車たちが200トン近い重量を持つポッドたちにぺしゃんこにされていく。
ズズン
不意に炸裂音が真下から響く。
「こちらルーカス、ルーカス中隊各機へ、踏みつぶした路駐車両内に即席爆発物の可能性あり。路駐車両との接触は避けろ。」
ルーカスは落ち着いたトーンで真下で爆発があってもどこ吹く風で部下に連絡を一本飛ばす。
ピピッ
師団司令部からデータリンクで攻撃地点のデータが送られてくる。
師団全体を包み込むデータリンクは、デジタル上で各部隊の位置や状態、敵部隊の位置や状態を共有し効率的に部隊ごとに行動ができるようになっている。
「各機へと攻撃地点を共有、射線が確保でき次第中隊でブロック丸ごと木っ端みじんにする。」
必要な情報を中隊全体へと供給し終えると、ルーカスは間隔を尖らせながら周囲の建物の窓という窓、屋上という屋上を見下ろし見上げながら、敵のATGMや携行対戦車火器、火炎ビンや即席爆発物による攻撃を警戒し続ける。
もし敵パルチザンが馬鹿の集まりでなければ、なにかしらの抵抗をヒットアンド・アウェイを繰り返しながら行うか、しっぽを巻いて逃げほとぼりが過ぎ去ったころに再びテロを起こすだろう。
どちらにせよ、重火器で武装した正規軍に対してできることは少なく、ポッドに対しての脅威は少ない。しかし、ルーカスは自機をパルチザンが隠し持っていたポッドに自機を破壊されてから、決して敵を甘く見ないように気を付けていた。
しかし、それは杞憂に終わる。
「目標地点確認。中隊各機照準、射撃開始。」
ルーカスの少ない命令に合わせて各ポッドが、腕部のモーターを駆動させて数十トンする重い鉄の塊を持ち上げる。その先には戦車砲なみの大きさの砲がライフル型の武装として搭載され、パイロットが引き金を引けば一瞬で大量の砲弾が敵に降りかかる。
そして今中隊すべての砲門が、火を噴く。
次話もおよそ10時半ごろに投稿される予定です。




