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メカナイズド・ハート 105話

ようやっとひと段落突きましたね。


「なあベル、結局シミュレーターモードでは一度も勝てなかったけど、何か勝利の秘訣とかあるのか?」

「あるよ、いっぱいある。戦いは運じゃなくて経験と知識、頭の良い人たちの考えた戦術によって支えられてるからね。」

「へえ。兵器の質とかは?」

「それぞれに癖があるからそれ次第かな?でも長距離高速戦闘だと性能の差が勝敗に影響しやすい気がするな。」


ベルは身の上話を終わらせたおかげか、だいぶ精神的に楽になったらしく気楽にペラペラと舌を回転させまくり気前よくいろいろと説明してくれる。そして彼女がみずからの知る知識を展開するたびに優れた西側の教育システムに教育されたルーカスやエミーですらたびたび驚かされる。


「ルーカスの機体【ANGEL(天使)】はほぼすべての性能において平均以上の能力を示す機体だから、敵が長所を押し付けてくるのを避けつつ返す刀で敵の短所をつつき続ける必要があるよ。」

「ほう。でもそれは実際にはどうやって?」

「状況次第敵次第。結局汎用性が高くて柔軟な運用ができるのが強みだから下手に一つの動きにこだわりすぎずに勝てないとなったら早々に切り上げて、別のやり方で挑んだ方が良いと思うよ。幸いにも比較的軽量な機体だから容易に加速して仕切りなおせるし。」


ベルの説明に対して質問をするたびにベルは、どこからともなく取り出した小さい丸眼鏡を取り出して鼻にかけたうえで質問以上の熱量で回答を返してくれる。


「じゃああたしの【ホブゴブリン】は?」

「ん~、アンタの【ホブゴブリン】はもっと速度を生かさないとむずいと思うよ?ロール率が誰よりも酷い以上。 」

「そっかー、でも重量気だからエネルギーを一度失ったら加速むずかしくない?」

「いや高速域から中速域までの単純旋回能力はとてつもなく高いから、Gにさえ耐えられるのなら全力でひっぱっても大丈夫だよ。」

「なるほど。じゃあアンタの【アースフィション】は?多分聞くまでもなく高速ロールだろうけど。」

「ん、実際私の【アースフィション】は凄まじいロール率があるからね。二人がやってたような尻にかぶりついて120mmを狙うのはあきらめた方が良いよ。」

「「じゃあどうすれば?」」


その質問に対してベルは、眼鏡をくいくいっと動かした上でどや顔で答えを興味津々な生徒二人に授ける。


「一番いいのは、正面から突っ込んで撃ちあうヘッドオンの際に有効打を与えつつロール回避ではなく機首の上げ下げで対応する方が良いよ。それがダメなら単純旋回をメインにした機動がいいよ。」


彼女が会話を続けていくうえで、口を開き知識が出されるたびに驚かされると同時に自分自身の無知さが恐ろしくなる。もし今までにベルのような一対一の格闘戦に優れたパイロットとタイマンをしていたら死んでいただろう。


そして知識は力に直結すると改めてルーカスは理解した。

メインストーリーを再始動させます。

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