↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
96/178

ゾンビ王国4

(白夜!そっちに行ったよ)


(はい!お任せを!)


順調に進んでいった僕達の前にゾンビレベル1とおもわれる団体さんがいた。

その数20体はいると白夜が告げる、闇の精霊だけあって白夜には暗闇でも見えるようだった。


とても羨ましい。


結構広い空間のある場所に出たとおもったら、そこに集まっていた奴等を白夜が見つけた。


ゾンビの数が多いのが足音と気配で僕にもわかる。

この先を抜けると下に降りる階段があると亮さんが教えてくれた。

ここまで来るのに五時間経過している。

倒したゾンビレベル1は13体。


僕と白夜はレベル3まで上がっていた。

僕は身体能力、白夜は魔力が上がったぐらいでたいした変化はない。

倒したゾンビから出た魔石も全部屑(くず)魔石だった。


(どうしますマスター?)


物陰から隠れて様子をうかがっていると白夜が聞いてきた。

隠れる必要はないと思うが念のためだ。


(もちろん倒すけど数が多いね。やるなら一気に行こう)


静かに近づき殴り倒す。

その繰り返しだが、絶対に気づかれるだろう。

奴等は1度戦闘モードになると仲間など眼中になく突っ込んで暴れる。

その際にでる音に反応して手当たり次第攻撃をしてくるので厄介だった。


ここに来る前に複数いたゾンビレベル1でそれは実証済み。

狭いダンジョンの道に3体いて1体を攻撃した際に音をたててしまい、それに反応して奴等は仲間同士が傷つくのも無視をして向かってきた。


近くにいた1体を蹴り飛ばし同士討ちをしているところを白夜と二人で止めをさしたがそのゾンビの体の損傷が酷かった。


「なんて力だ。ゾンビ同士ただ殴りあっていただけで、体が欠損している」


「腐っていて脆くなっているだけではマスター?」


「いや、ここのダンジョンは寒いからそれほど腐ってはいなかったよ。明らかにパワーが半端ない、骨ごと叩き砕かれている」


もはや見慣れたので腰を落としゾンビを検分していく。

その内、女性が1体いたがそのゾンビが一番攻撃性があった。


それを思いだし目の前のゾンビの団体を見る。


(さて、どうしようか?)


この広い空間で動き回るか、この狭い道に誘導して各個撃破していくかだが………………。


ここまで来るのにほぼ一本道だった。

途中で短い脇道はあったがすぐに行き止まりだった。

ここまで誘い出すとすると亮さん達にはかなり後方まで下がってもらうしかない。


どうしようかと悩んでいると。


(マスター、私は動き回る方がいいです。一斉に狭い道に来られると逆にやりにくいので)


僕の悩みを察してか白夜がそう提案する。

確かにすし詰め状態で相手をする可能性があるとなると危険度が増す。


倒したゾンビに動きを阻害されてかえって命の危険をおかすかもしれない。

ならばと目の前の広い空間にいるゾンビ達を見ると先制攻撃で5~6体は一気に倒せそうだ。

それから先は暗くてわからないが、うまくいけば残り14~15体。こいつらは力は強いが動きは遅い、白夜と二人なら上手くやれるだろうと思う。


問題はゾンビを視認する為の灯りをどうするか………。

僕はギフトを取りだしなにか使える道具がないかを探す。

するとガソリン缶3Lの文字を見つけた。


(ガソリン?なんでこんなものが?)


側にいる桜にガソリン缶の事を聞いてみると。


「簡単に火が着くから」


シンプルな答えがかえってきた。


「これも立派な武器だよ直斗くん。桜の言うように火も簡単につけられるし、ゾンビを燃やすこともできるすぐれものさ」


それを聞いて僕は白夜の言うように前に出て戦うことを選んだ。

準備の為に来た道を戻り倒したゾンビレベル1を引っ張ってくる。

ここのダンジョンのゾンビは倒してから30分放置でダンジョンの中に吸収されて消えていくのが確認されていると亮さんが教えてくれた。


吸収されてまた復活するのかは知らないが邪魔なゾンビが消えてくれるのはありがたい。

だが、今はそのゾンビが必要だった。


亮さんの手を借りて最後に倒した子供ゾンビレベル1を音をたてずに団体ゾンビのいる場所まで持っていく。

子供ゾンビを見つけたとき、白夜はわざとなのか感情を無くしたような声と表情で僕に子供のゾンビの事を教えてくれた。


この子供ゾンビを僕は躊躇いなく倒した。

短い髪の男の子だった。

躊躇なく倒した事で亮さんは感心したように頷き、桜は無表情で何を考えているかわからなかったが嫌な感情を僕に抱いていないと思った。


「こいつをどうするだ直斗くん」


闇の向こうで蠢くゾンビ達に気づかれないように小声で尋ねる亮さんに。


「暗くて倒しにくいのでこれを灯りの替わりにします」


ギフトの中に入っていたガソリン缶容量3Lを取りだし亮さん見せる。


「それ貴重品。あんまり大量に使わないで」


亮さんの後ろからヒョイと顔をだした桜が何をするのかを察して口をだす。


「まあ、妹の言う通りだね。大昔は使っていたみたいだけど、もう生活では使用されなくなっていてね。もう手に入らない物だ。少量で簡単に火がつくからこんな場所では重宝するよ。だから考えて使ってほしい、その1缶しか持ってきていないんだからね」


二人に注意をされたので、かけすぎないように子供ゾンビにガソリンをかける。

ガソリンの臭いが辺りに広がった。

その臭いでゾンビがこちらに来る寄って来ることはなかった。


火をつける前に子供ゾンビの足を亮さんが手の方を僕が持ち桜が火をつける。

子供ゾンビの胸から腹だけが勢いよく燃え上がった。


( (せ~の))


打ち合わせ通りに子供ゾンビの体を左右に大きく揺らす。

心の中でタイミングを合わせて団体ゾンビの中に火のついた子供ゾンビを投げ捨てた。


ドサと火のついた子供ゾンビが団体ゾンビいる空間に落ちる。

暗闇に子供ゾンビの火が辺りを照した。

理由はわからないが奴等が共食いをする事がないことは聞いていたし見て納得した。


これだけのゾンビがただウロウロとお互いを攻撃するわけでもなく歩いている。

投げ捨てられた子供ゾンビの音でゾンビ達がそこに集まる。

最初に近づいたゾンビの頭に火が移り特に暴れる事もなく離れていく。


ゾンビの団体さんはそれが食い物ではないと判断したのか徐々に子供ゾンビから離れていった。

だが5体ほどに火が移っていて暗闇を明るく照す。


(白夜、行くよ)


(はい。マスター、私は左から行きます)


ゾンビの位置がわかるようになり、隠れていた場所から飛び出す僕と白夜は近くにいたゾンビから殴り倒す。


(白夜、火のついているのは最後だよ)


コクリと頷きゾンビを殴り倒しながら白夜は左の方へと移動していく。


相変わらず彼女の動きは素早い。

のろまなゾンビが止まって見えるほどだった。

小柄な体で全身を使って重い一撃をゾンビに当てていく、彼女の放った一撃でゾンビの頭が弾けている。


少女がゾンビの頭を吹き飛ばす異様な光景が所々照らされた空間に映る。

僕も負けずに1体1体を殴り倒しながら進む。

ダンジョン内に響く打撃音と破裂音、その音に釣られてゾンビ達が群がってくる。


想像以上に広い空間だった、僕は慌てず周りを確認しながら近づいてくるゾンビを殴り倒す。


(白夜!そっちに行ったよ)


ここにいた最後の1体が白夜の方へと行ったので念話で警告をする。

白夜からわかってますと返答があり僕は辺りを警戒することにした。

子供ゾンビの火だけがまだ辺りを照らしている、時間的に子供ゾンビが途中でダンジョンに吸収されると思ったけどまだその場に残っている。


(場所を移動させると吸収される時間が変わるのか?)


ブーンブーン………………


(うん?)


皮の鎧の内側にしまっているスマホが震えている。

念のためにとマナーモードにしていたのを思い出した。


「お疲れさま」


「本当に君達だけでいいんだね。驚いたよ」


安全が確認できたのか亮さん達が灯りを持って側に来ていた。


「念のため、注意をしてくださいよ。打ち所が悪いゾンビがいるかもしれませんし」


「わかっているよ直斗くん。僕らは魔石を回収するからかわりに警戒を頼むよ」


「はいコレ」


桜から灯りを受けとり二人魔石を回収しにいった。


「マスター、これで一段落ですね。これからどうします?」


この場所から階下に降りることができるとのことだが、一旦休憩をしたほうがいいだろう。

問題は奴等が復活するのがどれくらいかかるかだが………。




ギフトから2つのテントを出してこの場でキャンプをすることにした。


1つは僕と白夜がもう1つは亮さん達が使う。



「テントを出すよ」


結果的にゾンビが復活するのに24時間かかることがわかった。

これは亮さん達の前の人達が観察した結果だと言う。

念のため亮さん達は交代で見張りをやるよと言ってくれた。


テントを張り終え、桜がおこした火を囲み食事をするる。

意外にも食事を作るのは亮さんの役目だった。


「いや~、桜は家事が駄目でね。いつも僕が作っているだよ」


「兄さんの方が美味しいし問題ないでしょ?」


聞けば彼等の両親は他界していて兄妹の二人暮らしだという。

そんなやり取りにもお互いを思いやる感情が見えた。


「マスター」


どことなくしんみりとしていた僕に気づいた白夜が心配そうに見上げる。


「ん、大丈夫だよ。ありがとう白夜」


僕は誤魔化すように白夜の頭を撫でて亮さんの作った食事をいただく。


「お!美味しいしです。亮さん」


白いご飯に味噌汁と野菜の炒め物と簡単な料理だったがとても美味しいかった。

食事が終わり僕と白夜は早々にテントに入り休息をとる。


「あっ!」


「どうしましたマスター?」


寝袋に入りさあ寝ようかと思った時にスマホが震えていたことを思い出す。


「いや、明日でいいや。おやすみ白夜」


「?、おやすみなさいマスター」


テントの中で二人並んで僕達は眠りについた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。