戦闘2日目
白夜の予想通りに初日の戦闘は60体のゴーレム倒して終りを告げた。
午後9時を過ぎて門が自動的に閉まる。
「今日はこれで終わりだな」
「はい。下に行きましょうマスター」
あの後、白雪がサクッとゴーレムを倒してこちらに戻って来ていた。
白夜の用意したお風呂に浸かり疲れをティーアと癒しているだろう。
白夜は辺りを警戒をしていた直斗を門が閉まると同時に呼びに来ていた。
直斗はそれに頷き白夜と階段をくだる。
「マスター、食事にしますか?お風呂にしますか?………それとも………」
「ん?、それ以外があるならまずそれを頂こうかな?」
「ひゃい!………本気……ですか?」
急にモジモジとし始めた白夜に直斗は何故そんなに頬を赤らめるのかがわからずに白夜を見つめる。
「では、あちらの家で………その………用意しますから!」
と言って白夜は直斗達が集まって過ごしている門の近くにある家の隣の家に入っていた。
「?、何故そんなに慌ててるんだ?」
直斗は首を傾げながら、白夜が入っていった家に向かい歩いていった。
その途中でお風呂から出てきたティーアと白雪を伴い、白夜のいる家に入る。
「マ、マスター!………ってティーアさんと白雪?………」
「ん?、来る途中で会ったから連れてきたんだけど?」
「えっと………………マスターが命じるなら………その………覚悟を決めます!」
家に入ると何故か白夜は一緒にいたティーアに驚きの目を向ける、それを見て思案するも何かを決意した表情になり直斗に迫る。
「え?、これから決めていうと思うんだけど。そこまで言うなら白夜には負担をかけると思うから頑張ろう」
「はい!………がんばりまふ!」
「直斗、白夜は何か悪いものでも食ったのか?気味が悪いぞ?」
異様に興奮気味の白夜にティーアは弱冠引き気味だった。
「貴女もここに来たのですから覚悟を決めなさい!………ね、マスター」
上目使いで直斗を見る白夜に何かおかしいと感じながらも直斗はそれに頷く。
「うん。ティーアにも頑張ってもらよ」
「うん!任せろなのだ」
「わ、私だったて負けません!」
気合いの入った二人を見て直斗は明日の行動について語る。
「明日は更に敵が強くなると思う、基本は今日のようにティーアと白雪で敵にあたる」
ティーアはそれに頷くが白夜は予想と違う話に困惑気味に目を泳がせている。
「今日の戦いでは出番が無かった門の前の防壁も、明日はとりつかれるかもしれない。その時は僕と白夜がそれを取り除くからティーアは魔法で遠くの敵をこうげきして」
「わかったのだ!」
力強く返事をするティーアから、何も言わない白夜を直斗は心配して見つめる。
「白夜?」
「はっ、はい!なんでしょうか?」
「どうしたの?」
「………………いえ。何でもないです。何か………勘違いをしていたようです」
そう言うと白夜は顔を伏せてしまった。
直斗は心配して白夜の顔見ようと下から覗くように見ると、顔を何故か真っ赤にしていた白夜に見ないで下さいと叩かれてしまった。
白夜は大丈夫ですからと言って直斗を遠ざける。
直斗は訳がわからずに困惑していたが、ティーアがここは私に任せるのだ!と言ってくれたので、直斗は食事のよういがしてある家に行き食べることにした。
食事が終わり、お風呂に入る。
十分にお風呂を堪能した直斗があがると白夜とティーアが家に戻って来ていた。
声をかけると何時もの白夜に戻っていたので、直斗はホッとしてティーアに礼を言って就寝した。
翌朝、目が覚めると寝床に潜り混んでいる白夜がいたことで直斗は安心して戦いに挑めると思った。
2日目の戦いの幕があがった。
すでに敵ゴーレムは直斗のいる町の門の遠くに並んでいる。
ざっと、300体ほどだろうか直斗が姿を見せると大盾を構えて進軍してくる。
大盾と槍を構えたゴーレムが50体ほど来るのを見て直斗はティーアに攻撃をさせた。
「ティーア、あの大盾を砕けるか?」
「………やってみるのだ!」
昨日と同じようにティーアは射程距離に入ったゴーレムの1体に向けて魔法を放つ。
ティーアが魔法を使ったのを感じたのか、ゴーレムが大盾を構える。
バシ!
軽い音が大盾から聞こえたので、見てみると魔法を防ぎきったようだ。
大盾も表面が削れているがまだ使えそうだった。
「なかなか固いね。ティーアはそのまま待機、白雪が隊列をくずからその隙に魔法を放って」
「うん、わかったのだ」
ゴーレムは盾を構えたままジリジリと前進してきた。
そこを直斗は白雪を使って隙を作ろうと試みた。
白雪は直斗の命令通りにゴーレムの裏に回る。
すると後方のゴーレム部隊から白雪に目掛けて石弓から石矢が放たれた。
味方ゴーレムを巻き込んで、石弓から放たれる石矢が大量に降り注ぐ中を白雪は駆け抜ける。
そして密集して前進していたゴーレム隊の背後から中へ強引に入って行く。
白雪が前へと進む度に隊列が乱れ、後方から石矢が降り注いだ。
そんな状況でも先発隊のゴーレム隊はお構い無く進む。
味方の背後からの攻撃も構わずに。
「まさか味方を攻撃をするとはね。こちらは楽で良いけど」
「しかしマスター、弓隊のゴーレムが白雪を追って前進してきています。このままではこちらにも矢が届きますが?」
白夜の言う通り、ゴーレムの弓隊80体ほどが前進して先発隊のゴーレムに矢を放っている。
白雪がその中にいるので狙っているのだろうが、このままでは不味い事になりそうだと直斗は思った。
ティーアは己の仕事をこなしている、白雪が先発隊に潜り込んだ為に盾を構えられないゴーレムが数多くいる。
しかも頭上からの石矢で倒れているゴーレムもあり、ティーアはその隙をついてゴーレムを打ち倒していった。
先発隊のゴーレムが減っていくと、白雪も動き易くなる。
白雪は頭上からの石矢を無視して、前へと加速していくと先頭まで飛び出した白雪はそのまま門の前の数枚の壁を上がり直斗の元に戻った。
「おかえり、白雪」
直斗は壁の上から戻ってきた白雪の体を触る。
怪我など無いかをチェックすると無事のようだった。
それに安堵して白雪に後ろで休むように言うと白雪は後ろに下がっていた。
「直斗!。先発隊はもうすぐ片がつくがその後ろの弓隊は私ではやりずらいのだ」
ティーアが大声で直斗にそう言うと直斗は、ティーアから離れた位置に作った何かの発射台まで行った。
左右10台の発射台に巨大な石矢が備えてあった。
「マスター、これを使いますか?」
いつの間にか直斗の側に来ていた白夜がたずねてくる。
「試し撃ちにはちょうどいいと思う」
「わかりました。狙いと矢の補充は白夜にお任せを!」
「頼んだよ白夜」
迫り来る先発隊はティーアの攻撃でもう見る影もなくっている。
荒い息を吐きながら、ティーアは頑張っていた。
直斗は矢を放ちながら前進してくる弓隊ゴーレムを見つめる。
発射台の下で白夜が弓隊に向けて狙いをつけていると。
「どうぞマスター!」
その声で直斗は発射台の上に置かれている石矢の後方から、風の結晶をガントレットにはめ込む。
片腕に6箇所、はめることが出来るようになった直斗のガントレット。
セットした魔法結晶を直斗が使用すると結晶が自然と外に放り出される。
直斗は両腕6ヶ所に風の結晶をはめ込むと石矢の筈の部分を殴り易いように改良してある場所におもいっきり拳をぶち当てた。
拳の先端に集まる風魔法の力をそこに集めるて放つと、石矢の筈から風の魔法が推進力となってゴーレムの弓隊を目掛けて飛んでいった。
ドゴゴゴ!!!!
直斗が放った巨大な石矢は、弓隊ゴーレムの先頭に当たりそのまま突き抜けていった。
直斗達は場所を変えては巨大な石矢を弓隊に放っていった。
巨大な石矢で蹂躙された弓隊はほどなく消滅した。
セットしていた10台の発射台の上には石矢は全部、無くなっていた。
「お見事でしたマスター!」
「白夜もね。先発隊のゴーレムはティーアが片付けたし、弓隊も片付けた。後はあの部隊だけかな?」
「そうですね。約200体ぐらいですか?次はどの手で来るんでしょうね?」
「さあ?、でも準備はしておこうか」
「はい。巨大石矢作りですね。頑張ります!」
そう言って白夜は巨大石矢を発射台の上に作っていっている。
直斗はそれを見ながら戦闘の実感を感じていた。




