↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令息に転生した俺は改心しない  作者: まゆな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
52/60

ハーレムに理解ある嫁

マリアを側室にしたことで、アレンの屋敷には新たな変化が起きていた。


メイドの応募者が増えたのだ。


理由は単純だった。


アレンの屋敷で働けば、普通の貴族家のメイドよりもかなり高い給金がもらえる。


しかも、この屋敷には妾候補となるメイドがいることも、すでに社交界では知られていた。


「アレン様の屋敷なら、もしかしたら私にも……」


そんな期待を抱いて応募してくる者まで現れるようになった。


最初の頃のアレンなら、そこまで積極的にメイドを増やすことはなかっただろう。


しかし、今のアレンには妙な考えが定着していた。


――悪役令息たるもの、メイドを侍らせているくらいでなければならない。


自分が知っている悪役令息像を思い浮かべるたびに、そんな考えが強くなっていた。


「悪役令息として、ここは妥協できないな」


アレンは真剣な顔で言った。


執事長は少し困ったような顔をしたが、屋敷の人員として必要な範囲を確認しながら採用を進めていく。


こうしてアレンの屋敷には、少しずつ新しいメイドが増えていった。


そして当然のように、彼女たちの中にはアレンの妾候補を目指す者もいる。


セリナもその状況を知っていた。


「また新しいメイドが増えたんですね」


「そうだ」


「そうですか」


セリナは特に気にする様子もなかった。


「嫌じゃないのか?」


アレンが尋ねる。


「どうしてですか?」


「俺の周りに女性が増えているんだぞ」


「アレン様はこの家の当主です。それくらいの甲斐性があってもいいと思います」


セリナはあっさり答えた。


アレンは少し驚いた。


「……寛容だな」


「私もアレン様と結婚した以上、家の事情は理解していますから」


セリナにとっては、それほど大きな問題ではなかった。


アレンが責任を持って家を維持し、領地を治めている。


自分との結婚生活も大切にしてくれている。


それならば、屋敷に女性が増えることを問題視する理由はなかった。


「なるほど」


アレンは満足そうに頷いた。


自分の価値観を理解してくれる妻がいる。


それはアレンにとって、とてもありがたいことだった。


そして、その後もアレンの屋敷では新しいメイドが採用されていった。


アレンはそれを、


「悪役令息として当然のことだ」


と思いながら受け入れていく。


領地では税を使って豪華な結婚式を挙げた。


自分のために作った温泉地は勝手に発展した。


セリナの領地を救った結果、婚約者を得た。


メイドを増やした結果、屋敷はさらに賑やかになった。


本人は最後まで、自分が善政を敷いているなどとは考えていない。


「俺は悪役令息として、好きに生きているだけだ」


アレンはそう思っていた。


しかし周囲から見れば、領地を発展させ、家を繁栄させ、妻や側室にも恵まれた領主だった。


そして何より――。


自分の価値観を理解してくれるセリナが妻になったことで、アレンは何の不満もなく暮らすことができた。


「俺は本当に幸せな悪役令息だな」


アレンは満足そうに笑った。


こうしてアレンは、ハーレムに理解のある妻とともに、本人だけは最後まで自分を悪役令息だと思いながら、幸せな日々を送るのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。