↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令息に転生した俺は改心しない  作者: まゆな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
48/60

セリナの領地への移動

セリナと婚約してしばらく経った頃、アレンは一つの問題に気づいた。


「セリナの領地まで行くの、面倒だな」


婚約者となったセリナは、時々実家の領地へ戻ることがある。


アレンも婚約者なのだから、一緒に訪問する機会は増えるだろう。


しかし、そこまでの道はあまり整備されていなかった。


「馬車で移動するだけで疲れる」


アレンはしばらく考えた。


そして執事長を呼び出した。


「セリナの領地までの道を整備してくれ」


「かしこまりました」


「それと、馬車で一日進める距離ごとに宿を作ってくれ」


執事長は少し考えてから尋ねた。


「宿を、でございますか?」


「そうだ。途中で泊まれる場所がないと面倒だからな」


「承知しました」


アレンの目的は単純だった。


自分がセリナの領地へ行くのを楽にするため。


領地間の交通を発展させるつもりなど、最初からなかった。


工事が始まると、道は徐々に整備されていった。


馬車が走りやすくなり、雨が降っても通行しやすくなる。


さらに、一定間隔で宿が整備されたことで、長距離を移動する商人たちにも便利な道となった。


「この道なら以前よりずっと早く行けるぞ」


「途中に宿があるのもありがたい」


「これならセリナ様の領地まで商売に行ってみるか」


商人たちが行き来するようになる。


人が増えれば商売も増える。


宿の周囲には食事処や商店まででき始めた。


やがてセリナの領地にも、以前より多くの商人が訪れるようになった。


「最近、領都が賑やかになったな」


「新しい商人が増えています」


「街道が整備された影響でしょう」


セリナの父親も驚いていた。


以前は領地の立て直しだけで精一杯だった。


それが、今では外から人や商品が入ってくる。


領地の経済まで活発になり始めていた。


そして、当然のようにアレンの評価も上がっていった。


「アレン様は本当にセリナのことを大切にしてくださっている」


「婚約者のために、ここまで街道を整備してくださったのか」


「おかげで商人まで増えた」


領民たちの間でも、アレンを歓迎する声が増えていく。


セリナの父親も感慨深そうに語った。


「娘を嫁がせたことで領地が救われただけではない。今度は領地そのものが発展し始めている」


一方、その頃のアレンはというと――。


「これならセリナのところまで楽に行けるな」


完成した街道を見て満足していた。


「宿もあるから途中で休める。これで移動も楽になった」


アレンにとっては、それだけだった。


商人が増えたことも、領地が発展したことも、特に気にしていない。


「自分が楽をするために作ったんだから、俺が一番得をしているな」


アレンは満足そうに頷いた。


しかし実際には、セリナの領地は大きな恩恵を受けていた。


そしてまた一つ、


「セリナの家は本当に良い婚姻を結んだ」


という評判が広がっていくのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。