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悪役令息に転生した俺は改心しない  作者: まゆな


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護衛に復帰

リサの妊娠が分かってからしばらくして、無事に男の子が生まれた。


「よく頑張ったな、リサ」


アレンはベッドで休んでいるリサに声をかけた。


リサは疲れた様子ではあったが、無事に子供を産めたことに安心しているようだった。


「ありがとうございます」


リサのそばには、生まれたばかりの男の子がいる。


アレンにとっては、自分に子供を作ることができると分かったことも大きかった。


これまで誰にも子供ができなかったため、少しだけ不安に思っていた。


しかし、その心配は必要なかった。


リサとの間に、無事に子供が生まれたのだ。


ただし、この子を侯爵家の後継者にするつもりはない。


リサはもともと奴隷だったため、侯爵家の跡継ぎとしては都合が悪い。


そのため、アレンはすでにリサを奴隷から解放し、正式な妾として迎えていた。


出産を終えたリサは、しばらく休養することになった。


ところが、数日してからリサが妙なことを言い出した。


「体調が戻ったら、また護衛に戻ります」


「……護衛?」


アレンは思わず聞き返した。


「はい」


「もう母親なんだから、しばらく大人しくしていろ」


アレンとしては当然のことを言ったつもりだった。


子供が生まれたばかりなのだから、今までのように護衛を続ける必要はない。


それに、リサには母親としてやることもある。


しかし、リサの意志は固かった。


「私はアレン様の護衛です」


「いや、だからもう無理しなくていいって」


「大丈夫です」


「大丈夫じゃないから言ってるんだけどな……」


アレンは説得を続けたが、リサは一歩も引かなかった。


そこでアレンは、別の人間に相談することにした。


「アリス、リサが護衛に戻ると言っているんだけど、どう思う?」


アレンが尋ねると、アリスは少し考えてから答えた。


「私でも、同じ立場なら護衛に戻ります」


「……お前もか」


アレンは頭を抱えた。


どうやら、この二人にとって護衛という仕事は、それほど重要なものらしい。


「母親になったんだから、もう少し自分のことを考えてもいいと思うんだけどな」


「それでも戻ると思います」


アリスの返答は迷いがなかった。


ここまで言われてしまえば、アレンも無理に止めることはできなかった。


「分かった。体調が戻ってからだぞ」


「はい」


こうして、リサは体調が戻り次第、再びアレンのそばに付くことになった。


これでアレンの身近にいる護衛役は、アリス、リサ、そして新しく育てているサキの三人になる。


「三人もいれば、かなり安全になるな」


アレンはそう考えた。


もっとも、実際にはアリスやリサ、サキの三人だけで危険な場所へ行くわけではない。


アレンが外へ出るときは、基本的に騎士団から護衛が出されている。


メイドたちやアリスたちは、その護衛とは別にアレンの身近に付き添っているだけだ。


そもそも、アレンがメイドだけを連れて危険な場所へ入るようなことはない。


「まあ、三人がいても実際に戦う機会なんてほとんどないんだけどな」


アレンはそう思った。


それでも、身近にいる人間が増えれば安心感はある。


特にアリスは、すでに騎士団のメンバーと戦えるほどの実力を持っている。


リサもこれまで護衛として訓練を積んできた。


そして、サキもこれから騎士団の訓練に混ざって成長していく。


三人が揃えば、身の回りの護衛役としては十分すぎるほどだろう。


「まあ、サキを一から育てる手間は残ってるけど……」


アレンは訓練場で騎士たちに混ざって訓練しているサキを眺めた。


リサが戻ってくれば、護衛の人数は三人になる。


その頃には、サキも少しは成長しているはずだ。


「……これなら、しばらくは大丈夫そうだな」


アレンはそう考え、再び自分の仕事へ戻っていった。

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